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「Catch up Premier League」~リーズ編~ 2025-26 season

リーズ、25-26シーズンの歩み。

目次

第1節 エバートン戦(H)

3シーズンぶりのプレミア復帰を勝利で祝う

 第1節のトリを飾るのはプレミアに帰還したエランド・ロード。モイーズ率いるエバートンを本拠地に招いてのプレミア復帰戦である。

 序盤から積極策を見せるのはリーズ。人を追い回す中盤より前の守備はアグレッシブそのもの。列を超えて相手のバックラインをチェイスすることを許容されている田中を筆頭に強度満点の守備を行っていく。

 エバートンはCBが開きながらのポゼッションで後方でフリーマンを作りにいくが、出口となるのは前線へのロングボール。ベトをターゲットとした空中戦で陣地回復を狙っていく。しかしながら、これは単発。セカンドボール回収も含めてリーズに対してあまり効果的な攻撃とはならなかった。

 エバートンの非保持はかなり背後へ重心を傾ける形。降りるアクションに対して無頓着で、リーズのホルダーに対しては中盤の手前であれば自由にボールを持たせてOKという姿勢だ。

 田中がややアンカー気味の位置にスライドすることで左サイドを押し上げるのがリーズのビルドアップ。ニョント、シュタハ、グドムンドソンの3人を軸にクロスを上げていく。

 右サイドは逆にシンプルに2人での崩し。ジェームズ、ボーグルの2人で素早く攻め切る。逆サイドからのクロスに実直に飛び込んでいくジェームズを見ると、リーズの攻撃は左で作って右で仕上げる形がメインなのかもしれない。

 しかしながら、エバートンは最後のところが固くなかなかこじ開けることができない。一方的にリーズがポゼッションを高めながらシュートを積み上げていくが試合を動かせず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。

 後半、リーズは前半と変わらないポゼッションからスタート。しかし、エバートンもハイプレスに出ていくことで前半と同じペースにはしない意識を見せる。

 というわけで試合はテンポを上げてオープンに。リーズはプレッシャーがかかると割と簡単に蹴っていくことで試合のテンションが上がる格好に。互いに一気に中盤での奪い合いから勝負を仕掛けていく。

 強度が落ち着くと交互のポゼッションによるターン制のバトルに。そうなると互いのブロックを崩すための決め手がなかなか出てこない。

 膠着した試合において決め手になったのは再び強度。田中の二度追いがリーズのプレスを起動するとここから得た攻撃の機会でハンドによるPKを獲得。ターコウスキにとってはやや厳しい判定となったが、リーズはこのチャンスを仕留めて貴重な先制ゴールを決める。

 長かった7分の追加タイムを凌ぎ切ったリーズ。3シーズンぶりのエランド・ロードのプレミア復帰戦を見事に白星で飾った。

ひとこと

 リーズ、流石に後半はトーンダウン。前半でスコアを動かしたいチームのように見えた。

試合結果

2025.8.18
プレミアリーグ 第1節
リーズ 1-0 エバートン
エランド・ロード
【得点者】
LEE:84′(PK) ヌメチャ
主審:クリス・カヴァナー

第2節 アーセナル戦(A)

大得意のシチュエーションでのゴールラッシュ

 レビューはこちら。

 ホーム開幕戦を迎えたアーセナル。ホームでは15年ほど負けていない昇格組との一戦で25-26シーズンの幕を上げることとなる。

 開幕戦ではエネルギッシュなプレスを仕掛けていったリーズに対して、まずはアーセナルは後方に人数をかけるポゼッションからの前進。ライス、ウーデゴールといった面々が下がって受けることでリーズにハイプレスを躊躇させる。

 下がるだけでなく上がるアクションも具備しているのがアーセナルのこの試合での良かったポイント。低い位置に下がって降りる動きと合わせて高い位置を取るカラフィオーリは特にリーズのプレッシングの牽制になっていたと言えるだろう。

