
時間帯ごとのメリハリをつけて逆転突破
勝てば他会場の結果に身を委ねることができるアル・ヒラルとすでに連敗で敗退が決まっているパチューカ。置かれている状況としては非対称の一戦である。
序盤からボールを持つのはアル・ヒラル。ネベスのサリーから3バックにシフト。SBが高い位置を取り、ギャップを作りにいく。インサイドではマルコムがボールを受けてタメを作ることでオーバーラップを誘発。厚みのある攻撃からチャンスメイクをしていく。
パチューカも左サイドを揺さぶりながらビルドアップを敢行。アセベスが微妙に高さを変えながら前進していく。
しかし、先制点は優勢なアル・ヒラル。マルコムを軸とした攻撃で押し下げたところからチャンスを作っていたが、1点目はトランジッションから。中盤でのボール奪取から一気に裏をとったアッ=ドーサリーが技ありのループでゴール。望み通りの先制点を手にする。
先制点以降もこの得点の形は健在。ミドルゾーンで構えて刈り取り、ファストブレイクからゴールに迫っていく。
飲水タイムを挟み、セットプレーからチャンスを作っていったアル・ヒラル。初めはピンチが多かったパチューカだが、徐々にサイドから押し返す手応えを掴むと、押し下げられた状況に焦ったアル・ヒラルはボールハントの間合いを図れずに穴を開けるシーンもしばしば見られた。
勢いに乗るパチューカは後半頭から積極的に圧力をかけるスタート。高い位置からボールを奪いにいくことでハイプレスからチャンスを作っていく。陣地回復のポイントを潰したパチューカは左右からクロスを上げてアル・ヒラルを攻め立てる。
耐える展開が続くアル・ヒラル。60分になるとパチューカのハイプレスの勢いは落ち着き、徐々にターン制のポゼッションのバトルに試合は変化していく。
均衡の時間で時計の針を進めたアル・ヒラルは80分に再びローブロックに移行してゲームクローズに。ラインを明確に下げて自陣に人垣を作った。反撃の手段はサイドからのカウンター。大外をガラ空きにして攻め込んでくるパチューカに対して、陣地回復の道筋をつけながら自陣に引きこもる。
最終的に次の得点を手にしたのはアル・ヒラル。レオナルドのカウンターからの追加点で試合を決定づけたアル・ヒアルは他会場での結果にも恵まれ、逆転でグループステージの突破を決めた。
ひとこと
先制点の存在が大きな後押しになった展開だった。
試合結果
2025.6.26
FIFA Club World Cup
グループH 第3節
アル・ヒラル 2-0 パチューカ
ジェオディス・パーク
【得点者】
HIL:21′ アッ=ドーサリー, 90+5′ レオナルド
主審:ダニー・マッケリー