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「Catch up Premier League」~トッテナム編~ 2025-26 season

トッテナム、25-26シーズンの歩み。

目次

第1節 バーンリー戦(H)

昇格組に立ちはだかり新体制初勝利

 トーマス・フランクのもと、CL参戦と国内リーグでの復権という2つのテーマに挑むトッテナム。開幕戦でホームに迎えるのは昇格組のバーンリー。3年ぶりの昇格組の残留に挑むシーズンとなる。

 序盤からボールを持つのはトッテナム。5-4-1で構えるバーンリーに対して、サイドからチャンスメイクを敢行。左サイドという目新しいポジションでジョンソンが左足を懸命に使っている姿が印象的だった。

 バーンリーは5-4-1からハンニバルがやや前向きのプレスを行うことで5-3-2にも見える守備体系。さらに流れの中で中盤を捕まえながら前に出ていく形でプレスラインを上げるアクションを見せていた。

 このバーンリーの前向きのプレスへの意欲を逆手に取る形でトッテナムは先制点をゲット。間延びした状況を作り出すと、右サイドから奥行きを生み出したクドゥスがリシャルリソンのゴールをお膳立てする。

 失点のきっかけになったとはいえ、ビハインドになってしまったことを踏まえるとバーンリーは前からのプレスは引き続き継続。トッテナムは中央のローテからリシャルリソンのポストでサイド勝負をかけていく。

 この流れの作り方は悪くなかったトッテナムだが、少しずつバーンリーはハイプレスの距離感を掴めるように。リシャルリソンをはじめとして降りる選手たちへのアプローチが流れてからはトッテナムは前に起点を作れなかった。

 ただ、バーンリーは奪い切った後の攻撃の完結のさせ方が課題。手数をかけ切らないまま無闇にシュートにいくなど、やや勿体無い感があった。抜け切るところが決まれば!というフォスターの裏抜けの方が手応えがある形だった。

 リシャルリソンのポストを封じられて以降はやや元気がなかったトッテナムだが、再び40分前後からリシャルリソンのポストが復活。試合を落ち着いて進められるように。トッテナムはリードでハーフタイムを迎える。

 後半の立ち上がりは再びトッテナムが支配的なスタート。人についていくことで穴を開ける傾向が強いバーンリーの守備に対して先手を打つ形で敵陣に迫っていく。バーンリーは再び前進の手段が見える迷子になってしまうように。

 流れに乗ったトッテナムは順当に追加点をゲット。前半と同じく静的な状況から相手を剥がしたクドゥスによって、もらった深さを再びリシャルリソンが叩き込んだ。前半のゴールと異なったのはフィニッシュがアクロバティックなバイシクルだったこと。その分インサイドでの対応ではどうにもならなかった。

 さらにはリシャルリソンのポストからラインブレイクに成功したジョンソンが3点目。このゴールで試合は完全決着。以降もバーンリーはチャンスを作るが、仕上げのクオリティは最後まで伴わず。昇格組の壁となったトッテナムが新監督の元、公式戦初勝利を挙げた。

ひとこと

 割と良くも悪くもリシャルリソン次第な試合だった。

試合結果

2025.8.16
プレミアリーグ 第1節
トッテナム 3-0 バーンリー
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:10′ 60′ リシャルリソン, 65′ ジョンソン
主審:マイケル・オリバー

第2節 マンチェスター・シティ戦(A)

監督が代わっても天敵は健在

 今季のエティハドの開幕戦はトッテナム。伝統的に相性が悪い宿敵との一戦からシティは本拠地でのシーズンの幕を上げることとなる。

 まず、互いのポゼッションのスタンスを図るところから。ストーンズが右の大外に開くシティはルイスを自由化。右サイドは枚数をかけたポゼッションから抜け出す選手を作っていく。左サイドは逆にシンプル。マルムシュのスピードを例えばハーランドの落としのような他の武器を組み合わせて生かす形である。

 裏を狙うマルムシュの存在は脅威。やや偶発的に抜け出す場面からもチャンスメイクができる怖さがある。ヴィカーリオのファインセーブでなんとかトッテナムが凌ぐ場面もあった。

 一方のトッテナムもGKを絡めながら後方で枚数をかけての前進。GKがポゼッションに参加してなおパリーニャがサリーしてボールを動かしていく。降りる選手でフリーマンを作ると、前線はハイラインを破るような裏抜けを使う。一辺倒ではなくリシャルリソンのポストを織り交ぜていたのは個人的にポイントのように思う。

 時間の経過とともにハイプレスを敢行する非保持側のスタンスが目立つ展開に。CFのプレスから片側に誘導しつつ、ボールを奪い取りにいくというところを両チームとも勇気を持って行うように。どちらかといえば手応えが良かったのはシティの方で、プレスから後方のボール奪取から素早く速攻に移行することができた。

 しかし、トッテナムはこのハイプレスを掻い潜り先制。ギリギリの駆け引きを制して抜け出したリシャルリソンによって裏を取ると、ジョンソンにゴールをお膳立て。わずかなギャップをついてスコアを動かす。

 このプレスでトッテナムは主導権を掌握。シティに自陣からの脱出を許さない。おそらくはチェルキにベルナルド役を託したのだと思うが、ややプレス回避のフリーマンとしては存在感が足りなかったように思う。

 すると、ハイプレスからトッテナムは追加点。やや怪しいシーンがちらついていたトラフォードがついにパスミスを引き起こしてしまうことに。これでトッテナムは2点のリードでハーフタイムを迎えることとなった。

 後半、リードをしているトッテナムはさらにハイプレスに出ていく。シティはまずはハイプレスの撃退を優先。後方に枚数をかけて、まずは相手のハイプレスを退かせることに専念する。

 押し込むシティは右サイドからの攻撃にフォーカス。だが、トッテナムはサイドにスライドしながら対応し、シティに自由を許さず。特にチェルキに低い位置まで追い回すこともあったスペンスの守備は目を見張るものがあった。

 シティはハイプレスからチャンスを作ることもあったが、トッテナムは右サイドのクドゥスを軸に陣地回復。前半ほどシャープではないものの、ボックス内へボールを運ぶところまでは安定してできていた。

 ベルナルド、ロドリ、ドクといった面々の入れ替えで前進の安定化と敵陣でのサイドの崩しを狙っていくシティ。だが、最後までトッテナムのブロックを崩すことはできず。

 フランクに代わっても天敵度合いは変わらず。トッテナムがシティを撃破し、開幕2連勝+2試合連続のクリーンシートを達成した。

ひとこと

 トッテナム、ハイプレスへのコミット具合が昨季とは別次元。

試合結果

2025.8.23
プレミアリーグ 第2節
マンチェスター・シティ 0-2 トッテナム
エティハド・スタジアム
【得点者】
TOT:35′ ジョンソン, 45+2′ パリーニャ
主審:ピーター・バンクス

第3節 ボーンマス戦(H)

一方的な時間帯を重ねたボーンマスが連勝をストップ

 シティをハイプレスで潰し、開幕2連勝を飾ったトッテナム。トーマス・フランクの元、新しい船出は順調と言えるだろう。今節の相手はボーンマス。開幕からアウェイはアンフィールド、トッテナム・ホットスパー・スタジアムと難所が続く序盤戦となっている。

 ともにトランジッションで勝負を仕掛けていくことに特色がある両チーム。トッテナムは立ち上がりにジョンソンからのコンビネーションでボックスに迫ることで先に主導権を握る。だが、押し込む形から早々にゴールに辿り着いたボーンマスが先制点。左サイドからセネシが斜めのパスを入れると、エヴァニウソンが見事なコントロールでゴールを奪う。

 このゴールで流れは一気にボーンマスに。左サイドにフォーカスした攻撃から突破を図りつつ、トランジッションでは右サイドに展開し、ブルックスからボックスにゴールに迫る。サイドでも中央でも低い位置でもゴール前でも暴れることができるセメンヨは起点も終点もなんでもこなす大暴れぶりである。

 一方のトッテナムは徐々にハイプレスに屈するように。特にタッチ側に追い込まれる形となったファン・デ・フェンが無理に縦パスを入れさせられて、ボールを回収するというメカニズムでボーンマスは再現性のあるボール奪取に成功。ここまで2試合では順調にボールをキープしていたリシャルリソンが完全に潰される展開となった。

 トッテナムはゴールはおろかシュートも奪うことができず。トランジッションからゴールに迫りながらシュート数を重ねるボーンマスが明らかに優位に前半を進めたと言っていいだろう。

 後半の頭のワンプレーは引き続きボーンマス優勢を印象付けるもの。セネシのフィードからタヴァニアのポストで抜け出したセメンヨも決定機。得点の可能性が高い形を作ったこともさることながら、ロメロがエヴァニウソン潰しに引き出されたところの背後を使われたという崩され方であることも大きい。トッテナムにとってハイプレスを牽制された格好となった。