 リーズはアーセナルのハイプレスに苦戦。高い位置から積極的に潰しにいくこの日のアーセナルにリーズはロングボールをカジュアルに蹴るが、ピルーではロングボールでガブリエウとサリバからアドバンテージを取るのは難しい。左右に揺さぶろうにも的確にボールをハントするスビメンディの山を越えることができず、カウンターのきっかけに。これが2点目のサカのゴールに繋がった。

 その10分ほど前のセットプレーでのティンバーのゴールで2点のリードを得たアーセナル。ハーフタイムを余裕を持って迎えることに。

 後半、アーセナルはギョケレシュに早々にゴールが生まれる。プレスの切れ目を見逃さなかったカラフィオーリから裏抜けのパスを引き出すと馬力全開の形でゴールをゲット。ホームのファンにご挨拶をすることに成功する。

 さらにはセットプレーで2つ目のゴールを手にするアーセナル。混戦からティンバーが押し込むことでリードをさらに広げる。

 後半の頭にはハイプレスからチャンスを伺っていたリーズだったが、4点目が入ったところで意気消沈。少しずつ低い位置で構えるケースが増えてくるように。

 終盤の主役になったのはダウマン。30分ほどの残り時間をたっぷり与えられた15歳はプレシーズンでの好調さをそのままに右サイドで躍動。グドムンドソンだけでなくニョントが警戒するサイドの守備で見事に渡り合って見せる。

 後半の追加タイムにはPKも獲得。力強いシュートだけでなく、実際に得点につながるプレーを見せたのは素晴らしいの一言。このPKをギョケレシュが決めてゴールラッシュは締め。大量5得点で得意な昇格組に対してホーム開幕戦を勝利で飾った。

ひとこと

 この2節目に関しては2人の負傷者が唯一の懸念と言っていいアーセナルだった。

試合結果

2025.8.23
プレミアリーグ
第2節
アーセナル 5-0 リーズ
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:34′ 56′ ティンバー, 45+1′ サカ, 48′ 90+5′(PK) ギョケレシュ
主審:ジャレット・ジレット

第3節 ニューカッスル戦(H)

CL前の貯金作りに失敗

 本来であれば、強いプレスを生かした強度の高い選手を活用することで得点を狙っていきたい両チーム。しかし、怪我人や退場者でなかなか完成系を披露することができていない。この試合でもまずは前からを体現するかが注目となる。

 ニューカッスルは5バックという噛み合わせの工夫を披露。大外をWBに任せて、シャドーのラムジーとマーフィーはインサイド寄り。絞りながら中盤のパスワークを狙っていく。

 序盤は左右に揺らしながら敵陣に迫ることができたニューカッスル。トリッピアー、リヴラメントの両翼からのクロスでチャンスを作っていく。

 だがリーズも反撃。トランジッションから右サイドの裏を狙う動きですぐに対応。さらには保持から左サイドのニョント、シュタハ、グドムンドソンの三角形からハーフスペースの裏をとっていく。

 ニューカッスルが保持で押し込む時間帯と試合はリーズが高い位置でボールを奪って押し返す時間が交互に押し寄せてくる展開。相手の守備ブロックにトライする頻度は押し込んでいるチームの方が高かったが、最終的な決め手というのはなかなか苦しいところ。

 押し込む時に人数をかけていたのはニューカッスルの方ではあったが、WBに大外を任せている分、対面に捕まった時の突破力は据え置きになってしまった感がある。U字気味のポゼッションからなかなかブレイクスルーが見つからず。リーズも同様の悩ましい状況により、試合は得点はおろか枠内シュートも少なめの状態でハーフタイムを迎える。

 後半、リーズはハイプレスを敢行。高い位置からのボール奪取で押し返して入る立ち上がりとなった。ニューカッスルは良くも悪くも前半と似たテンション感だったが、徐々に横断からのリカバリーに成功。段々と押し込んでいくように。

 押し込むニューカッスルは後は攻め切るだけという手応えを得たからか4バックにシフト。しかし、このシフトで更なる攻撃の増強には至らず。押し込んだところから本職のWGを入れてもなかなか突破することができない。

