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「Catch up Premier League」~ニューカッスル編~ 2025-26 season

ニューカッスル、25-26シーズンの歩み。

目次

第1節 アストンビラ戦(A)

2回来た流れをモノにできず

 開幕初めての土日。ビラ・パークでのランチタイムキックオフはニューカッスルとの一戦。ここ数年は交互にCLに出場している実力者同士のチームの対決だ。

 ニューカッスルのパリ式キックオフで幕を開けたこの試合。トランジッション色が強い展開の中で先にペースを掴んだ感があったのはニューカッスル。トナーリ→エランガの裏抜けのパスなど、いきなり大きなチャンスを呼び込むパスで決定機を演出する。

 縦に速い攻撃に関してはアストンビラはあまり手応えがなかった。後方に枚数をかけようとするスタンスはあるものの、SBのところに追い込まれて蹴らされて回収というメカニズムから脱出することができず。新GKのビゾットのフィード精度もイマイチ。パウ・トーレスがいない影響が大きいのかもしれないが、ワトキンスへの裏抜け一辺倒になってしまっていたこの日のアストンビラは少し昨季までとのキャラクターの違いを感じるものだった。

 相手がプレスに来ないこともあり、試合は徐々にニューカッスルがポゼッションで支配。左サイドを中心に枚数をかけた崩しにトライしていくが、ビラもきっちりとSHを下げた守備で対応。リトリートが間に合いさえすれば、アストンビラは余裕を持って守れる感があった。ニューカッスルは中盤で相手を追い込んでのトランジッションによりゴールの可能性を感じた前半だったと言えるだろう。

 ハーフタイムはスコアレス。優勢なのはニューカッスルだが、スコアに反映される形では前半に差はつかなかった。

 前半の終盤にややポゼッションが回復基調だったアストンビラは後半も同じ流れを踏襲。4-5-1でミドルブロックを構えるニューカッスルに対してボール保持率を高めていく。

 保持率を高めるだけでなく、インサイドに楔を入れてからの裏抜けなどより前半よりも手応えのある攻撃の仕上げを行っていたビラ。先制点に徐々に近づいていく。

 だが、そんなビラに落とし穴。コンサがDOGSOで退場となってしまい、終盤の30分余りを10人で過ごすこととなる。

 この退場により再び保持の主導権はニューカッスル。左サイド、主にゴードンからの仕掛けてゴールに向かっていくが、クロスやシュートのピントが合わず、なかなかアストンビラのゴールを脅かすことができない。

 結局試合はそのまま終了。前半と後半の2回主導権を握ったニューカッスルだが、最後までアストンビラのゴールを破ることができなかった。

ひとこと

 前半のアストンビラのキャラ変疑惑はちょっと気になるところではある。

試合結果

2025.8.16
プレミアリーグ 第1節
アストンビラ 0-0 ニューカッスル
ビラ・パーク
主審:クレイグ・ポーソン

第2節 リバプール戦(H)

16歳がスリリングな展開を制するマッチウィナーに

 1人のストライカーをめぐり、熾烈な場外乱闘を繰り広げている両チーム。色んな意味でセント・ジェームズ・パークの一戦は負けられないものとなる。

 意気込みをより強く感じたのはニューカッスル。強烈なタックルでリバプールに簡単に主導権を渡さない意思を早々に見せる。プランとしてもオールコートマンツーがベースとなる超強気のハイラインを強いたニューカッスル。中でもゴードンの存在感は別格でGKまでの二度追いと中盤をマークするプレスバックの両刀を使いながらマンツーマン守備の強度を高めていく。

 リバプールの中盤はややバタバタ気味。ボールを奪われた後のニューカッスルのカウンターを止めるフェーズを含めて、序盤は後手となる展開が目立つように。保持においてもニューカッスルはサラー周辺でリヴラメントが浮くことでボールをスムーズに運ぶことができていた。