 この攻撃を皮切りに一方的な攻撃を続けるボーンマス。トランジッションからサイドを侵食し、一気にゴールに迫っていく。トッテナムはファン・デ・フェンのドリブルから強引に突破していく形を作っていくが、なかなか単発で攻撃が続かない。ヴィカーリオがなんとか希望を繋ぐ展開が続く。

 80分を過ぎたところからはようやく押し込む機会を作ったトッテナムだが、15分余りでは試行回数が足りず。サイドからの攻撃を防ぎ切ったボーンマスが連勝中のトッテナムに土をつけることとなった。

ひとこと

 ペースを取り戻すのがあまりにも遅かったトッテナムだった。

試合結果

2025.8.30
プレミアリーグ 第3節
トッテナム 0-1 ボーンマス
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
BOU:5’ エヴァニウソン
主審:サイモン・フーパー

第4節 ウェストハム戦(A)

全てが決まった後半頭の15分

 第2節までの停滞感が消えて、第3節には快勝を手にしたウェストハム。ホームで迎える今節はウェストハムとは逆に、第2節までの連勝を第3節で少し吐き出してしまったトッテナムとの一戦だ。

 シティ戦のような極端な形ではないが、同サイドに追い込みながらハイプレスに移行する機会を狙っていくトッテナム。ウェストハムは細かくポストでこのプレスを脱しにいくことでチャンスを広げにいく。

 縦にシャープに進むのが大事ではあるのだが、ウェストハムの前線にはロングボールのターゲット役が不在なため簡単に蹴ってはだめ。少ないタッチのポストで相手を食いつかせつつ、誘導を外していくことで敵陣に迫っていく形を作る。

 ただ、少ないタッチでのパスの連続はやはり繋いでいく難易度は高い。味方が思ったようなオフ座ボールで繋がれない場面も少なくなく、シュートまで持っていくという観点では難しさも感じるところがあった。

 一方のトッテナムはポストプレーのタッチ数と精度がややウェストハムよりも落ちた印象。できればもう少し急ぎたいのだけども、なかなかそのための手段がなかった。

 結局はWGにボールを預けつつ、味方が上がる時間を作る形でサイドの枚数をかけた攻略に移行。そこから生まれたセットプレーという副産物でハーマンセン周辺を狙い撃ちという形でウェストハムよりも効果的にゴールに迫っていた。

 しかし、スコアは動かないままハーフタイムに。勝負は後半に持ち越しとなった。

 後半も同じように打開策を模索する合戦になるかと思われたが、初めの15分で全てが決まってしまった感がある。まずはセットプレーで先制。ファーサイドで余っていたサールのゴールで先制。完全にフリーマンだったところをきっちりと生かす。

 さらにはソーチェクがパリーニャへの危険なタックルで一発退場。本人もほとんど抗議する素振りもない退場しと認めざるを得ないコンタクトだったというなのだろう。この直後の2点目のゴールでほぼ試合は決まってしまった。

 残り時間の30分はほとんどトッテナムのウイニングラン。ファン・デ・フェンのゴールでさらにもう1点を追加したトッテナムが再開初戦を白星で飾った。

ひとこと

 全てが決まった後半頭の15分という感じだった。

試合結果

2025.9.13
プレミアリーグ 第4節
ウェストハム 0-3 トッテナム
ロンドン・スタジアム
【得点者】
TOT:47′ サール, 57′ ベリヴァル, 64′ ファン・デ・フェン
主審:ジャレット・ジレット

第5節 ブライトン戦(A)

それぞれの一本足打法

 CLでは見事に1点のリードを守り切ったトッテナム。CL直後の一戦はブライトンへの遠征。距離的には悪くはないが、今季シティをすでに撃破したアメックスは楽なスタジアムではない。

 しかし、立ち上がりはスパーズペース。4-3-3らしいサイドの崩しから主導権。左サイドからの旋回をしながらブライトンの守備を後手においていく。アヤリを滑らせてウドジェが侵入したシーンが紛れもなく決定機であった。

 押し込まれてしまい、苦しい状況の立ち上がりのブライトン。しかし、そうした状況をひっくり返せるWGがいるのが今の彼らの強み。ミンテのファストブレイクから一気にひっくり返すと、ヴィカーリオを交わして無人のゴールに押し込んだ。トッテナムとしてはうまくいっているサイドで事故を引き起こして失点という好事魔多し的な流れとなってしまった。

 得点以降も基本的にはブライトンはファストブレイク一点突破主義。ビルドアップでのショートパスから押し返すことができるケースはあまりなく、トッテナムはサイドの打開から延々と速いクロスを入れていく。プレスでもトッテナムの流れは良好。縦パスのレシーバーをきっちりと潰すことでショートパスからの繋ぎを阻害していく。

 展開は得点後も変わらなかったが、押し込まれているブライトンの方がシュートまで持っていけるという状況に。運んだところから左サイドで粘るとアヤリのスーパーシュートでさらに追加点を決める。

 前半の追加タイムにようやくトランジッション成分からのファストブレイクでサイド攻撃を完結させたトッテナム。1点差に迫ったところでハーフタイムを迎える。

 後半も流れは同じ。ボールを持つトッテナムは左サイドから一番前に立つ選手にひだすら速いクロスを入れていく。ブライトンのファストブレイク一本足打法も同じ。前半の途中からこちらも一番前の選手ばかり使っている影響でヴィカーリオとトッテナムのCBに流れを読まれてしまっていたので、やや単調なリズムであることは否めず。

 かといって中盤にパスを差し込んでいくと、トッテナムにカットされてカウンターに晒されてしまう。ブライトンはなかなか厳しい舵取りとなった。というわけで引き続きファストブレイクからもチャンスがあるトッテナムだった。

 コッポラの投入から5バックに移行するブライトン。しかし、シャビ・シモンズの投入からライン間の仕掛け役ができたトッテナムはここから突破口を探る。中央へのドリブル突破から右に展開すると、クドゥスのクロスはオウンゴールを誘発。ファン・ヘッケにとっては競り合いで触れずに入ってきたボールなので、どうしようもない部分があった。

 そうなれば勢いづくはずのトッテナムだが、ここで元気になったブライトンはラインを高めて中盤でのボール奪取を敢行。高い位置からのプレスで流れを取り戻し、カウンターからのシュートチャンスを作っていく。

 結局最後まで勢いを取り戻せなかったトッテナム。CL直後の一戦を勝利で飾ることはできなかった。

ひとこと

 互いにそれぞれの一本足打法だった感がある。

試合結果

2025.9.20
プレミアリーグ 第5節
ブライトン 2-2 トッテナム
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:8′ ミンテ, 31′ アヤリ
TOT:43′ リシャルリソン, 82′ ファン・ヘッケ(OG)
主審:クリス・カヴァナー

第6節 ウォルバーハンプトン戦(H)

フランクの前がかり采配の執念がATに実る

 ここまで唯一の5連敗。最下位に苦しむウルブス。契約を更新したとはいえ、このままの状況が改善しなければペレイラ監督の首が怪しくなるのは確か。2試合連続で勝ち点を落とすことは避けたいトッテナムのホームでの一戦だ。

 ウルブスはこの試合ではメンバーを大幅に入れ替えるだけではなく4バックにシフト。抜本的な入れ替えでチームの活性化を図る。保持ではドハーティがやや3バック寄りで左サイドを押し上げ。やや3-2-5のような形でのポゼッションを行っていく。

 トッテナムはそこまで高い位置からのプレスはしてこないので、まずはゆったりとポゼッションができるウルブス。外循環気味の保持からボールを動かして打開策を探っていく。突破の可能性がありそうだったのは左サイドのヒチャンとウーゴ・ブエノの縦関係だろう。この2人でのワンツーが一番相手を置き去りにできそうだった。

 逆にインサイドを経由して左右に振るアクションはリスクの方が大きい感じ。中央や対角のパスをカットされることでトッテナムにカウンターを許す場面も少なくなかった。

 トッテナムも保持も概ね方向性は同じ。コンパクトに4バックで守る相手に対して、サイドからのワンツーで突破を図っていく。より相手を置いていけそうな力関係だったのは間違いなく、15分以降は相手を置き去りにできそうな場面はあった。特に右サイドのクドゥスとベリヴァルのコンビはオフサイドながらネットを揺らす場面もあったくらいであった。

 それでもウルブスはなんとか粘り強く食らいつき、インサイドを使うことを許さないままトッテナムを外に締め出していく。15分以降は保持の時間が増えたトッテナムだが、その保持の時間にきっちり得点の可能性が増えていたかは微妙なところだ。