 逆にキャルバート=ルーウィンが登場したリーズの前線は手早くボールを運ぶ形が成立するように。こちらも途中出場のハリソンのボール奪取からのカウンターはリーズの新しい武器になる予感を感じさせる一幕だった。

 だが、最終的にはどちらもゴールをこじ開けることはできず。試合はスコアレスドローのまま幕を閉じることとなった。

ひとこと

 ニューカッスル、バタバタしているうちに出遅れてしまった。CL前に貯金が欲しかったところだろうが。

試合結果

2025.8.30
プレミアリーグ 第3節
リーズ 0-0 ニューカッスル
エランド・ロード
主審:ピーター・バンクス

第4節 フラム戦(A)

間に合ったスコアへの結びつけ

 開幕節はエバートン相手にギリギリで勝利をあげたリーズ。そこからは連敗が続いている。今季はややジャッジにも恵まれず未勝利が続いているフラム相手になんとかリカバリーを図りたいところ。

 試合はフラムのポゼッションでスタート。意外だったのはリーズのスタンス。前からガンガン捕まえにいくのが初めの3試合の大まかな傾向であったが、この試合ではきっちりと構えながら相手をブロックの外に追いやるような守備にシフト。そのため、フラムは少ないプレッシャーでボールを持つことができるように。

 フラムのポゼッションは左サイド主体。イウォビ、セセニョン、キングのユニットでタメを作り、右サイドへの大きな展開からチャンスを作っていく。左右のトライアングルを意識しながらリーズを押し下げていく。しかしながら、リーズはブロック守備での跳ね返しは安定。シンプルな大外からのクロスは無効化できていた。

 リーズは保持に回れば手数をかけたポゼッションを敢行。フラムも前からガンガンというテイストではなかったので頻度は低いがポゼッションのプレッシャーは少なく進められる形。IHがCBの外に回る形のサリーで後方に数的優位をかけつつ、縦パスの入れどころを探って前進をしていく。

 前線にはキャルバート=ルーウィン、オカフォーという身体能力が高い武器を備えたリーズ。前者にはセットプレーの流れから決定機があるなどチャンスもある展開だった。逆にサイドに流れて起点となり、ロングスタッフのミドルを誘発するなど、スペースメイクから存在感を見せる展開もあった。

 後半は豪雨の中でスタートする展開。フラムはポゼッションからサイドで裏を取るアクションを織り交ぜることで動きをつけていく。FKでの大きなチャンスはダーロウに弾かれてしまうが、セットプレーも含めて手応えのある後半の立ち上がりとなった。

 一方のリーズも絞ったアーロンソンがシュートチャンスを迎えるが、なかなか押し返すきっかけを掴むことができず。ポゼッションでの押し込みだけでなく、オープンなサイドの攻防においてもフラムが優勢となる展開となった。

 途中交代で入ったケビンも面白い存在。交代で入った前線の選手たちも非常にシャープ。フラムにとってはさらに支配を強めることができる後押しを受けている展開だった。

 そんなフラムの優位がスコアに結びついたのは後半追加タイム。セットプレーからグドムンドソンのオウンゴールを誘い、ついにこじ開けに成功する。

 ようやく今季初勝利を収めたフラム。終始優勢の展開を最後にスコアに反映して見せた。

ひとこと

 リーズ、ダーロウも含めてブロックを組めるクオリティがそれなりだったのは朗報だが、構えながら得点に向かえていたかと言われると微妙。

試合結果

2025.9.13
プレミアリーグ 第4節
フラム 1-0 リーズ
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:90+4′ グドムンドソン(OG)
主審:クレイグ・ポーソン

第5節 ウォルバーハンプトン戦(A)

不穏な出遅れに歯止めが効かず

 例年通り序盤戦はスロースタートのウルブス。ここ数年と違うのは、お付き合いしてくれるチームにリーズのような昇格組がおらず、降格圏にはプレミア常連組ばかりということ。例年よりも出遅れが致命傷になる可能性は高い。一刻も早く初勝利を挙げたいところだろう。