 アリソンが間を作りたがるほど落ち着きができなかったリバプール。しかしながら30分を過ぎたところでようやく押し込むように。瞬間的にトナーリから浮くヴィルツはサイドの導線となっており、ニューカッスルはこういうギャップを埋めようと自陣側に4-5-1のブロックを敷くように。

 押し込んだリバプールはフラフェンベルフのミドルから先制。狙い澄ました一撃で劣勢の中で先にスコアを動かす。このゴールですっかりペースはリバプールに。なかなかハマらなかったハイプレスでもニューカッスルを押し込んでいくと、左サイドのエキティケとガクポの連携から決定機を迎える。

 悪い流れはいいプレーをしていた選手も飲み込んでしまうのだから恐ろしい。前半終了間際にはゴードンが一発退場。ニューカッスルは数的不利での戦いを余儀なくされる。

 後半、リバプールは一手目で追加点。ガクポとエキティケの連携からエキティケがシュートを撃ち抜いてさらにリードを強固なものにする。

 ニューカッスルの4-3-2に対して一方的な保持で試合を進めるリバプール。このまま試合をコントロールしながら進めるかと思われたが、ニューカッスルはここから数的不利をものとしない押し込み方を見せる。

 一気に押し返すと左サイドからのクロスをギマランイスが押し込んで1点差に追いつく。以降もカウンターもプレスもなかなか冴えを取り戻すことができないリバプール。一方のニューカッスルも度重なる負傷によってなかなかリズムを掴めず、試合は一進一退の展開に持ち込まれる。

 すると、ニューカッスルはセットプレーの流れから同点に。自陣からのFKで抜け出したオスラが貴重な同点弾を呼び込む。

 勢いに乗るニューカッスルだが、最後の最後にドラマが。右サイドから奥を取ったリバプール。クロスは中央のショボスライを抜けてファーに待ち受けていたングモハの元に。試合を決めたのは16歳。久しぶりに見せた数的優位を生かした攻撃でリバプールは土壇場で勝ち越しに成功する。

 どうなるかわからないシーソーゲームを制したのはリバプール。セント・ジェームズ・パークを黙らせる16歳の一撃で開幕連勝を飾った。

ひとこと

 マンデーナイトには勿体無いくらいスリリングな展開となった一戦だった。

試合結果

2025.8.25
プレミアリーグ 第2節
ニューカッスル 2-3 リバプール
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:57′ ギマランイス, 88′ オスラ
LIV:35′ グラフェンベルフ, 46′ エキティケ, 90+10′ ングモハ
主審:サイモン・フーパー

第3節 リーズ戦(A)

CL前の貯金作りに失敗

 本来であれば、強いプレスを生かした強度の高い選手を活用することで得点を狙っていきたい両チーム。しかし、怪我人や退場者でなかなか完成系を披露することができていない。この試合でもまずは前からを体現するかが注目となる。

 ニューカッスルは5バックという噛み合わせの工夫を披露。大外をWBに任せて、シャドーのラムジーとマーフィーはインサイド寄り。絞りながら中盤のパスワークを狙っていく。

 序盤は左右に揺らしながら敵陣に迫ることができたニューカッスル。トリッピアー、リヴラメントの両翼からのクロスでチャンスを作っていく。

 だがリーズも反撃。トランジッションから右サイドの裏を狙う動きですぐに対応。さらには保持から左サイドのニョント、シュタハ、グドムンドソンの三角形からハーフスペースの裏をとっていく。

 ニューカッスルが保持で押し込む時間帯と試合はリーズが高い位置でボールを奪って押し返す時間が交互に押し寄せてくる展開。相手の守備ブロックにトライする頻度は押し込んでいるチームの方が高かったが、最終的な決め手というのはなかなか苦しいところ。

 押し込む時に人数をかけていたのはニューカッスルの方ではあったが、WBに大外を任せている分、対面に捕まった時の突破力は据え置きになってしまった感がある。U字気味のポゼッションからなかなかブレイクスルーが見つからず。リーズも同様の悩ましい状況により、試合は得点はおろか枠内シュートも少なめの状態でハーフタイムを迎える。

