
5時間越えの死闘はチェルシーに軍配
ブラジル・ダービーだった初戦とは打って変わり、Round 16の第2試合はそのままUCLのRound16と言っても差し支えのないカードとなった。
序盤からボールを持つのはチェルシー。3-2-5を基調というのはいつもと同じだが、パーマーが左に大外に入ってククレジャとレーンを分けて勝負をかけているのは特徴的な部分と言っていいだろう。CHは動かず、3バックはククレジャ以外の3人が形成する。
後方のビルドアップからCHの脇に入り込む選手に縦パスを入れていくのがチェルシー。ここからの反転でゴールに迫っていく。
対するベンフィカは2CB+ルイスに降りるコクチュがビルドアップの軸。ここに右サイドで大きく動くアウルスネスはがフリーの選手を作りにいく。インサイドに入り込むSH、細かいスペースの攻略ができるディ・マリアのところからコンビネーションをチャンスになるが、なかなかその機会が少ない。
陣地回復の機会としては左サイドに流れるパウリディスを起点に長いボールを入れていくが、なかなか味方をオーバーラップさせる時間を作るには至らず。一方的に押し込まれる展開を作り出されてしまう。
チェルシーは大外のWG、そしてCHとシャドーのポジションの入れ替えからチャンスメイクで試合の主導権を掌握。しかし、ゴールを得るところまでは辿り着かず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半もチェルシーは保持ベースで押し込んでいく。左サイドからの攻撃でゴールに迫り、後半もベンフィカを自陣から出すことを許さない。
すると、セットプレーから先制ゴールをゲット。ジェームズの直接FKが刺さり、チェルシーが試合を先に動かす。ボールを取り返しに行きたいベンフィカだが、逆に陣形は間延びしてしまいリカバリーは効きにくくなる。x
ただし、間延びするのはチェルシーも同じ。ベンフィカもライン間にパスを入れやすくなり、ここから裏とりなど攻勢に出ていけるように。試合は終盤にかけて間延びした状態での撃ち合いが続く。
しかし、85分に落雷のためこの試合は中断。2時間ほどの中断を挟むこととなる。その影響から、世にも珍しいやたらとシャープな終盤戦を迎えることとなった。
勢いをチャージしたベンフィカはグストのハンドでPKを獲得。このゴールをディ・マリアが仕留めて同点。試合は振り出しに戻すと、ここからディ・マリアを軸に攻め立ててチェルシーを追い詰める。
延長戦に持ち込んだベンフィカだが、わずか2分でプレスティアーニが退場。10人に追い込まれてしまう。それでも正面から喰らい付いていくベンフィカ。そんなベンフィカを中盤でのボール奪取でチェルシーは仕留めて試合は決着。エンクンクのゴールから試合を動かすと15分で一気に3点を奪い取った。
意地を見せたベンフィカだったが、退場で万事休す。5時間にも及んだ試合はチェルシーが制した。
ひとこと
活発に動ける85分、マジで新鮮すぎる。
試合結果
2025.6.28
FIFA Club World Cup
Round 16
ベンフィカ 1-4 チェルシー
バンク・オブ・アメリカ・スタジアム
【得点者】
SCB:90+5′(PK) ディ・マリア
CHE:64′ ジェームズ, 108′ エンクンク, 114′ ネト
主審:スラヴコ・ヴィンチッチ