
猛追も北米勢唯一の生き残りは果たせず
序盤から強度の高いスタートとなったこの試合。序盤にボールを持ったのはモンテレイ。ボールサイドに陣形を動かしつつ、人を集めつつ縦に鋭く進んでいく。
CHがフリーになれば大きな展開が見込める形。デオッサは強靭なフィジカルで相手に捕まってもターンで抵抗することができる。いざとなれば自分でファウルを奪い取ることができる力強さもある。
カナレスは縦になめらかな楔を入れることで進撃。CFのベルトラメはボールを収めて左右に展開したり、相棒のコロナは縦に鋭く進んだりすることで裏のボールを引き出す。異なる前線の個性に合わせて前進に寄与していた。
しかし、ドルトムントも縦パスを強気でカットすることで封殺。立ち上がりは保持の機会を掴み、徐々にポゼッションからモンテレイを動かしていく。モンテレイの前線は特にドルトムントの左サイドに対して、あまり守備のきっかけをつかめなかった様子。ホルダーにプレスがかからないまま間に通されるケースが多かった。
右サイドではグロスが広がりながらチャンスを作っていく。アデイェミ、リエルソンといった面々とコンビネーションで徐々に奥を取っていく。
インサイドとアウトサイドをバランスよく攻めていたドルトムントは楔からあっさりと先制。アデイェミとギラシのスモールスペースの攻略から一気に打開に成功する。
勢いに乗るドルトムントはファストブレイクから追加点。右サイドを駆け上がるアデイェミからのクロスで再びギラシがゴールを決めてリードを広げる。
ビハインドとなったモンテレイは保持の時間を少しずつ与えられるように。ドルトムントに対して、CHを浮かしながら幅を取る攻撃で攻め込んでいく。大外からは斜めのランで背後をつくように走りこむ形で決定機をもたらした。
だが、ゴールを奪うところまでには至らず。試合はドルトムントのリードでハーフタイムを迎える。
後半の頭も引き続き主導権はモンテレイ。左に流れるコロナからファーのアギーレにクロスを送ると、この折り返しが引っかかりながらもベルトラメに。後半早々にモンテレイが1点差まで追い上げる。
失点したことで前からのプレスを強めるドルトムント。だが、モンテレイは縦横に長い展開を仕掛けることでプレスを回避する。プレスを回避するようなゆるっとしたボールもあれば、鋭くカナレスが刺すパスから一気に抜け出すパターンも。モンテレイは引き続き決定機を作っていく。
この難しい時間帯をコベルのファインセーブでしのいだドルトムント。徐々に縦パスに対するチェックが弱まってくるモンテレイに対して少しずつ保持の時間を作っていく。
ネットを揺らすシーンも作ることができたモンテレイだが、オフサイドでゴールは認められず。終盤はドルトムントに緩やかにペースを握り返されてしまい、1点差のギャップを埋めることはできず。北米勢唯一の生き残りは叶わなかった。
ひとこと
モンテレイ、保持局面強い。
試合結果
2025.7.1
FIFA Club World Cup
Round 16
ドルトムント 2-1 モンテレイ
メルセデス・ベンツ・スタジアム
【得点者】
BVB:14’ 24‘ ギラシ
MON:48‘ ベルトラメ
主審:ファクンド・テージョ
