
歴史的な勝利を延長でもぎ取る
アジア勢唯一のRound16に進出したアル・ヒラル。プレミアの銀河系軍団であるシティに挑む大一番を迎えることとなった。
インザーギがヒラルにもたらしたプランはコンパクトな5-4-1ブロック。シティはボールを持つことを許容される形でCBから組み立てていく。右サイドの方が人を厚めに敷く形となっている保持となったシティ。逆に左サイドは少ない人数でドクとアイト=ヌーリが鋭い突破から壊しに行く。
一方のヒラルはカウンターベース。右サイドに流れるレオナルドやマルコムからチャンスメイクを狙っていく。構えてロングカウンターという非常にわかりやすいプランだ。
ひたすらブロックを壊す作業を行うこととなったシティは10分で先制点をゲット。左サイドからナロースペースを崩す形でラインダースとアイト=ヌーリのフィーリングが一致した。
先制点以降もペースを握ったのはシティ。右のハーフスペースアタックなど、動き出しから違いを見せていく。ギュンドアン、サヴィーニョには決定機もあったが、ここはブヌがファインセーブ。簡単に失点を許さない。
望みをつないだヒラルは左右にボールを動かすポゼッションから試合のコントロールを部分的に取り戻しに行く。レオナルドのキープ力はチャンスを感じるものではあったが、ゴールまでには至らず。保持で主導権を握るシティが優勢のままハーフタイムを迎える。
後半早々にヒラルは同点ゴール。右サイドで時間をもらったマルコムからカンセロ、レオナルドとつないで試合を振り出しに戻す。攻撃の起点となったマルコムはここから大暴れ。カウンターから裏抜けで独走を果たすと、そのまま一人でゴールまで。一気に逆転を果たす。
ヒラルはこの時間帯以降も裏に一発抜け出す形でのチャンスメイクに成功。マルコムだけでなくアッ=ドーサリーがチャンスを迎えるなど、クリーンな状況でシティ相手に得点機会を掴む。
しかし、シティもすぐさまハーランドの一撃で引き戻しに成功するなど一筋縄ではいかない展開に。終盤は再び保持で一方的に押し込むと、ドク主体のサイドアタックから優勢に。オープンプレーではこの突破にクリバリのスライドで対応するなど意地を見せたヒラルだったが、2点目のハーランドのようなセットプレーではシティ相手に冷や汗を欠かされる展開となった。
延長戦で先にスコアを動かしたのはヒラル。セットプレーからお返しといわんばかりにクリバリが一撃を突き刺す。このゴールで自信をつけたヒラルは自陣の5-4-1ブロックを非常にシャープに構築。シティは攻めあぐねる展開が続く。
しかし、意地を見せたシティはファークロスに抜け出したフォーデンが同点ゴール。またしてもスコアをタイに戻す。
終盤も終盤までもつれた試合は最後にツインタワーを構築したヒラルに軍配。パワープレー気味に前に置いたミリンコヴィッチ=サヴィッチとレオナルドの2トップで空中戦を生かし、勝ち越しのゴールをもぎ取る。
試合はそのまま終了。アジア勢唯一の生き残りはベスト8へ。シティを激闘の末に敗退に追いやり、歴史的な勝利を刻んだ。
ひとこと
素晴らしいロングカウンターの継続力。少ないチャンスを生かす決定力も賞賛されるべきものだろう。
試合結果
2025.6.30
FIFA Club World Cup
Round 16
マンチェスター・シティ 3-4 アル・ヒラル
キャンピング・ワールド・スタジアム
【得点者】
Man City:9’ ベルナルド, 55‘ ハーランド, 104’ フォーデン
ALH:46‘ 112’ レオナルド,52‘ マルコム, 94‘ クリバリ
主審:ヘスス・ヴァレンズエラ