 リーズは前節のような手堅い入りではなく、高い位置からのプレッシャーを積極的にかけていくスタート。ボールを引っ掛けるとそのまま縦に進んでいきゴールにまっしぐら。いきなりグドムンドソンがワンツーでボックスに侵入するなど決定機が出てくる。

 しかし、スペースがあるオープンな展開で先制したのはウルブス。3人目として前線に飛び込んだクレイチーが相手を完全に外して冷静に1on1でフィニッシュ。後ろ寄りの選手かと思ったが、スペースに侵入する確かな嗅覚を見せた。

 このゴール以降も流れは同じ。ポゼッションを行っていくのはリーズ。大外を起点にSBの攻めあがり、特に左のグドムンドソンのオーバーラップのアクションは効いていた。だが、そこをつく形でウルブスはカウンター。攻め上がったグドムンドソンの背後を取る形で侵入していく。

 リーズは丁寧にクロスを上げる手前で前向きな選手を作るために手数をかけていた印象だったが、ゴールはシンプルなくクロスから。右サイドからのクロスを2人のマーカーと勝負しながら打ち勝ったキャルバート=ルーウィンは見事に移籍後初ゴール。試合を振り出しに戻す。

 さらに勢いに乗ったリーズはここからゴール奪取。シュタハが直接FKを叩き込むと、前半追加前にはシュタハのカットからカウンター。あっさりとリードを奪うと、さらには追加タイムにアグバドゥのパスをカットしたショートパスからカウンターを完結。リードをさらに広げる。

 2点のビハインドとなったウルブスはポゼッションで勝負。U字気味のパスワークからサイドの奥を使い縦に進みつつCKを奪取する。リーズの陣地回復に対しては受け手を厳しく制限。高い位置に出ていってカットし、反撃の隙を与えない。

 15分も経つとハイプレスの勢いはやや低下していくように。リーズが保持から時間を回復するようになると、ウルブスは4バックにシフトする大胆な選手交代。2人のCBを下げて、2人の中盤を入れるプランで前に出ていく。

 リーズはやや守備の噛み合わせの悪さに戸惑い気味ではあったが、ボックス内を素早くリトリートで埋めて対応。クロスの空中戦はあとが有利だったが、枠内シュートを許さず。リーズは2点差を見事に逃げ切って見せた。

ひとこと

 ウルブスはちょっと危機感が現実的になってきた。

試合結果

2025.9.20
プレミアリーグ 第5節
ウォルバーハンプトン 1-3 リーズ
モリニュー・スタジアム
【得点者】
WOL:8′ クレイチー
LEE:31′ キャルバート=ルーウィン, 39′ シュタハ, 45+1′ オカフォー
主審:アンソニー・テイラー

第6節 ボーンマス戦(H)

今日もホームで負けなし継続

 前がかりに出ていく形で玉砕上等のスタンスで挑む試合もあれば、きっちりと固めて臨む試合もあるリーズ。どんな時も前がかりで向かっていくスタイルが信条のイラオラ率いるボーンマスの胸を借りる一戦となる。

 いきなりチャンスを迎えたのはリーズ。抜け出しから決定機を見せたのはキャルバート=ルーウィン。完全にフリーなところだったが、ペドロヴィッチのセーブに阻まれてしまう。

 キャルバート=ルーウィンはこのシーンに加えて、18分までにさらに2回の決定機があったがいずれも仕留めることができず。決定力に難が見えたエバートン時代の中盤を彷彿とさせる展開となってしまう。

 常に前からフルスロットルのボーンマスに対して、リーズはメリハリのあるプレスで対応。ミドルゾーンでコンパクトな陣形を組みつつ、機を見てプレスに出ていく。コンパクトな中盤のデュエルは両チームとも激しいものがあった。

 デュエルが激しい中央を避けてセメンヨ、トリュフォーの2人のいる左サイドからチャンスメイクを行っていく。押し込む状況を安定的に作っていくと、頻度が増えるのがセットプレー。CKを中心にチャンスを作る。