 後半、リーズはハイプレスを敢行。高い位置からのボール奪取で押し返して入る立ち上がりとなった。ニューカッスルは良くも悪くも前半と似たテンション感だったが、徐々に横断からのリカバリーに成功。段々と押し込んでいくように。

 押し込むニューカッスルは後は攻め切るだけという手応えを得たからか4バックにシフト。しかし、このシフトで更なる攻撃の増強には至らず。押し込んだところから本職のWGを入れてもなかなか突破することができない。

 逆にキャルバート=ルーウィンが登場したリーズの前線は手早くボールを運ぶ形が成立するように。こちらも途中出場のハリソンのボール奪取からのカウンターはリーズの新しい武器になる予感を感じさせる一幕だった。

 だが、最終的にはどちらもゴールをこじ開けることはできず。試合はスコアレスドローのまま幕を閉じることとなった。

ひとこと

 ニューカッスル、バタバタしているうちに出遅れてしまった。CL前に貯金が欲しかったところだろうが。

試合結果

2025.8.30
プレミアリーグ 第3節
リーズ 0-0 ニューカッスル
エランド・ロード
主審:ピーター・バンクス

第4節 ウォルバーハンプトン戦(H)

アタッキングサード欲しいもの探し

 ここまでプレミアで未勝利のチームは4つ。その全てが今週はこの現地土曜日15:00KOの試合に集約している。そうした中で唯一の直接対決がこのカードだ。

 立ち上がり、立て続けにシュートに向かったのはウルブス。1分どころか、数十秒でゴールに向かったロドリゴ・ゴメスのシュートに続き、セットプレーからもチャンス。いきなりポープの仕事が出ていく。

 以降も直線的な攻撃からシュートを狙うウルブス。新加入のアロコダレのポストなど、なんとか時間を捻り出していく。攻撃の出口となるサイドにはロドリゴ・ゴメスとウーゴ・ブエノの2人が大外から勝負を仕掛けていく。

 一方のニューカッスルはポゼッションからスタート。やや後ろ重心に構える5バックに対して、自在に左右のSBから押し下げている。アタッキングサードのアクションはどちらかといえばシンプル寄り。トランジッション成分が高ければダイレクトに背後を取るアクションからゴールに向かう形も辞さない。ヴォルテマーデのポストなどの遅攻やモスケラをあわや退場に追い込みかけたバーンズの抜け出しなど、緩急をつけた攻撃で進んでいく。

 時間の経過とともに保持の時間を増やして押し込んでいくニューカッスル。サイドからの鋭いクロスや強気のミドルなどをが放っていくが、なかなか仕留めきれない。

 そんなニューカッスルのもうひと押し探しを解決したのは新加入ストライカー。右サイドのマーフィーのクロスからヴォルテマーデのゴールで先制。ファーに逃げながらも正確にコースを狙ったシュートを放てるヴォルテマーデの体幹の強さを感じたシーンだった。

 その後もペースはニューカッスル。ポゼッションで押し込みながら時計の針を進めていきつつ、2点目を射程圏内に入れるプレーを続けていく。ウルブスはなんとか1点差をキープしてハーフタイムになんとか逃げ込む。

 しかし、後半も大きな流れは変わらず。高い位置からのプレスに出て行けず、押し込まれていく展開にウルブスは追い込まれていく。

 どちらかといえばゴールに近いのはニューカッスル。こちらも前半と同じくサイドからの速いクロスとミドルシュートを基軸に敵陣に迫っていく。

 終盤は積極的な交代策で前線を中心に入れ替えたウルブスがボールを持って押し込んでいくが、前半のヴォルテマーデのようなもう一味が足りないまま時計だけが進んでいく。最後は5バックにシフトして逃げ切ったニューカッスルが今季初勝利をゲット。未勝利対決を制した。

