
強度の差を見せて世界王者に
ついに新フォーマットのクラブW杯がファイナル。欧州勢だらけの山を抜けてきた名実ともに欧州王者のパリに対峙するのは南米勢の挑戦を真っ向から受け止めたチェルシー。アメリカの舞台で32チームの頂点が決まる一戦だ。
チェルシーはハイプレスから勝負。パリのポゼッションを外に押し出すようにボールを追いやっていく。パリはヴィチーニャのサリーでテンポを整えていく。ハイライン破りには右の大外のハキミからファストブレイク。後方は枚数を調整しながらフリーマン+ハイライン破りの裏抜けで勝負する。
チェルシーは保持でもパリに真っ向勝負。ハイプレスにくる欧州王者に対して、中央から縦関係を作りながらエンソとカイセドがフリーな選手を作る。狙い目にしていたのはサイドの裏。特に右サイドを狙うところから陣地回復を敢行する。
先制はチェルシー。サンチェスから右のグストがキープするところから、粘ったところの折り返しのパーマーが見事な先制ゴールをゲットする。グストと競り合ったメンデス、インサイドでパーマーを潰せなかったファビアンなどやや強度の差が見えた印象だった。
パリはポゼッションからリカバリーをしたいところだが、インサイドではカイセドとジェームズの潰しのせいでなかなかポイントを作ることができない。ジェームズが引っ掛けたところからのカウンターでパーマーは見事な追加点。この場面でもサイドのトランジッションの優劣が明確に見えていた印象だ。
後半、3点を追いかける必要があるパリはクワラツヘリアのカットインから反撃をかける。サイドのアタッカーの切れ味はさすがで逆サイドからもドゥエが決定機を作っていく。
押し込み出すパリに対して、チェルシーはカウンターで対応。デラップからのロングカウンターでチャンスを作っていくが、ドンナルンマがこれを弾き飛ばす。3点ビハインドなのに立ちはだかっている感が出るのは流石である。
押し込む方のパリもサンチェスに好セーブを敷いていたので戦いとしては手応えあり。しかし、何もないところでネベスがククレジャの髪を引っ張ってしまい退場。これで反撃ムードに水を差してしまう。
結局、前半の3点が大きかった試合に。チェルシーが欧州王者を下し、この夏の世界王者に輝いた。
ひとこと
この大会の中での運用としてチェルシーはかなりターンオーバーを意識していたし、決勝ではその分の強度の差が出た印象。
試合結果
2025.7.13
FIFA Club World Cup
final
チェルシー 3-0 パリ・サンジェルマン
メットライフ・スタジアム
【得点者】
CHE:22′ 30′ パーマー, 43′ ペドロ
主審:アリレザ・ファガニ