 ボーンマスがこじ開けたのはセットプレーはセットプレーでも直接FK。セメンヨの強烈なキックで試合を動かす。

 悪くないリズムの前半から失点でやや意気消沈気味だったリーズ。しかしながらセットプレーでこちらもやり返すことでエランド・ロードは再着火。完全にフリーだったロドンのゴールで再びリーズファンはボルテージが上がる。ハーフタイム前にリーズは追いつき前半をタイスコアで終える。

 後半、リーズは勢いのいい立ち上がり。ボーンマスはそんなリーズを受け止めてポゼッションからボールを動かしていく。アダムスがサリーし、左の外に開くセネシから配球。徐々に安定して押し込んでいく。

 しかし、リーズはセットプレーから反撃。二次攻撃で粘るオカフォー、グドムンドソンから左サイドでなんとかボックス内に入っていくと、このボールをロングスタッフが見事にミート。試合を動かす。

 3人の選手交代を経て流れを変えようとするボーンマス。いつもよりもやや手数が多いサイド攻撃は引っ掛けることが多く、なかなか活性化まで持っていくことができない。押し込む時間は長くなるが、なかなかゴールは遠い展開だ。

 そんな膠着している状況を救ったのはクルーピ。またしてもセットプレーから柔らかいボレーでネットを揺らす。副審のフラッグをきっちり確認してからユニフォームを脱ぐという微笑ましい光景が見られた。きっかけとなるファウルを犯してしまったとしては非常に悔しいものであった。

 最後はボーンマスのラッシュという洗礼に何とか耐えたリーズ。こぼれ落ちた勝ち点から何とか1ポイントを死守した。

ひとこと

 リーズ、シャープで内容がとても良かったと思う。

試合結果

2025.9.27
プレミアリーグ 第6節
リーズ 2-2 ボーンマス
エランド・ロード
【得点者】
LEE:37′ ロドン, 54′ ロングスタッフ
BOU:26′ セメンヨ, 90+3′ クルーピ
主審:マイケル・オリバー

第7節 トッテナム戦(H)

競り勝って3週間ぶりの3ポイント

 徐々にスカッドの序列が固まってきたリーズ。前線に新戦力を加える変化をつけて開幕時からの全線の迫力不足はやや改善しつつある。ボデ/グリムトアウェイで勝ちきれなかったトッテナムとは日程面で差があり、ここは勝ち点は最低でもとりたいところだろう。

 トッテナムはハイプレスに出ていく形からスタート。リーズはサイドに流れるキャルバート=ルーウィンで起点を作ったり、あるいはロングスタッフのサリーからポゼッションをしたりなど強弱をつける形でこのプレスに対抗していく。

 キャルバート=ルーウィンのポストは安定感があり、トッテナムのCB相手にも通用していたが、課題であるフィニッシュではやはり難が露呈。なかなかゴールを仕留め切ることができず、押し込んだ機会をなかなか活かすことができない。ハイプレスから迎えた大チャンスも仕留めることができない。

 リーズの非保持はメリハリのあるスタート。サイドから高い位置できっちり止めていったかと思えば、ライン間はコンパクトにキープしながら相手の縦パスを制御していく。

 ポゼッションからどのように逃していくかが悩ましいトッテナムだったが、解決策としてはインサイドで強引に受けるクドゥスから。反転しながら粘ることで一気に前進していく。サイドに追い込まれたときは縦に抜ける選手に裏パスをつけることで追い込まれるサイドに奥行きを作っていく。

 先制点はこの日際立っていたクドゥスから。テルへの長いレンジのパスを切りひらき、右サイドを縦にシャープなトランジッションで切り開く。押し込んだ局面でも右サイドからのクドゥスのクロスからチャンスを作る。

 優勢だったトッテナムだが、リーズは前半のうちに同点。CB2人に対して見事に深さを作ったキャルバート=ルーウィンがチャンスを作ると、これをオカフォーが仕留めて追いつく。試合は同点でハーフタイムを迎える。

