
白い巨人がラスト1枠を確保
パリの待っている準決勝のラスト1枚の切符を争うのはマドリーとドルトムント。CLでおなじみの両雄がベスト4最後の1枠をかけた一戦に挑む。
ドルトムントは5-3-2で構える形からのスタート。バックスに無理にプレスをかけずにボールを動かされることを許容する。
一方のマドリーは4-4-2の中盤ダイヤモンドというイレギュラーな形。ギュレル、バルベルデといったIHは相手のサイドにスライドする形でプレスに出ていくため、その背後をブラントにつかれるなど中盤の負荷が目立つ立ち上がりとなった。
守備的な構造のズレは明らかにマドリーの方が大きかったが、先に守備を咎められたのはドルトムント。ブロックの外にはチェックが甘くなるという原則が仇となり、好きに左サイドから動かされた結果、インサイドでマークを外したゴンサロ・ガルシアがゴール。動かされなくてもチェックがかからなきゃ意味がない!と言わんばかりのゴールだった。
失点したドルトムントはWBが前に出ていき積極的な形の守備にシフト。しかし、逆にサイドの空いたスペースにゴンサロ・ガルシアに走られてしまい、押し下げられる機会も増えていく。
右サイドのズレを作る形でマドリーは追加点。アレクサンダー=アーノルドの飛び出しにベンセバイニのチェックが遅れてしまい、折り返しをフラン・ガルシアに押し込まれてしまう。
得点を重ねてなおマドリーは主導権。IHの自由度が高いマドリーは縦に抜けていく目途が立つと一気に攻撃に圧をかけていく。ヴィニシウスが突き抜けるケースもあれば、ベリンガムなどが前線に雪崩れ込むケースも出てくる。
2失点以降、ドルトムントは少しずつポゼッションを増やしていく。さすがに左右のスライドが甘くなったマドリーに対してポゼッションを増やしていくが、降りる前線にきっちりとチェックをかけていくなど、マドリーは要所を締める運用でチャンスを許さず。試合はマドリーのリードでハーフタイムを迎える。
後半、ドルトムントは3枚交代で右サイドを攻撃的に変更。プレスもより前がかりな姿勢を見せていく。
しかし、マドリーは落ち着きながらカウンターで反撃。バルベルデ、ヴィニシウスのキャリーからチャンスを作っていく。ハイセンとフラン・ガルシアのラインがやや怪しかったが致命傷にはならなかった。
後半頭のドルトムントのブーストが得点につながらなかったことと、モドリッチの投入によりマドリーの保持が安定感を取り戻したことでマドリーは試合を鎮静化する。後半追加タイムにはDOGSOからハイセンが退場し、1点を返される。ここから試合は激流となるが、最終的にはマドリーが1点差をキープ。準決勝最後の1枠は白い巨人の手に収まることとなった。
ひとこと
マドリーの自由度がプラスになった試合だった。
試合結果
2025.7.5
FIFA Club World Cup
Quarter-final
レアル・マドリー 3-2 ドルトムント
メットライフ・スタジアム
【得点者】
RMA:10‘ ゴンサロ・ガルシア, 20’ フラン・ガルシア, 90+4’ エンバペ
BVB:90+3‘ バイアー, 90+8‘(PK) ギラシ
主審:ラモン・バラッティ