 前半の終盤は逆にウルブスはセットプレーの機会が多かった。ラストのCKではファーのドハーティのシュートがポストを叩くなど、前半で最も惜しい場面を作る。だが、どちらのチームもネットを揺らすことはできず、試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。

 後半、動いたのはウルブス。アグバドゥとチャチュアを投入して5バックにシフト。非保持においては5-4-1をベースにしつつ、CHのスライドやシャドーの絞りなど変形しながらボールサイドへのアプローチ。その際に発生した歪みを解消するためにWBが前に出ていくことは容認されている様子で、時折4バックで守るシーンも見られていた。

 狙いとしてはトランジッションでサイドから陣地回復をする形だろう。右のWBのチャチュアはその点での推進力を買われたところでの起用のように見えた。

 そのチャチュアのドリブルから得たセットプレーでウルブスは先制点をゲット。サンチャゴ・ブエノのゴールが試合を動かす。これでウルブスは公式戦3試合連続の先制点となった。

 ジョンソン、ポロの投入で攻撃のカラーを強めたいトッテナムだが、なかなかアタッキングサードの攻め筋は改善せず。逆にカウンターからウルブスはゴールに迫る場面を作っていくというトッテナムにとってはもどかしい状況となっていく。

 さらにウドジェに代えてテルを投入し、3-4-3にシフトするトッテナム。バランスを大きく前に傾けた布陣で最後5分の突破を図る。なかなかボックス内に迫ることができなかったトッテナムだが、最終盤に執念が実り、パリーニャがインサイドキックでネットを揺らす。

 土壇場に追いついたトッテナム。ウルブスは勝てなかったものの、連敗を5で止めることとなった。

ひとこと

 連敗の中でトッテナムのホームで勝ち点を取れたというのは意義がある結果だが、まぁここまできたら勝ちたかっただろう。

試合結果

2025.9.28
プレミアリーグ 第6節
トッテナム 1-1 ウォルバーハンプトン
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:90+4′ パリーニャ
WOL:54′ サンチャゴ・ブエノ
主審:マイケル・サリスベリー

第7節 リーズ戦(A)

競り勝って3週間ぶりの3ポイント

 徐々にスカッドの序列が固まってきたリーズ。前線に新戦力を加える変化をつけて開幕時からの全線の迫力不足はやや改善しつつある。ボデ/グリムトアウェイで勝ちきれなかったトッテナムとは日程面で差があり、ここは勝ち点は最低でもとりたいところだろう。

 トッテナムはハイプレスに出ていく形からスタート。リーズはサイドに流れるキャルバート=ルーウィンで起点を作ったり、あるいはロングスタッフのサリーからポゼッションをしたりなど強弱をつける形でこのプレスに対抗していく。

 キャルバート=ルーウィンのポストは安定感があり、トッテナムのCB相手にも通用していたが、課題であるフィニッシュではやはり難が露呈。なかなかゴールを仕留め切ることができず、押し込んだ機会をなかなか活かすことができない。ハイプレスから迎えた大チャンスも仕留めることができない。

 リーズの非保持はメリハリのあるスタート。サイドから高い位置できっちり止めていったかと思えば、ライン間はコンパクトにキープしながら相手の縦パスを制御していく。

 ポゼッションからどのように逃していくかが悩ましいトッテナムだったが、解決策としてはインサイドで強引に受けるクドゥスから。反転しながら粘ることで一気に前進していく。サイドに追い込まれたときは縦に抜ける選手に裏パスをつけることで追い込まれるサイドに奥行きを作っていく。

 先制点はこの日際立っていたクドゥスから。テルへの長いレンジのパスを切りひらき、右サイドを縦にシャープなトランジッションで切り開く。押し込んだ局面でも右サイドからのクドゥスのクロスからチャンスを作る。

 優勢だったトッテナムだが、リーズは前半のうちに同点。CB2人に対して見事に深さを作ったキャルバート=ルーウィンがチャンスを作ると、これをオカフォーが仕留めて追いつく。試合は同点でハーフタイムを迎える。

 後半、ファストブレイクからの応酬でスタート。前半にチャンスがあったキャルバート=ルーウィンは後半にもチャンスを手にするが、またしてもゴールを仕留めることができない。

 試合が落ち着いたところから得点を決めたのはトッテナム。前半も輝いていたクドゥスが強引に道を切り拓き、再びリードを奪う。

 流れを取り戻したいリーズだが、なかなかギアアップをすることができずに苦戦。プレスのスイッチが入らず、ボールを持たされた状態においても相手を崩すきっかけを掴むことができない。苦しみながらも競り勝ったトッテナムが3週間ぶりの3ポイントを手にした。

ひとこと

 クドゥスの個の力が輝いた一方、キャルバート=ルーウィンはなかなか決定機を仕留めきれなかったのが対照的だった。

試合結果

2025.10.4
プレミアリーグ 第7節
リーズ 1-2 トッテナム
エランド・ロード
【得点者】
LEE:34′ オカフォー
TOT:23′ テル, 57′ クドゥス
主審:トーマス・ブラモール

第8節 アストンビラ戦(H)

尻上がりの逆転勝ち

 両チームのプレスの姿勢は対照的。バックスにボールを持たれることは許容するアストンビラに対して、バックラインからガンガンプレスに出ていくトッテナムという構図。押し込むトッテナムが早々に試合を動かすことに成功。セットプレーの流れからベンタンクールが早々にゴールを決める。

 バックラインを高くキープしようとするもホルダーへのプレスはイマイチ整理することができないアストンビラ。その隙を逃すまいとクドゥスはハイライン破り。惜しくもオフサイドとはなったが、十分に狙いは見える形ではあった。

 ただ、徐々にプレスを強めていくビラを見るとホルダーへのプレスは整理されている感じが見られた。ハイプレスからチャンスを作るビラに対して、トッテナムはベンタンクールの位置を動かしながら対応していくが、なかなかポゼッションを強められず、裏抜けでのハイライン破りのタイミングもいまひとつ合わないという感じとなってしまう。

 逆にアストンビラはパウ・トーレスのキャリーから少しずつリズムを取り戻していく。前線では今季ここまでは調子が上がってこなかったロジャーズが躍動。巧みなターンから起点となると、素晴らしいミドルシュートで同点に追いつくスーパーな一撃をお見舞いする。

 ハイテンポでテンポを上げてトッテナムを追い込んでいったビラ。タイスコアながらハーフタイムへの勢いはやや対照的なものを感じる前半の45分となった。

 トッテナムは後半に向けてプレスを巻き直し。ハイテンポ、ハイプレスからアストンビラを敵陣に押し込んでいく。しかし、アストンビラもビルドアップでハイプレスを撃退。互いにミドルブロックをどのように攻略するかに試合の展開は推移する。

 ミドルブロックに対してクドゥスのバックドアを活用するトッテナムと、ブロックの中にいるマッギンに縦パスを差し込んでいくアストンビラ。それぞれの攻略法で時間を作っていく。

 だが、ワトキンスで左サイドに起点を作れるようになったビラが徐々に押し込んでいくと、セットプレーの二次攻撃からブエンディアが素晴らしいミドルで勝ち越し。トッテナムはずるずると下げられてしまった影響でシューターに圧力をかけることができなかった。

 リシャルリソン、コロ・ムアニの2トップに放り込みにいくトッテナムだが、最後までアストンビラを崩すことはできず。ホームで手痛い逆転負けを喫することとなってしまった。

ひとこと

 尻上がりに調子を上げているアストンビラ。今季もそうだし、この90分でもそうだった。

試合結果

2025.10.19
プレミアリーグ 第8節
トッテナム 1-2 アストンビラ
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:4′ ベンタンクール
AVL:37′ ロジャース, 77′ ブエンディア
主審:サイモン・フーパー

第9節 エバートン戦(A)

セットプレーの緻密度の差が明暗に

 週末は波乱含みの展開で順位表は混戦模様。日曜の最終時間帯に行われるこの試合を制することができれば、共にジャンプアップが狙える状態での一戦だ。

 早々にチャンスを迎えたのはエバートン。右サイドのエンジアイの突破からのクロスが抜けていきグリーリッシュに決定機。しかし、このチャンスは得点に結び付かず。

 互いに4-4-2でプレスの陣形を組むチーム同士の対戦だが、よりハイプレスで勝負に行ったのはエバートンの方。人基準で深い位置までも追いかけていくことで高いところから奪いにいく。相手が高い位置を取る時もきっちりついていくなど、逆に5バック気味になるシーンもあった。

 ミラー気味のフォーメーションの中で試合を動かしたのはセットプレー。ファーサイドに密かに忍び寄ったベンタンクールめがけたボールでエバートンを出しぬくと、折り返しをファン・デ・フェン。見事な設計と高いキック精度に裏打ちされた遂行能力で先制点を奪い取る。