 後半、ファストブレイクからの応酬でスタート。前半にチャンスがあったキャルバート=ルーウィンは後半にもチャンスを手にするが、またしてもゴールを仕留めることができない。

 試合が落ち着いたところから得点を決めたのはトッテナム。前半も輝いていたクドゥスが強引に道を切り拓き、再びリードを奪う。

 流れを取り戻したいリーズだが、なかなかギアアップをすることができずに苦戦。プレスのスイッチが入らず、ボールを持たされた状態においても相手を崩すきっかけを掴むことができない。苦しみながらも競り勝ったトッテナムが3週間ぶりの3ポイントを手にした。

ひとこと

 クドゥスの個の力が輝いた一方、キャルバート=ルーウィンはなかなか決定機を仕留めきれなかったのが対照的だった。

試合結果

2025.10.4
プレミアリーグ 第7節
リーズ 1-2 トッテナム
エランド・ロード
【得点者】
LEE:34′ オカフォー
TOT:23′ テル, 57′ クドゥス
主審:トーマス・ブラモール

第8節 バーンリー戦(A)

陣形を高くする意識がハマったバーンリー

 昇格組同士の一戦。直線的なスタイルになるかと思われた試合だったが、個人的には意外に落ち着いた展開だったように思う。リーズは過度に前から追い立てることはせず、バーンリーは後ろに下がりすぎることなく、ミドルプレスで組み合う展開に。

 保持においてもいきなり蹴り込むのではなく、少し相手を誘引してから。リーズのキャルバート=ルーウィンは当然ターゲットにはなってはいたが、なるべくプレスを自陣に引き寄せようという意識は感じた。

 バーンリーはキャルバート=ルーウィンの同サイド圧縮の誘導を回避するために、バックラインを経由してのポゼッション。浮いた選手を作るとドリブルから空いたコースを入り込むことで陣地回復を行なっていく。

 押し込む機会を安定して作ることができたバーンリーはセットプレーから先制。ロングスローもどきからのリターンをもらったウォーカーからのクロスをウゴチュクが仕留めてゴール。リーズは完全にフリーでシュートを許してしまった。

 リーズはこの失点でややギアアップ。それでもバーンリーは左右にボールを動かしながら脱出を狙う。キャルバート=ルーウィンくらいフレミングが収まれば楽だっただろうがない袖は触れない。

 バーンリーが圧力に屈する時間はそれなりに出てくるようになり、左右からの枚数をかけたクロスでボックスに迫る。カレンはそうした中でも非保持から列を上げながら押し込まれないように抵抗する姿が見えた。

 後半は再びポゼッションから相手を動かしていく形。バーンリーも細かいパスを繋いでいくが、降りるIHが1stプレス隊の脇に入り、そこから枚数をかけたサイド攻撃を仕掛けることができていたリーズの方がやや押し込むことができていたかなという印象を受ける。

 インサイドにもボールをつけてリズムよくパスワークを仕掛けることができていたため、内と外のバランスは良好。キャルバート=ルーウィン以外にもボックスに入っていく選手を作り、クロスのターゲットの枚数も確保する。

 しかし、スコアを動かせないでいるとその隙をついたバーンリーが追加点。何もないところからチャウナが生み出した素晴らしいミドルシュートでリードを広げることに成功する。

 展開的には青天の霹靂というような失点を喰らってしまったリーズ。中盤には田中を入れた終盤戦に攻勢をさらに強めるが、ブロックの外の循環が中心でボールを内側に刺すことができず。最後までミドルゾーンに高さをキープするバーンリーの守備の前に屈して、クリーンシートでの敗戦を喰らうこととなった。

ひとこと

 バーンリーの陣形を高く保つ意識がとても良かった。

試合結果

2025.10.18
プレミアリーグ 第8節
バーンリー 2-0 リーズ
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:18′ ウゴチュク, 68′ チャウナ
主審:ティム・ロビンソン

第9節 ウェストハム戦(H)