ひとこと

 アタッキングサードに欲しいもの探しに差が出たかなという感じ。

試合結果

2025.9.13
プレミアリーグ 第4節
ニューカッスル 1-0 ウォルバーハンプトン
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:29′ ヴォルテマーデ
主審:クリス・カヴァナー

第5節 ボーンマス戦(A)

アタッカーのシャープさが相手を上回れず

 ここまでは上位との対戦でも臆せずに立ち向かうことができているボーンマス。バックラインを中心に主力の入れ替えが発生する難しいシーズンではあるが、新しいスカッドで前向きにチャレンジすることができている。特にアウェイで元気のないニューカッスル相手に今節も勝利を狙う。

 ニューカッスルは5-4-1という背後重心のフォーメーション。バックラインにプレスをかけない選択を敢行する。ボーンマスはまずはエヴァニウソンのロングボールから前に進んでいく。背後重心のニューカッスルだが、2CHの場合はなかなか段差をうまく守れない印象。この試合でも例外ではなく、ギャップに入り込むタヴァニアを捕まえきれず。ゴールに迫られる危ういシーンも迎えることとなった。

 保持に回るとヴォルテマーデのロングボールからチャンスを作りにいくニューカッスル。収まる率に関してはそこそこといったところだろうか。どちらかといえばショートパスからCH脇のトナーリから右サイドに侵入する形の方が有望だったと言えるだろうか。

 ただ、アタッキングサードにおける攻略に関してはニューカッスルは苦戦。ドリブラーがいない分、縦に揺さぶる成分が明らかに普段よりも少なかった。

 時間の経過とともにヴォルテマーデのマークは厳しくなっていく。SBのトリュフォーも含めて、後ろ向きの相手に厳しくアプローチをかけることで前線に起点作りを許さない。

 ただし、ボーンマスの方もアタッカーのシャープさはここまでの試合に比べるとやや割引感があった。前半は互いにチャンスらしいチャンスを作れないままスコアレスでハーフタイムを迎えることとなる。

 後半、ボーンマスはハイインテンシティの入り。敵陣深くまでニューカッスルにハイプレスをかけることでロングボールを蹴らせて回収。高い位置から人数をかけてのポゼッションから波状攻撃を図っていく。

 中央のヴォルテマーデを封鎖されたニューカッスルは幅を広げながらサイドの裏をとることで陣地回復。しかし、ファストブレイクのシャープさはウィロックではなかなか出てこないのが難しいところ。ということでニューカッスルはアタッカーの入れ替えを敢行。ただし、バランスを大きく変えず、5バックはキープしたまま残り時間を過ごす選択を行う。

 しかしながら、後半もアタッキングサードのもう一味が足りなかったボーンマス。ニューカッスルも含めて交代選手が試合を活性化させる動きはできずスコアレスドローのまま決着。互いに勝ち点1を分け合う結果となった。

ひとこと

 アタッカーの精度が相手の守備ブロックを上回れなかった一戦だった。

試合結果

2025.9.20
プレミアリーグ 第5節
ボーンマス 0-0 ニューカッスル
ヴァイタリティ・スタジアム
主審:ロベルト・ジョーンズ

第6節 アーセナル戦(H)

7%の難関をくぐり抜ける

 レビューはこちら。

 直近28試合で先制したチームが勝利したのは実に25勝。スコアレスドローの1試合を除けば、先制したチームが勝利をしているカード。先制点を得たチームは93%の勝率を誇っている対戦だ。

 公式戦3試合連続でこのスタジアムで得点を取ることができていないアーセナル。この試合は積極的にハイプレスから出ていく対応であるが、アーセナルはいつも通り低い位置に下がってパスコースを作ることでこのハイプレスを回避。前節の後半からトップ下に入ったエゼはうまく段差を作り、前進に寄与する。