 一方のエバートンも直後にセットプレーからネットを揺らすがオフサイド。ニアに入り込んだオブライエンはコロ・ムアニを出しぬいて力強いヘディングでシュートを叩き込んだが、エンジアイとグリーリッシュがヴィカーリオの動きに影響を与えてしまった。グリーリッシュはともかく、位置的にヴィカーリオよりもゴール側にいて体をヴィカーリオにつけていたエンジアイはどうシュートが転ぼうとオフサイドになっていたように思うので、そもそもこの位置に立つこと自体がイケていない。見事な設計を見せたトッテナムと対照的にエバートンのセットプレーには甘さがあった。

 トッテナムは先制点に加えて、追加点もセットプレーから。ゴールに向かうCKをファン・デ・フェンが仕留めてリードをさらに広げる。ハイプレスとエンジアイを軸としたサイドの突破力という優位があったエバートンだが、それをスコアに結びつけられず、試合は2-0でハーフタイムを迎える。

 後半、エバートンは後方を3バックにしつつ、SBをより高い位置を取らせることで攻め込んでいくことに。前半以上にポゼッションからトッテナムを追い詰めていくが、ボックス付近の攻略にはなかなか辿りつかない。

 攻め続ける中で徐々に押し込む局面を続ける握力が落ちてきてしまったエバートン。少しずつ交代で入ったリシャルリソンを主体としてトッテナムが速攻から陣地回復を狙っていく。

 すると、そのリシャルリソンからトッテナムは3点目。折り返しをサールが仕留めて試合は完全に決着。アウェイで難所を攻略としたトッテナムは3位へのジャンプアップに成功した。

ひとこと

 セットプレーの設計の差が試合の展開を決めたように思う。

試合結果

2025.10.26
プレミアリーグ 第9節
エバートン 0-3 トッテナム
ヒル・ディッキンソン・スタジアム
【得点者】
TOT:19′ 45+6′ ファン・デ・フェン, 89′ サール
主審:クレイグ・ポーソン

第10節 チェルシー戦(H)

相性に則った完勝

 両チームの勝ち点差は3。チェルシーは上をいくトッテナムを追い落とすための絶好のチャンスと言える一戦。アゼルバイジャン遠征前の試合でなんとか勝利を収めたいところだろう。

 目新しいベリヴァルのSH起用はいきなりの負傷で狙いが見えないまま終了。交代したシャビ・シモンズもベリヴァルと同じくインサイドに絞りながらのポゼッション。CHに引っ張られるように出ていくジェームズの背後をポイントとする形で縦パスを引き出すように降りていく。

 大雑把に言えば、この形がハマるかどうかがチェルシーペースかトッテナムペースかに流れる分かれ目だったと言えるだろう。奪えればチェルシーペースだし、ここから加速できればトッテナムペースという感じであった。ややファウルが多く、展開としてはどちらのものでもないという感じであった。

 チェルシーの保持においてはサイドにボールをつける外循環。トッテナムからボールを奪うトランジッション要素を絡めればチャンスになりそうな場面もあったが、シンプルにプレッシャーのない状況でサイドにつけるパスがズレてしまい、攻めきれなかった。

 ファウルで試合がぶつ切りになるところも含めて試合はなかなかどちらかのものにならなかった展開。そうした試合を動かすのはミスかスーパープレー。この試合は前者だった。自陣での不用意としか言いようのないパスワークを掻っ攫われてしまい、カイセド→ペドロのラインで先制ゴールを決める。

 このゴールで勢いに乗ったチェルシーはハイプレスでリズムを掴み、トッテナムを自陣から出させない。チェルシーがペースを握った状態でハーフタイムを迎える。

 後半もテーマとしては同じで保持をベースにトッテナムが前に進めるかどうかがポイントになっていく展開。チェルシーのプレスは後半も機能性十分。トッテナムの左サイドに追い込むようなプレッシングからボールを奪いショートカウンターに。

 敵陣でのプレーはファーサイドのクロスが有効。逆サイド狙いでトッテナムのマークの薄いところを狙っていく。

 トッテナムはなかなか自陣から脱出することができない苦しい展開。ボールを奪い返すフェーズでは立ち上がりとは異なりむやみやたらに追いかけるケースが見られてしまい、チェルシーに受け流される場面もあった。

 なかなかおい上げムードにならないトッテナムを尻目にチャンスを積み上げていくチェルシー。ヴィカーリオのセーブに阻まれて1点差は広がらないがそのまま試合を終えることには成功。チェルシーが相性のいいトッテナム相手に勝利をあげて先週の雪辱を果たした。

ひとこと

 トッテナムはなかなかホームで勝てていないということで少し終盤にチームの追い上げを願うムードにスタジアムが染まりきらなかったなというのが気になった。

試合結果

2025.11.1
プレミアリーグ 第10節
トッテナム 0-1 チェルシー
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
CHE:34′ ジョアン・ペドロ
主審:ジャレット・ジレット

第11節 マンチェスター・ユナイテッド戦(H)

総取り決戦から装いを変えて

 昨年のこのカードといえばEL決勝だろう。情けないシーズンを全て帳消しにするために喉から手が出るほど欲しいCL出場権をかけての一番となった。今年は6位対8位。まだまだ国内の順位が勝負することができる両軍の一戦となる。

 見た目的には4-2-3-1と3-4-2-1の噛み合わせ。しかしながら、保持時に3-2-5に変形することが定番のトッテナムにとっては非保持のユナイテッドと噛み合うこととなる。

 そのため、工夫をしたのは前線の配置。1トップ+2シャドーが多かったここまでだが、この日は前線のリシャルリソンとトップ下のシモンズという形でトップ下を棲み分けていく。

 確かにこれで前線の配置はズレる。その一方で、バックスは3トップに噛み合わされる形に苦戦。唯一浮くヴィカーリオもフィードの精度で勝負するタイプではないとなれば、ショートパスから前線に届けるケースがなかなか生み出されないという苦しいところがあった。

 配置の面で優位を取れないのはユナイテッドも一緒。しかしながら、ユナイテッドは体を相手にぶつけながらキープをできるCF陣がいる。この日はシェシュコがベンチスタートではあったが、ムベウモとクーニャの2人が上手く時間を作ることができていた。

 前線の個の力を活かすカラーが強かったユナイテッドは前半のうちに先制。左右に揺さぶる中で浮いたムベウモが見事にゴールを叩き込んだ。

 このゴールでユナイテッドはさらに勢いに乗った印象。チェックが遅れるトッテナムに対して、前線はターンから推進力を出していくことでトッテナム陣内に侵攻。優位のままハーフタイムを迎える。

 後半、トッテナムは選手交代を敢行。消えていたコロムアニに代えて、オドベールを投入。前線の構造を元来の形に近いように戻す。

 ユナイテッドはリードをしたこともあり、リトリート成分が強い方向に舵を切る。バックスの噛み合わせに苦戦していたトッテナムとしては相手のラインが下がったことにありがたさを感じつつも、今度は前線が噛み合った状態を解消できないというジレンマに悩まされることとなった。

 なかなかきっかけをつかめなかったトッテナムを救ったのはテル。ボックス内の華麗な身のこなしでシュートの隙間を作ると、豪快な一撃を突き刺す。

 終盤に試合を振り出しに戻したトッテナムはAT突入直後にリシャルリソンのゴールで逆転。一気に試合をひっくり返す。

 熱い逆転勝利を手にしたかに思えたトッテナムだが、ほぼラストプレーでユナイテッドもデ・リフトがゴール。終盤10分で目まぐるしく戦況が入れ替わった一戦はドローで決着することとなった。

ひとこと

 テルの一撃、加入後で一番価値があるものだったように思える。

試合結果

2025.11.8
プレミアリーグ 第11節
トッテナム 2-2 マンチェスター・ユナイテッド
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:84′ テル, 90+1′ リシャルリソン
Man Utd:32′ ムベウモ, 90+6′ デ・リフト
主審:サム・バロット

第12節 アーセナル戦(A)

ミスに左右されない流れ

 レビューはこちら。

 上位勢に勝ち点を落とす結果が多かった土曜日。アーセナルにとっては2位との勝ち点差を広げる、トッテナムにとってはCL出場権争いにキャッチアップする大きなチャンス。ローカルライバルを叩いて上にジャンプアップを目論む両軍によるノースロンドンダービーだ。

 トッテナムは5-4-1でのスタート。ただ、ベタ引きが前提というわけではなく、前から捕まえにいくアクションはそれなりに。だが、アーセナルはこのハイプレスを見切る。サイドにボールをつけた時はトッテナムによって追い込まれた感がなくもなかったが、サカが背負うことができる影響で特に問題はないという感じ。

