■初陣の選手で臨む賭けは
大会直前で選手8人がコロナウイルス陽性反応。慌てて自国から15人の選手を新たに呼び寄せるなど完全にバタバタだったベネズエラ。グループステージでは明らかに弱者の戦いを強いられたものの、驚異的な粘りでコロンビアなど格上から勝ち点を奪ってきた。しかし、粘り切ることはできても勝ち切ることができないベネズエラ。攻撃に打って出ても、なかなか得点を得ることができないことが課題となって立ちはだかっている。
対するペルーも他会場の結果次第ではまだ敗退の可能性がある状況。内容的には悪くないサッカーが続いているが、少なくとも引き分け以上で突破を決めたいところである。
ベネズエラはこの試合に向けて大幅にメンバーを入れ替えてきた。パパっとtransfermarktを見てみると、今回スタメン入りした選手たちは大会前にの代表戦には出場していた選手たちばかり。おそらくなのだけど、コロナの影響で隔離していた選手たちを戻したということなのだろう。
ベネズエラは保持をしながらペルーのプレスの合間をかいくぐりながら前進を試みる。しかしながら、なかなか相手のゴール前にはたどり着ける状況にはない。これまでは右サイドのゴンサレスとマルティネスを軸に推進してきたが、彼らはこの日はベンチ。攻め手がハッキリしない分どこから進むかがぼやけた印象を受けた。それだけに17分に右サイドから進んで得たコルドバの決定機は決めたかったところ。あとは押し込むだけだったのに。
時間が経つとともに主導権はペルーに。ベネズエラは高い位置から止めに行くものの、保持の部分で力があるペルーはプレスをいなしながらスイスイ進む。これまでのベネズエラは撤退型の5-4-1を主体としてきたが、さすがにそれだけでは勝利は遠いと感じたのだろう。だが、結局高い位置からは止められず、ずるずるとラインを下げてしまうことが多かった。
その結果、ライン間の適正な距離を保てないベネズエラ。ペルーは同サイドを打ち破りながらラインを押し下げる動きを増やしていく。押し込む時間が増えたペルーは後半にセットプレーから先制する。
困り果てたのはベネズエラ。保持における武器も定まらない。かつ、高い位置で相手を止めることもできない。大会初戦となる選手たちを入れ替えて投入したベネズエラの賭けは事態を好転させることはなし。グループステージを盛り上げたが、残念ながらここで敗退となってしまった。
試合結果
ベネズエラ 0-1 ペルー
マネガリンチャ・スタジアム
【得点者】
PER:47′ カリージョ
主審:パトリシオ・ロースタウ