難所で初勝利はならず

 監督交代以降もなかなかリズムにのることができないウェストハム。本拠地では好調のリーズとの一戦。エランド・ロードは今の彼らにとっては非常にタフなスタジアムだ。

 試合は想像通りリーズのペース。シュタハ→田中に人が代わってもIHの役割は同じ。2トップの脇に降りる形からボールを引き取ると、次々に中盤がウェストハムの切れ目をつく形で侵入。右サイドからクロスを上げるとオカフォーが競り勝ち、こぼれたところをアーロンソンが押し込む。

 ウェストハムは一連のプレーの中で特に止められそうなところがなかった。一つ一つのプレーの淡白さは月曜のブレントフォード戦の悪い流れを引きずっているように思う。

 ハイプレスからリカバリーを図りたいウェストハム。ボーウェンにはアクロバティックなチャンスを迎えるが、これを逃すと流れは再びリーズに。セットプレーからロドンがゴールを決めてさらにリードを広げる。

 ウェストハムは両サイドのSHから進撃を狙っていくがなかなかボックス内を攻めきれず。初めはクロスを上げることができていたが、徐々にサイドアタッカーが前を向けないようになり、そして中盤で引っかかり、挙げ句の果てには何もないところでパスミスをするなど内容はみるみる悪化した。

 逆に言えばリーズはカウンターの形をどんどん良く持っていけているということ。明らかにウェストハムの追撃弾よりもリーズの3点目の方が近い雰囲気だ。試合はリーズが2点のリードのままハーフタイムを迎える。

 後半、ウェストハムは選手交代ではなくパケタとソーチェクの縦の位置関係を変えることで修正を図る。しかしながら、シュート数を重ねていくのはリーズの方。前半に比べれば前進は安定したようには見えたが、ボックス内のアクションは相手に跳ね返されるシーンの連続となってしまう。

 守備に回るシーンは明らかに前半より増えたリーズだが、ウェストハムは効果的な前進が増えたわけではなく良く防衛したと言えるだろう。田中は非保持でも粘りがあり、次がありそうなパフォーマンスだった。

 やや停滞気味な攻撃を打開したのはボーウェン。右サイドからのクロスでフェルナンデスのゴールを演出する。こういう苦しい内容で敗戦濃厚な中でのボーウェンの諦めの悪さは個人的には大好きな部分だ。

 しかし、ウェストハムの追撃は最後まで届かず。エランド・ロードは本拠地ファンの勝利を祝う声援で包まれることとなった。

ひとこと

 ボールを寄せるという行為の定義が両チームで全然違うなという感じ。

試合結果

2025.10.24
プレミアリーグ 第9節
リーズ 2-1 ウェストハム
エランド・ロード
【得点者】
LEE:3′ アーロンソン, 15′ ロドン
WHU:90′ フェルナンデス
主審:スチュアート・アットウェル

第10節 ブライトン戦(A)

第11節 ノッティンガム・フォレスト戦(A)

第12節 アストンビラ戦(H)

第13節 マンチェスター・シティ戦(A)

第14節 チェルシー戦(H)

第15節 リバプール戦(H)

第16節 ブレントフォード戦(A)

第17節 クリスタル・パレス戦(H)

第18節 サンダーランド戦(A)

第19節 リバプール戦(A)

第20節 マンチェスター・ユナイテッド戦(H)

第21節 ニューカッスル戦(A)

第22節 フラム戦(H)

第23節 エバートン戦(A)

第24節 アーセナル戦(H)

第25節 ノッティンガム・フォレスト戦(H)

第26節 チェルシー戦(A)

第27節 アストンビラ戦(A)

第28節 マンチェスター・シティ戦(H)

第29節 サンダーランド戦(H)

第30節 クリスタル・パレス戦(A)

第31節 ブレントフォード戦(H)

第32節 マンチェスター・ユナイテッド戦(A)

第33節 ウォルバーハンプトン戦(H)

第34節 ボーンマス戦(A)

第35節 バーンリー戦(H)

第36節 トッテナム戦(A)

第37節 ブライトン戦(H)

第38節 ウェストハム戦(A)

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