 トッテナムを安定して押し込めるようになったアーセナルは右サイドに人を集める形で攻略を敢行。サカ、ティンバーでウドジェ、オドベール、パリーニャを引き寄せることで中央にスペースを作るとこのスペースでメリーノとエゼが大暴れ。自由なバイタルから浮き玉でのラストパスと豪快なミドルのコンボからチャンスを作っていく。

 アーセナルの前半のチャンスはことごとくこの形から。先制点となるメリーノ→トロサールのラストパスもハーフスペースで時間を作ったティンバーが時間を作った賜物。裏へのパスから完璧なコントロールでシュートまで持っていったトロサールが試合を動かす。

 さらにはエゼもこれに続く。バイタルの侵入からドリブルでコースを作ると、コンパクトなモーションから力強いシュートでヴィカーリオを打ち破る。

 前進のきっかけを掴めず、撤退守備でも相手を封じることができなかったトッテナム。後半は4バックに移行して攻撃に軸足を置いた修正を行なっていく。だが、守備の修正がままならないまま、1分足らずでアーセナルにさらなるゴールを許してしまう。

 意地を見せたいトッテナムはリシャルリソンとパリーニャによってアーセナルのビルドアップを咎めたところからのショートカウンターで追撃。リードを2点に縮める。

 だが、このミス起因の失点にもアーセナルはバタバタせず。バランスのいいポゼッションと粘り強い守備から少しずつ流れを取り戻す。すると、カウンターから4点目。メリーノ、トロサールとスピードをなんとか落とさず進んだカウンターを完結させたのはエゼ。メルカートで両軍のファンを賑わせた10番がダービーでも主役となるハットトリックを決める。

 最初から最後までトッテナムを寄せ付けないまま完勝を果たしたアーセナル。バイエルン、チェルシーと大一番が続く1週間に向けて弾みのつく勝利を挙げた。

ひとこと

 ミスが出ても大崩れしないダービーの流れに逆らうアーセナルの強さが際立った。

試合結果

2025.11.23
プレミアリーグ
第12節
アーセナル 4-1 トッテナム
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:36′ トロサール, 41′ 46′ 76′ エゼ
TOT:55′ リシャルリソン
主審:マイケル・オリバー

第13節 フラム戦(H)

拙い立ち上がりのツケを払う

 前節はホームで好調のサンダーランドに勝利。勝てば今季2回目の連勝となるが、ここまでアウェイでの勝利はなし。一気に浮上のきっかけを掴むためにもトッテナムとのロンドン・ダービーには勝利を収めておきたいところだろう。

 序盤にいきなり試合は動く。左サイドのチュクウェゼからのクロスが逆サイドに少し拍子抜けの形で横断すると、そこに顔を出していたテテがゴール。早速試合を動かす。

 この場面以外にもトッテナムの守備は気を抜くシーンが多く集中力を欠いていた。15分のシーンではおそらくオフサイドの笛が鳴る前にプレーをやめてしまっている。旗が上がっていたのかもしれないが、主審が採用しないせずにディレイする可能性を踏まえればセルフジャッジはリスクが残る。

 逆にトッテナムは好調さを感じる流れ。アンデルセンの落ち着いた配球が光る展開に。先制点を演出したチュクウェゼはキレのある動きで対面に優位。ポゼッションから深さを作り、ポストから左サイドのチュクウェゼ勝負で優位を握っていく。

 劣勢のトッテナムは2トップが左右の背後に流れて時間を作る展開。荒削りながらも少しずつ前に進んでいく。自陣に押し込まれてしまうと少しクロス対応は怖いフラム。だが、クドゥスに前を向かせないところなど要所を押さえる対応は光った。

 前半の終盤は左右からの速いクロスでセットプレーを視野に入れたトッテナムが仕掛けていく。しかし、セットプレーが淡白。オープンプレーだけでは物足りないクオリティの展開が続く。

 後半もテンポをキープしたのはトッテナム。ポロの右サイドからの侵入でいきなりチャンスメイク。この場面のようにSBのチャンスメイクが際立つ展開に。もう一人チャンスメイクで存在感が出てきたのはコロ・ムアニ。この日はリシャルリソン以上の存在感でサイドに流れながら攻撃の起点となってきた。

 押し込むトッテナムは角度のないところからクドゥスのシュートで1点差に。見事な精度と速度のシュートだった。

 後半はハイプレスも含めてボールの回収も安定していたトッテナム。フラムは前進のきっかけがなく苦しい展開に。このままであればトッテナムが押し切れるかなと思われたが、終盤はもう一段攻撃のギアが上がらず。攻め疲れが目立つトッテナムに対して、フラムはポゼッションで時間を作りながら試合をクローズする。

 結局は序盤の立ち上がりの拙さを咎められたトッテナム。フラム相手にホームで痛恨の負けを喫した。

ひとこと

 ホームでの結果が出ないからなのか、結構ファンが簡単に諦めているように見えてしまう。

試合結果

2025.11.29
プレミアリーグ 第13節
トッテナム 1-2 フラム
トッテナム・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
TOT:59 クドゥス
FUL:4′ テテ, 6′ ウィルソン
主審:スチュアート・アットウェル

第14節 ニューカッスル戦(A)

ホームチームにとって悔いが残る痛み分け

 序盤から主導権を握ったのはホームのニューカッスル。トッテナムを押し下げつつヴォルテマーデを中心としたパス交換で敵陣に入っていく。ヴォルテマーデが中央に降りていくとトッテナムの中盤に対して数的優位に。中盤中央で形成する数的優位に対して、トッテナムはリアクションが一歩遅れ続けている感じとなった。

 非保持においてもポロを3バックの一角とするトッテナムの変形に対して、4-5-1に構えたところからジリっと前に。ハイプレスに関しても手応えがある立ち上がりとなった。トッテナムはジョンソンの裏へのランなどスピードを活かしていく形に切り替えていく。右サイドでのクドゥスのキャリーも陣地回復の一手になるが、ニューカッスルがタイトなディフェンスで簡単に前を向かせなかった。

 どちらかといえばトッテナムの中央への強引な縦パスの差し込みはむしろニューカッスルの燃料に。中盤につけるパスを延々と回収して進んでいく。トッテナムは少しずつ前線への長いボールでロストした際のリスクが少ないプレーに切り替えるようになった。

 試合はニューカッスル優位に進みながらもスコアレスでハーフタイムに。トッテナムとしてはなんとか逃げ粘った前半となった。

 後半、ニューカッスルはハイプレスの巻き直しを敢行。長いボールを軸に前にボールをつけていくトッテナムに対して、もう一度前からボールを捕まえにいく。トッテナムはサイドにボールをつけてプレスを弱めながらポゼッションから敵陣に入っていくルートを探っていく。

 ニューカッスルは保持においては少しずつ速い攻撃を織り交ぜることでテンポアップ。得点の匂いを引き寄せていく。すると、71分にサイド攻撃から先制点をゲット。WGの入れ替えからゴードン、ヴォルテマーデで作った深さを活用し、ミドルシュートで仕留めたのはギマランイス。重かった試合を先に動かしたのはホームチームだ。

 しかし、ニューカッスルはすぐにリカバリーに成功。セットプレーからロメロの一撃で素早く同点に追いつく。

 80分台になっても得点の取り合いは変わらず。試合後にフランクが抗議した微妙なPK判定を生かしたゴードンが先にニューカッスルをリードに導く。だが、OFRでかかった分の長い追加タイムでロメロが再びゴール。この日2得点目の活躍でなんとか1ポイントを探り寄せる。

 後半に動いた試合だったが、痛み分けでの決着。ニューカッスルにとっては終盤に勝ち点を落とす展開となった。

ひとこと

 優位に進めていたのはニューカッスルの方。おそらく悔いが残るのはこちら。

試合結果

2025.12.2
プレミアリーグ 第14節
ニューカッスル 2-2 トッテナム
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:71′ ギマランイス, 86′(PK) ゴードン
TOT:78′ 90+5′ ロメロ
主審:トーマス・ブラモール

第15節 ブレントフォード戦(H)

今季ベストパフォーマンスを旧友に

 13位という順位自体はそこまで悪くはないものの、アウェイでの勝率が極端によくないブレントフォード。アウェイでの連敗を止めるべく乗り込むのは水曜と同じくノース・ロンドン。逆にホームでの成績がなかなか伸びてこないトッテナムとの一戦。フランクとアンドリュースというかつての同僚が敵として激突する試合となる。

 どちらも非保持は4-4-2で構える形。バックラインに極端に強いプレスをかけるのではなく、様子を見ながら保持側に解決策を押し付けるような立ち上がりとなった。

 保持を押し付けられたバックラインの中でまず口火を切ったのはファン・デ・フェン。華麗なキャンセルからのキャリーでボックス内に入っていく。

 バックラインの積極的なスタンスでトッテナムは少しずつ押し込む時間を作るように。左サイドは細かなパスからのチャンスメイクでボックス内に入っていく。

 一方のブレントフォードはチアゴへのロングボールを軸として組み立て。しかし、トッテナムはクドゥスのカウンターで縦に速い攻撃に対抗するなど撃ち合いもかかってこいというスタンスだ。