 アーセナルはサカとギョケレシュが前線を牽引。ポストプレーで味方に時間を配ったギョケレシュと前を向いた時にさすがのテクニックを見せるサカの2人でアーセナルの右サイドを牽引する。この2人が完結させたファストブレイクからアーセナルはPKを獲得するが、これはOFRで取り消し。明らかにギョケレシュにボールを触られた後に足がかかっていたように見えたが、ダレン・イングランドのレコメンドに従ったジャレット・ジレットはドロップボールでの再開を指示した。

 ニューカッスルは徐々に左サイドに流れるヴォルテマーデからチャンスメイク。モスケラ相手に背負うアクションを続けながらサイド攻撃を押し上げていく。

 そのモスケラが処理ミスしたところから生まれたCKからニューカッスルは先制。ヴォルテマーデのヘディングがニューカッスルに勝率93%の武器をもたらすこととなった。

 アーセナルはアタッキングサードまで運べれば面白いのだが、運ぶ過程でややつまる機会が多く、序盤ほど力を見せられない展開に。試合はニューカッスルのリードでハーフタイムを迎える。

 後半もアーセナルは保持から崩しにいく。中盤のターンから前半に効いていた右サイドへの展開からチャンスを作っていく。押し込むアーセナルに対して、ニューカッスルは徐々に5バックにシフト。自陣に引きこもることでブロック守備を強化する。

 アーセナルもカラフィオーリを下げて前線の選手を入れることでパワープレー寄りにシフト。サイドだけでなく中央をこじ開けようというアクションも見られたのはこの試合のアーセナルの特徴と言えるだろう。

 押し込むアーセナルの努力が実ったのが84分。メリーノがショートコーナーからの見事なヘディングを決めて先制。試合を振り出しに戻す。

 さらにアーセナルは後半追加タイムにCKからのヘディングからガブリエウがゴール。7%の逆転勝利という難しいミッションを達成したアーセナルが鬼門を克服した。

ひとこと

 サイドだけでなく中央をこじ開けるためのアクションが見られたことは個人的には良かったと思う。

試合結果

2025.9.28
プレミアリーグ
第6節
ニューカッスル 1-2 アーセナル
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:34′ ヴォルテマーデ
ARS:84′ メリーノ, 90+6′ ガブリエウ
主審:ジャレット・ジレット

第7節 ノッティンガム・フォレスト戦(H)

まだまだ遠い初勝利

 早くも雲行きがかなり怪しくなっているフォレスト。一刻も早くポステコグルーの指揮下での初勝利が欲しいところだろう。

 序盤からボールを持つのはニューカッスル。フォレストの後ろ向きなプレスに対して、バックラインからボールを動かしていく。フォレストの受けるクオリティは怪しさ満点。ハーフスペースに突撃する選手に対して誰が止めに行くのか?とか、逆に最終ラインのスペースを埋めるところに走ったCHのスペースにジョエリントンが侵入したりなど順調にゴールの可能性を高めていく。

 それであればと徐々にハイプレスに出ていくフォレスト。正直、少し間延びする形のフォレストであったため、少しずつチャンスを広げていきたいニューカッスル。

 しかしながら、相手の攻撃を止めてカウンターに移行するフェーズがいまいち。思ったよりもオープンな状況を味方につけることができない。

 さらに、フォレストは右サイドのワンツーで抜け出したギブス=ホワイトなど陣地回復の手段を見つけるように。ワンパターンではあるが、サイドのスピード勝負に賭けるという悪くない。わかっても追いつけないなら意味はないので。

 ニューカッスルのボックス攻略はやや読みやすかった。クロスへの飛び込みがラインを牽引する相手の最終ラインにフォーカスする形に。マイナスで受けるなどの対応の工夫はもう少し多くても良かった。

 思ったより押し込む状況を作れなかったということはファストブレイクを軸にするニューカッスルにとってはありがたいことなはず。しかし、そうした状況を引き寄せ切ることはできず。やりやすそうな状況で思うような成果が得られず、試合はスコアレスのままハーフタイムを迎える。

