
追い込むと仕留めるは別物
互いにゆったりとボールを持つスタートとなった立ち上がり。マドリーはギュレルが下がってCH仕事、パチューカはLSBのゴンサレスがフリーマンとして動き回る形でビルドアップを関与。枚数をかけてのポゼッションから立ち上がる。
そうした中で目についたのはパチューカの加速。主に右サイドをボールの出しどころとしてDFラインの背後に落としていくスタンスが見えた。この背後の動きには非常に枚数をかけており、少なくとも2枚は保証しているのが特徴。ただし、中盤でのポジションチェンジを許容していることもあり、マドリーに跳ね返されたら一気にカウンターを打たれるリスクもあった。
この賭け要素をものにしたのはパチューカ。ハイセンとアセンシオのDFラインの乱れから背後をつくと、アセンシオがDOGSOによる一発退場。マドリーは6分過ぎに数的不利となる。
この状況に味を占めたパチューカは縦に速い攻撃で裏狙いを継続。ただし、縦に速い選択はマドリーの攻撃もスペースがある状態を継続していたため、パチューカにとってはリスクがある。スローダウンしてしまうと強引なミドル以外はあまり何かが見当たらないため、リスクも下がるが手詰まりになる状態。10人ながらもフラン・ガルシアが高い位置をとることで左サイドからの攻め筋があったマドリーとは別だった。
先制したのはマドリー。左サイド、ベリンガムのヘッドによるサイドチェンジをきっかけにフラン・ガルシアがラインブレイクに成功。これを再びベリンガムが仕上げて先行する。
SBの攻め上がりは追加点のトリガーに。ヴィニシウスのサイドチェンジを引き取ったアーノルドからのクロスでマドリーは追加点。流れるような中央のポストから攻撃参加を促されたギュレルが追加点を仕留める。
後半、パチューカは選手を入れ替えての勝負。後半も数的不利を感じさせないマドリーだったが、60分前後からパチューカが枚数をかけた攻撃で敵陣に迫っていく。
しかし、試合を決めたのはマドリー。70分のバルベルデのゴールが試合を決着させることに。この試合で10人であることを感じさせなかった立役者の1人である彼のゴールで試合はさらにマドリー優位に。
80分に一矢報いたパチューカだが、反撃はここまで。試合は10人のマドリーがパチューカを下した。
ひとこと
マドリーを追い込むことと、マドリーを陥落させることの難易度は全然違う。
試合結果
2025..
FIFA Club World Cup
グループH 第2節
レアル・マドリー 3-1 パチューカ
バンク・オブ・アメリカ・スタジアム
【得点者】
RMA:35‘ ベリンガム, 43’ ギュレル, 70′ バルベルデ
PAC:80′ モンティエル
主審:ラモン・アバッティ