 前半の中盤にトッテナムのアタッカーが多く使った手法が右のハーフスペースの裏に抜けていく動き出し。ブレントフォードのDFの背後を取るアクションから押し下げていく。得点までつなげたのはシモンズ。背後に抜けるアクションで完全にブレントフォードの左サイドを切り裂くと、折り返しをリシャルリソンが仕留めて先制。流し込むだけの完璧な崩しを見せたシモンズに0.7点あげたくなるようなゴールだった。

 この日はシモンズが絶好調。追加点も彼のカットからのドリブル。レッドブル仕込みを感じさせる見事なトランジッションで前半の終盤にリードを広げる。

 細かいパスタッチを見てもこの日のトッテナムには自信を感じられる。一方のブレントフォードはボールを持つ機会があってもU字のポゼッションに終始。パスワークもトッテナムの中盤のスライドがついていける範囲で問題なく対応できた。

 後半もトッテナムは優勢。トランジッションからチャンスを作っていく。ハイプレスからの縦の推進力を出していくプランからブレントフォードを飲み込んでいくというプランはこの日のトッテナムの中で共有されていたところ。ヴィカーリオの速いリスタートでカウンターを狙っていくことを2点差でも止めないという非常にアグレッシブなスタンスを維持していた。

 ヘンリーの投入で左サイドを活性化したかったブレントフォードだが、後半になっても攻撃のギアはなかなか上がらず。トッテナムはプレータイムを管理を念頭においた余裕の交代で試合をクローズする。

 最後まで優位をキープしたトッテナム。後半にもアグレッシブな姿勢で相手に主導権を渡さず、6試合ぶりのプレミアでの勝利を挙げた。

ひとこと

 トッテナム、今季ベストの出来ではないか。

試合結果

2025.12.6
プレミアリーグ 第15節
トッテナム 2-0 ブレントフォード
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:25′ リシャルリソン, 43′ シモンズ
主審:ロベルト・ジョーンズ

第16節 ノッティンガム・フォレスト戦(A)

3歩進んで3歩下がる

 前節、ようやく快勝と言える結果を出したトッテナム。一気に連勝を重ねて欧州カップ戦争いに食い込んでいきたいところ。今季ここまで苦しんでいるフォレストの本拠地に乗り込んでの一戦に挑む。

 最近板についてきたテンポの良いフォレストのボール回しでスタート。トッテナムはワンサイドに追い込みながらハイプレスに出ていこうとするが、フォレストは左右に大きい展開を織り交ぜながらテンポを作っていく。

 トッテナムのプレスを押し下げると右サイドを中心にオーバーラップからクロスでボックスに迫っていくフォレスト。ずるずると自陣側でのプレーが増えるトッテナムに対して、徐々にフォレストはムリージョ起点の縦パスからインサイドを攻める形も作る。

 トッテナムのポゼッションはオーソドックスな配置にシモンズが降りるアクションでプラス1を上乗せする。4-4-2のミドルブロックに対して、アンカーが背中を向いて受ける形から少ないタッチで叩き、ファン・デ・フェンを解放する。

 失敗してもリトリートが間に合う範囲の加速しかされなかったフォレストは少しずつプレスを強めていく。すると、アンカー位置に落ちたグレイが潰されたところで失点。ハドソン・オドイが先制ゴールを決める。ヴィカーリオのパスはやや地雷っぽかったが、ワンタッチでCBを解放するという形があるのであれば、確かにパスを出す余裕もなくはなかったので、受ける側にも多少の責任はあったように思える。

 グレイは失点を跳ね返すかのように反転から豪快なシュートを見せるが、これはヴィクトルがストップ。簡単に反撃を許さない。トッテナムは右サイドのクドゥスから攻め筋を探るが中央へのカットインはCHが網を張っているところに飛び込んでしまっている感があったし、ハドソン・オドイのプレスバックも強烈でなかなか打開策にはならなかった。

 1on1でも優位を取れないトッテナム。なかなかフォレストのボックス内にアプローチできる方策がない状態が続く。得点後もフォレストペースが続いた試合だった。

 後半もポゼッションからトッテナムのプレスを外したフォレストは左サイドからハドソン・オドイがクロス性のシュートを決めて追加点。さらにリードを広げる。トッテナムはそもそも自陣からの脱出がままならず。ようやくプレスを振り切ったと思ったら、ガッチリと構えるフォレストの守備に対してきっかけが掴めない。

 時折、フォレストに綻びがあるようなシーンもあるが、トッテナムはカウンターをつまらないミスで潰してしまう。前節の手応えはあっさりと消え去ってしまったかのようだった。

 極めつけとなるサンガレのミドルで試合は完全に決着。AFCON前の置き土産で完勝に花を添えた。90分間試合を支配したフォレストがトッテナムに完勝。大きな勝ち点3を手に入れた。

ひとこと

 トッテナム、3歩進んで3歩下がったような試合。フォレストを何一つ上回ることができなかった。

試合結果

2025.12.14
プレミアリーグ 第16節
ノッティンガム・フォレスト 3-0 トッテナム
ザ・シティ・グラウンド
【得点者】
NFO:28′ 50′ ハドソン・オドイ, 79′ サンガレ
主審:サム・バロット

第17節 リバプール戦(H)

嵐を凌いでの3ポイント

 前節は勝利したリバプールだが、上位3チームが順調に勝ち点を積み重ねている状況はやや向かい風。トッテナムを下し、ひとまずはCL出場権を争えるところまでは戻っていきたいところだろう。

 序盤から互いにバタバタした立ち上がり。非保持側が高い位置からのプレスを敢行し、特に中盤には人基準で強気に出ていく。

 保持側はズレを作るべく、中盤の枚数を増やすことで対抗。トッテナム、リバプールともにLSHのベリヴァルとヴィルツが互いに4枚目になることで中盤の守備の基準を乱しにいく。

 バックラインにまでプレスをかけるとなると、高い位置からのチェイスが機能していたのはトッテナムの方。ワンサイドカットでの圧縮で相手にプレスをかけていく。リバプールにとっては前線にエキティケというボールの逃しどころがあったのは幸運。体を当てながらボールを収めていく。

 こうした前線への体を当てるボールや中盤でのデュエルはファウルとなるケースが多く、肉弾戦がどちらに有利に転がるかは流動的。トッテナムの保持はリバプールが徐々にリトリートを挟みながらスペースを消しにいくが、ボールを持たされるトッテナムはタッチが増えることで追い込まれていき、徐々に中盤のごちゃごちゃとした肉弾戦に巻き込まれていった感があった。

 ともにリトリートの頻度が増えていき、保持側の負荷が高まっていくタイミングでアクシデントが発生。シャビ・シモンズのスタンプによりトッテナムは数的不利に。悪意を感じないプレーではあったが、深追いする必要も道理も全くない状況でのプレーはちょっと理解に苦しむ。これだけ動的成分が少ないシーンであっさりレッドカードを受けてしまうのは少しもったいないかなという感じ。

 こうなると相手のポゼッションを阻害できないトッテナムに対してリバプールは自由に配球できるように。ヴィルツの決定機など徐々にリバプールは敵陣に入り込んでいく。コロ・ムアニのロングカウンターやスペンスのオーバーラップなどスピードを活かした形であればトッテナムも可能性がなくはないという状況で試合はハーフタイムを迎える。

 後半、リバプールはイサクを投入。2トップにシフトする形で攻勢を強めていく。クロスのターゲットが2枚になったことでカジュアルに敵陣に迫れるリバプールは56分に先制。イサクの左足からゴールを生み出す。だが、このプレーでイサクは負傷。リバプールは再び1トップに戻す形に。

 残されたエキティケは右サイドのフリンポンからのクロスを仕留めて追加点。空中戦でロメロを上回り、リードを広げる。

 トッテナムは80分に投入されたリシャルリソンが嵐を巻き起こす。早々にセットプレーから仕留めたゴールはもちろんカウンターに小競り合いに大暴れ。だが、なんとか退場しなかったリシャルリソンとは異なり、ロメロがバレたら絶対おしまいな報復で2枚目の警告を受けて9人に。

 なんとなく失点してからはトッテナムに押し込まれていたリバプールだが、9人になっても危ういシーンは少々。それでもアリソンのセーブでこれを凌ぎ、なんとか勝ち点3を手にした。

ひとこと

 なんで9人のトッテナムに渡りあわれてしまっているのか。

試合結果

2025.12.20
プレミアリーグ 第17節
トッテナム 1-2 リバプール
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:83′ リシャルリソン
LIV:56′ イサク, 66′ エキティケ
主審:ジョン・ブルックス