 仕留め切りたいニューカッスルは後半ハイプレスに出ていくことで試合を仕留めにいく。展開としては前半の頭のようにニューカッスルがきっちりと優位を出していく形に。再び押し込んでいくニューカッスルはトランジッション成分を存分に発揮したところから先制。ギマランイスのボール奪取はフォレストからすれば文句を言いたくなるものではあるかと思うが、シュート自体は見事ではあった。

 追いかけたいフォレストは気合いが入ったのはわかるのだが、流れはなかなか変えることはできず。押し込まれる機会を回避しきれないと、アンダーソンがコントロールミスからガッツリとギマランイスを削ってしまってPKを献上。この2点目で試合は完全に決まってしまう。

 まだまだ沼を出ることができないフォレスト。またしてもポステコグルーの初勝利はお預けとなった。

ひとこと

 この監督とこのスカッド、合わないんじゃないの?というファンが思いつく1つ目の疑問を乗り越えられないのはなかなか難しい。

試合結果

2025.10.5
プレミアリーグ 第7節
ニューカッスル 2-0 ノッティンガム・フォレスト
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:58′ ギマランイス, 84′(PK) ヴォルテマーデ
主審:ピーター・バンクス

第8節 ブライトン戦(A)

またしてもCL狩り

 今季、ここまでの2勝はチェルシーとマンチェスター・シティとどちらもCL出場チーム。大物に強いという実績がある今季のブライトンはイマイチ調子が上がりきらない今季のニューカッスルにとっては頭の痛い相手だろう。

 序盤はハイテンポな立ち上がり。スピード勝負ができるアタッカーをサイドにそろえている両チームらしく、縦に速い展開の応酬となっていく。ゴードンのドリブルやエランガの突破などややこの点ではニューカッスルが前に出ているのかな?という感触もあった。

 時間の経過とともにブライトンは列移動からのショートパスでの繋ぎを行うことでニューカッスルのプレスを撃退。ミドルブロックを組むように。ニューカッスルの4-5-1のミドルブロックはコンパクトではあるが、とにかくホルダーを放置する分、なかなか進むことができない。

 特にインサイドのラターのところをどのように捕まえるかを整理できておらず、捕まえられないままずるずると下がるシーンも珍しくなかった。インサイドのラター、そしてトランジッションにおけるミンテという二本足からブライトンは徐々に攻勢を強めていく。

 ライン間のラターと誰が繋がるか?というところが解決しなかったブライトンだったが、先制点の場面ではその解決策が。縦のウェルベックの抜け出しから1on1を作り、あっさりとゴールを陥れる。見事なパスワークであると同時に、ノープレッシャーのCBからの2本の縦パスであっさり崩壊する守備はやはりニューカッスルらしくないなと思ってしまう。

 後半になっても流れを作ることはできないニューカッスル。マーフィーとマイリーを入れたところからリズムを変えに行きたいが、ブライトンは右サイドから機能的に進撃。ハーフスペースアタックやトランジッションのスピードを活かす形でミンテとバレバが躍動。

 惜しむらくは左サイドが仕上がらなかったことだろう。もっとも、ゴメスが負傷してカディオグルが1列前に上がる状況ではシャープな仕上げを期待するのは少し難しい状況ではあったかと思うが。

 決定機を逃し続けると、徐々にブライトンの馬力が落ちていく。右サイドから攻めるきっかけを掴んだニューカッスルはクロスをヴォルテマーデがおしゃれなクロスで仕留めることで同点に。試合を振り出しに戻す。

 だが、最後に意地を見せたのはブライトン。後方から見事に列に潜入したウィーファーから再びシュートチャンスを得たウェルベックがこの日2得点目。エースの見事な2得点でまたしてもCLチーム相手に白星を挙げたブライトンだった。

ひとこと

 ニューカッスル、コンパクトだけども相手に与える圧迫感が薄い守備だなという感じ。

試合結果

2025.10.18
プレミアリーグ 第8節
ブライトン 2-1 ニューカッスル
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:41′ 84′ ウェルベック
NEW:77′ ヴォルテマーデ
主審:クレイグ・ポーソン

第9節 フラム戦(H)

刺さった交代カードは?

