
2点で完全にマドリーを飲み込む
チェルシーの待つ決勝に進むための切符をかけて逆サイドの山では欧州を代表する強豪の対決。タイトルに向けた大一番だと言える。
マドリーは準々決勝と同じく4-3-1-2。非保持においてはゴンサロ・ガルシアが中盤に下がっての守備を行い、ピッチの中央のスペースを消しにいく。
しかし、サイドから出てこれない状況のマドリーをきっちり左右に動かしながら押し込んでいくパリ。両翼から攻めていくと、右サイドのドゥエのクロスをアセンシオが処理ミスをしてルイスに先制点を献上する。
さらにはリュディガーのところを引っ掛けたパリは追加点。敵陣でポゼッションを咎めたところから最終的にはデンベレのゴール。リードをさらに広げる。
追いかけたいマドリーだが、あいにく2トップはエンバペとヴィニシウス。プレスで相手からボールを奪うという点ではおよそ適していない人選である。
パリは中央にきっちり相手の視線を集めつつ、サイドに展開することで一気に前進。ハキミの抜け出しからあっさりと3点目を仕留めてあれよあれよという間にリードを広げる。
ヴィチーニャが低い位置をとりながらポゼッションをさらに安定させるパリ。時にはボックス内に誰もいない状況を作り出し、ボール保持で時間を潰すことを優先した方策を取る。
後半、マドリーは前がかりな守備を行っていくがこれも空振り。パリに左サイドからのラインブレイクから延々とチャンスを作っていく。マドリーはプレッシングの失敗だけでなく、ビルドアップのミスからもピンチを作るなど明らかに試合の流れに乗れていなかった。
後半も中盤になると、試合の流れとしては緩慢な展開に。パリの中盤にもスペースが出てくるようになり、マドリーも推進力を持った展開を作れるようになっていった。
しかし、この試合の最後のゴールを生み出したのはパリ。ラモスのゴールによって4-0で試合を終幕。ジョタに捧げるゴールパフォーマンスで完勝を締め括った。
ひとこと
クラブW杯、かなり途中からワンサイドのゲームが増えてきている印象。2点を取られた時点でパリ相手に劣勢を巻き返せる材料はあまりマドリーにはなさそうだった。
試合結果
2025.7.9
FIFA Club World Cup
Semi-final
パリ・サンジェルマン 4-0 レアル・マドリー
メットライフ・スタジアム
【得点者】
PSG:6′ 24′ ルイス, 9′ デンベレ, 88′ ラモス
主審:シモン・マルチニャク