第18節 クリスタル・パレス戦(A)

敵地で連敗ストップ

 ここに来て連敗と混戦模様の中位から一歩後退する羽目になっているトッテナム。一刻も早く欧州カップ戦出場争いに戻るために、ここは勝利が必須と言えるだろう。

 序盤からポゼッションで展開を掴んだのはクリスタル・パレス。前から捕まえにいくトッテナムに対して、スペースができた中盤にマテタを下ろして加速。敵陣に鋭く入り込んでいく。しかしながら、敵陣に入り込んだ後、もしくはその過程においてのプレーが非常に雑だったのがこの日のパレス。そのため、クリーンなシュートまでは持っていくことができなかった。

 一方のトッテナムはパレスのハイプレスに苦戦。マンツー気味に出てくるパレスに対してつなぎの活路を見出すことができず。パレスはポゼッションとハイプレスの両面からチャンスメイクに成功。マテタの反転からの加速でチャンスを迎えるなど、少しずつ有効打が。ボックスでの競り合いになればトッテナムのDFに対して優位が取れることもあるパレスはゴールにだんだんと迫っていく手応えを手にしていく。

 ただ、トッテナムはクロスからワンタッチで抜け出したリシャルリソンがネットを揺らす。しかし、これはオフサイド。ようやくひっくり返したプレーからゴールを掴むことはできなかった。

 前半は攻め続けていたパレスだったが、時間の経過とともに試合への握力が低下。トッテナムは縦に速い攻撃の機会を掴んで押し返すと、前半終了間際にセットプレーから先制。グレイのゴールでトッテナムが先行する。

 後半、パレスはボール保持からスタート。主導権を取り戻していくための試みを行う。左サイドから深い位置での侵入からチャンスを作っていく。だが、この日の精度不足感はここでも。なかなかボックス内に正確なパスを入れることができない。

 それでもハイプレスが機能したことでパレスはチャンス。高い位置からボールを奪いにいく。押し込んだところからはセットプレーで決定機。ラクロワ、グレイと立て続けに攻め上がったCBからチャンスを作っていく。

 だが、ネットを揺らせずにいるとトッテナムは5バックにシフト。もう一度パレスにボールを持たせることを許容しながら自陣を固めていく。

 目論見通りのクローズに成功したトッテナム。見事にセットプレーの1点を守り切って、連敗を止める勝利を敵地で手にすることとなった。

ひとこと

 なかなか難儀な展開の中で見事チャンスをものしたトッテナムだった。

試合結果

2025.12.28
プレミアリーグ 第18節
クリスタル・パレス 0-1 トッテナム
セルハースト・パーク
【得点者】
TOT:42′ グレイ
主審:ジャレット・ジレット

第19節 ブレントフォード戦(A)

凱旋は久方ぶりのスコアレスドローに

 トッテナムの2026年の初陣はトーマス・フランクの凱旋からスタート。郷愁に浸るのもいいかもしれないが、難所であるブレントフォードのホームスタジアムで勝ち点を上げなければ、上昇気流の兆しが見えてくることはない。

 序盤はハイプレスから出てくるブレントフォードに面食らった感があるトッテナム。オフサイドとはいえセットプレーからネットを揺らされるなど、バタバタとしたスタートとなった。

 ハイプレスに対して、トッテナムは左右にボールを動かしながら脱出。サイドにボールを逃すとそこからSHとSBの二人称で縦に進んでいく。

 トッテナムは非保持においてサイドに追い込む形でブレントフォードを制限していく。だが、これが有効だったかは微妙なところ。チアゴのポストや裏抜け、シャーデの背後へのランなど縦に制限されてなおブレントフォードには選択肢があった。この辺りのチアゴのプレー選択の自信の溢れ方は昨季やシーズン当初とは別人のようだなと思う。

 カヨーデの危険なインサイドへのパスをカットするなどチャンスがないわけではなかったが、基本的にはトッテナムのプレスの収支はプラスか怪しい感じ。保持においてもインサイドにポイントを作れないことでクリティカルな前進を望むことができない。

 ブレントフォードも頻度が多かったわけではないものの、敵陣に入ることができた際の一発の重たさというのは健在。ルイス-ポッター→シャーデの抜け出しからの決定機などいくつかのチャンスを作りつつ得点までは至らない。前半はスコアレスでの折り返しだ。

 後半の頭はトッテナムのポゼッションが目立つスタート。リシャルリソンのポストからインサイドにパスを差し込んでいく意味を見出していく。大外では前半の途中から目についていた右サイドの背後を狙うランと対角のパスの組み合わせで奥を取っていく。

 入りは悪くなかったトッテナムだが、チアゴのポストからのファストブレイクでルイス-ポッターが決定機を迎えると、ここからペースはブレントフォードに。左右のサイドからクロスを中心に殴り続けるブレントフォードに対して、トッテナムは防戦一方。カウンターにでていきたいところからパスが繋がらず、自陣からの脱出すらままならない格好。

 ヴィカーリオがひたすら耐える展開となったトッテナム。ブレントフォードは最後までこじ開けることはできず、試合はスコアレスドローとなった。トッテナムにとってはプレミア138試合ぶりのスコアレスドローとなった。

ひとこと

 前回のトッテナムのスコアレスドローもブレントフォード。こういう因果はたまに見かけるのがプレミアリーグ。

試合結果

2026.1.1
プレミアリーグ 第19節
ブレントフォード 0-0 トッテナム
G-techコミュニティ・スタジアム
主審:アンディ・マドレー

第20節 サンダーランド戦(H)

不可解な主導権の喪失

 AFCONにより大幅にスカッドを削られながらもなんとか引き分けで勝ち点をもぎ取り続けているサンダーランド。苦しい試合運びが続く中で今節はトッテナムとのホームゲームに挑む。

 互いにバックラインに対しては積極的にプレスに出ていく立ち上がり。降りる選手に対しては容赦なく捕まえる姿勢を見せるサンダーランドに対してトッテナムはロングボールベースで対応する。アバウトにはなったが、ボールを奪ったところからは直線的に鋭さを見せての前進を狙っていく。

 一方のサンダーランドはトッテナムのプレスを左右に散らしながら対抗。いつものようにサイドに逃すところまで手数をかけてハイプレスを回避しにいく。

 しかしながら、このステップはいつもほどうまくいかなかった感。サイドに逃してもトッテナムのプレスに捕まってしまいカウンターに移行されてしまう形や、やたらとグラウンダーのパスを引っ掛けてしまうなどいつものようにはいかなかったという苦しい状況に追い込まれる。

 クドゥスの負傷という想定外が発生してなお試合の主導権はトッテナム。サンダーランドにボールを持たれる場面は時間の経過とともに増えていたが、そこから相手のパスを引っ掛けたところでファストブレイクに移行。有効打となる攻撃を放っていく。

 先制したのはいい流れのトッテナム。セットプレーからファーのロメロの折り返し→ファン・デ・フェンのシュート→デイビスのゴールという流れで先制点を決める。

 失点してもギアが上がらないサンダーランド。抵抗するためのきっかけを掴めず、トッテナムを追い詰めることができない。トッテナムは完勝だったブレントフォード戦を彷彿とさせる前半だった。

 後半、サンダーランドはギアを上げながらハイプレスに出ていく。だがハイテンポでのプレス回避を敢行するトッテナムによってこのプレスは空転。押し込むことができればファーサイドのクロスからヴィカーリオの怪しい対応を引き出すことができていたが、主導権を引き寄せたとは言えない展開。ロメロの怪しいミスにも乗っかり切れなかった感があった。

 きっちりとミドルゾーンで組みながらサンダーランドの攻撃に対応するトッテナムだったが、徐々に流れを失うように。ボックス内の対応がなぜかわからないまま不安定になり、一気にばたつき始めてしまう。

 ファン・デ・フェン、ロメロといった面々の怪しさが全面に出始めると、ここのギャップをついたブロビーが豪快なゴール。試合を振り出しに戻す。以降もサンダーランドが主導権を握りながら残り時間を過ごす。だが、これ以上ゴールは決まらず。試合は1-1でのドロー決着となった。

ひとこと

 なんでトッテナムが急にリズムを失ったのかがよくわからなかった。

試合結果

2026.1.4
プレミアリーグ 第20節
トッテナム 1-1 サンダーランド
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:30′ デイビス
SUN:80′ ブロビー
主審:スチュアート・アットウェル

第21節 ボーンマス戦(A)

文字通りの大団円

 報道によればこの試合を最後にシティに移籍するセメンヨ。10月26日以来のリーグ戦勝利をはなむけに新天地に旅立ちたいところだろう。

 序盤から目立ったのは縦に縦にという両チームのスタンス。ガンガン前からプレスに来るトッテナムに対して、左サイドのトリュフォーが縦に進むことでボーンマスが先にアクセントをつける。