 立ち上がりに積極性を見せたのはニューカッスル。ハイプレスからガンガンプレッシャーをかけて敵陣からボールを奪いにいく。

 保持においてはトリッピアーを押し上げる片上げの3バックを形成。ワイドに張るゴードン、マーフィーのところからの突破を狙っていく。序盤に効いていたのは左サイドのゴードン。馬力から対面を引きちぎり、一気にチャンスを迎えるシーンもあった。

 一方のフラムはニューカッスルのハイプレスにやや手を焼くものの、リトリート色が強まった時の狙いの迷い方は相変わらず。フラムは後方のフリーの出し手から左サイドのハーフスペースの突撃を狙っていく。

 しかし、先制点はニューカッスル。バッシーの単純なビルドアップでのロストを咎めると、そのままゴールまで。マーフィーが先制ゴールを奪う。

 以降はワイドに幅をとりながらニューカッスルを攻め立てるフラム。だが、右サイドのトラオレのミスが目立つなどいまいち波に乗り切れない状況が続いてしまう。逆にトランジッションから縦の鋭さを見せるニューカッスルに苦しめられる部分も。

 だが、どちらのチームもスコアは動かないまま。試合は1-0のニューカッスルのリードでハーフタイムを迎える。

 後半、フラムは左サイドにケビンを投入。タメの効くアタッカーの登場でサイド攻撃の改善を狙っていく。序盤はやや詰まらせてしまうケースもあったケビンだったが、見事に同点ゴールの起点に。左サイドからの突破からファーサイドのヒメネスの折り返しを最後はルキッチが仕留める。

 ニューカッスルは後半の入りに高い位置から出ていくなど積極性自体は見えていた。押し込んだ際のサイド攻撃に関してもヴォルテマーデのスペースメイクが光るポストプレーと、ゴードンの突破力を活かしたギマランイスの決定機は悪くないものであった。

 一進一退の攻防が続く中、エランガとキングを両チームが同時に投入した後半30分過ぎの交代はなかなかに勝負手感があった。だが、試合を動かした交代は別のところ。右サイドを駆け上がったオスーラが抜け出したところから迎えたチャンスをギマランイスが仕留めてゴール。オスーラの推進力が刺さった場面だった。

 一進一退の攻防で最後に変化をつけたニューカッスル。フラムを押し切って勝利を手にした。

ひとこと

 ヴォルテマーデは結構色々と器用だなという印象を受けている。

試合結果

2025.10.25
プレミアリーグ 第9節
ニューカッスル 2-1 フラム
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:18′ マーフィー, 90′ ギマランイス
FUL:56′ ルキッチ
主審:トニー・ハリントン

第10節 ウェストハム戦(A)

第11節 ブレントフォード戦(A)

第12節 マンチェスター・シティ戦(H)

第13節 エバートン戦(A)

第14節 トッテナム戦(H)

第15節 バーンリー戦(H)

第16節 サンダーランド戦(A)

第17節 チェルシー戦(H)

第18節 マンチェスター・ユナイテッド戦(A)

第19節 バーンリー戦(A)

第20節 クリスタル・パレス戦(H)

第21節 リーズ戦(H)

第22節 ウォルバーハンプトン戦(A)

第23節 アストンビラ戦(H)

第24節 リバプール戦(A)

第25節 ブレントフォード戦(H)

第26節 トッテナム戦(A)

第27節 マンチェスター・シティ戦(A)

第28節 エバートン戦(H)

第29節 マンチェスター・ユナイテッド戦(H)

第30節 チェルシー戦(A)

第31節 サンダーランド戦(H)

第32節 クリスタル・パレス戦(A)

第33節 ボーンマス戦(H)

第34節 アーセナル戦(A)

第35節 ブライトン戦(H)

第36節 ノッティンガム・フォレスト戦(A)

第37節 ウェストハム戦(H)

第38節 フラム戦(A)

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