 しかし、先制したのはトッテナム。同じく左サイドを縦に進んだところからカットインからゴールを見せたのはテル。ミドルシュートからいきなり試合を動かす。

 ハイプレスに出ていくボーンマスに対して、トッテナムはベンタンクールが列を落とすことで試合をコントロール。ボーンマスにハイプレスのきっかけを作らせない。

 それでも基本的にはオープンな流れなので中盤にはスペースができる状況ではあった。ボーンマスはヒメネスのドリブルなど、スペースがある状態からの打開策を探しながら敵陣に進んでいく。

 両チームとも縦に勢いがある状態からスコアを動かしたのはボーンマス。タヴァニア→エヴァニウソンのクロスから同点。トッテナムのCB陣はタヴァニアの鋭いクロスに対してリアクションをすることができなかった。

 失点したことで少しずつリズムを失うトッテナム。シモンズの強引な反転でのロストや。左サイドのユニットの機能不全など主に保持面から危ういシーンが出てくる。

 逆にリズムをつかんだボーンマスはまたしてもタヴァニアのクロスからスコアを動かす。セットプレーの二次攻撃からファーのセネシの折り返しからクルーピが押し込んでゴール。前半終了間際にリードを奪う。

 後半、トッテナムは左サイドのワンツーなどボールを動かしながらの前進。ボーンマスのプレスは後追いに。相手のミスに付け込んでのシュートラッシュなど少しずつチャンスを作っていく。

 交代で入ったリシャルリソンでさらに勢いをつけたトッテナム。早々に決定機からチャンスを作り出していく。ファン・デ・フェンのキャリーからPKを獲得したシーンもあったが、これはOFRで取り消しとなった。

 それでも押し込む局面を続けるトッテナムはパリーニャの豪快なシュートから同点。アクロバティックな形から試合を振り出しに戻す。

 追いつかれたボーンマスに待っていたのは文字通りの大団円のフィナーレ。後半追加タイムに勝ち越しゴールを決めたのはセメンヨ。ラストゲーム、3か月弱ぶりの勝利などあまりにも要素が乗りすぎている劇的なゴールを決めてトッテナムを下す。ミュージカルの最後のような幕切れでボーンマスは久々の勝利を手にした。

ひとこと

 セメンヨ、行ってらっしゃい。

試合結果

2026.1.7
プレミアリーグ 第21節
ボーンマス 3-2 トッテナム
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
BOU:22‘ エヴァニウソン, 36’ クルーピ, 90+5‘ セメンヨ
TOT:5′ テル, 78’ パリーニャ
主審:ダレン・イングランド

第22節 ウェストハム戦(H)

崖っぷちダービーの行方を決めた職人技

 1月にプレミアに訪れている監督解任ラッシュ。次のチームになるのではないか?と戦々恐々としていそうな両チームによるロンドンダービーだ。

 いきなりの空中戦でのデュエルから負傷してしまうなど激しいスタートを予感させる立ち上がり。ウェストハムはハイプレスに捕まえにいくだけでなく、保持においては長いボールからチャンスを作りにいく。

 トッテナムはこのハイテンポにあまり乗れていなかった感。保持においてゆったりと3-2-5変形から保持で試合を組み立てようとする。保持においてはテンポを制御しようとする姿勢は悪くなかったけども、非保持においては中途半端についていこうとして置いて行かれてしまった。

 先制点となったサマーフィルのゴールはまさにそこが悪い方向に働いた感じ。横断してくるウェストハムの保持に後追いになってしまい、置いて行かれては余計に穴をあけるシーンが増えていた。最後のところで置いて行かれたギャラガーは特に目立っており、完全にサマーフィルの動きに遅れてしまっていた。

 反撃に出たいトッテナムはサイドアタックからテルがチャンスメイク。サマーフィルと同じように左サイドからシュートを生み出す。一方のウェストハムもセットプレーから得点チャンス。ニアフリックに対して、ファーサイドに飛び込むカステジャーノスには初ゴールのチャンスが巡ってきたが、これを仕留めることはできず。総じて、互いにブロック守備の要素が強くなった割には保持側にチャンスが生まれていたなという印象だった。

 そうした中でも優位に立っていたのはウェストハムの方だろうか。セットプレーからネットを揺らすも惜しくもオフサイドのシーンを作ったり、ヴィカーリオがセーブでチームを救うことを強いたりなど追加点のチャンスをコンスタントに生み出す。トッテナムは中盤の守備の後手に回っている感が相変わらずで修正をすることができない。

 後半、保持に回ったトッテナムが先に主導権。ファン・デ・フェンのキャリーから横断をしたりなど、盤面を整えてアタッカーにボールを渡し、ここからチャンスを作っていく。

 インサイドでも段差を作ることに成功したトッテナム。後半から入ったビスマのミドルなどサイドでの深さを利用したCHからシュートも出てくる。ギャラガーも後半になり攻撃面ではリズムを掴んだのかなと思える場面だった。

 同点弾は押し込む手応えを感じたロメロが流れの中からの攻め上がりでゴール。空中戦の強さを見せて同点に追いつく。

 追いつかれたウェストハムはハイプレスにモードを切り替え。うまくいけばハイプレスで相手を捕まえるようなシーンも生み出せてはいたが、サイドに逃がせればあっさりと行かれてしまうこともあった。一か八か感がある仕掛けだったと言えるだろう。

 一進一退だった攻防を終わらせたのはウィルソン。投入直後のプレーですぐさま決定機に絡むと、セットプレーから勝ち越しゴールをゲット。職人の数分の仕事で勝利を手にしたのはウェストハム。崖っぷち対決を制し、久しぶりの勝ち点3を積み上げた。

ひとこと

 ちょっとギアがかかるのが遅かった感のあったスパーズだった。

試合結果

2026.1.17
プレミアリーグ 第22節
トッテナム 1-2 ウェストハム
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:64′ ロメロ
WHU:15′ サマーフィル, 90+3′ ウィルソン
主審:ジャレット・ジレット

第23節 バーンリー戦(A)

苦しみが先行する1ポイント

 ウェストハム戦の敗戦で解任濃厚と思われたトーマス・フランクだったが、ドルトムント戦での完勝でCLのストレートインに望みをつなぐことに成功。リーグでの巻き返しを図りたい今節はターフ・ムーアでの一戦に挑む。

 トッテナムはドルトムント戦と同じくスペンスをSHに起用することで3バックのような4バックのような陣形を採用。ただ、保持においてはファン・デ・フェンがLSBとなるような明確な4バックのような形ではあった。

 だが、序盤にボールを持ったのはむしろバーンリー。こちらも左のユニットを押し上げる形で保持においては4バック気味にシフトするビルドアップ。トッテナムのプレスに対してショートパスから組み立てていく。バーンリーのポゼッションが安定していたのはアンソニーやブロヤといった前線の面々に対する縦へのパスからのポストが刺さっていたからだろう。トッテナムのCB陣はこの縦パスを全く咎める気配がなく、簡単にポストを許すことに。バーンリーはこのポストをきっかけに左右に動かしながら敵陣に入っていく。

 トッテナムはむしろ縦に速い攻撃の鋭さで勝負。サイドで人を釣り出しながら連鎖的に背後を狙うアクションで高い位置からのプレスを狙うバーンリーの背後を狙っていく。

 前半の途中までは優位に試合を進めたバーンリーだが、30分以降はトッテナムの保持の機会が徐々に増えていく。すると先制点はセットプレー。ファン・デ・フェンの二次攻撃から先制点を奪う。

 だが、この先制点で波に乗れないのが今のトッテナム。ポゼッションの雑さからバーンリーに攻めの機会を明け渡すと、クロスからトゥアンゼベにゴールを許す。保持でのミスもクロス対応におけるCBの雑さも昨今のトッテナムの目につく部分である。

 後半、先にペースを握ったのはバーンリー。左サイドからダンソの周辺をフリーランで蹂躙。トッテナムはCB陣が延々と芋づる式に背中を取られ続け、潰すきっかけを全く掴むことができない。

 ただ、CBが不安定なのはバーンリーも同じ。1枚のターゲットにボックス内で平気にヘディングを許してしまうなど守備に回れば危うい一面があった。

 先に不安の爆弾が爆発したのはトッテナム。ロメロが横パスで簡単にすれ違いを許すと、そこからの横断で今度はダンソが振り回されてしまい失点。2人のCBが明け渡したスペースをフォスターが仕留めてリードを奪う。

 ロメロはスコアリングの方で意地を見せる90分の追加点を決めては見せたものの反撃はここまで。ターフ・ムーアでの綱渡りの1ポイントは希望というよりも苦しみを象徴するもののように感じる90分だった。

ひとこと

 トッテナムに苦しいところはいくつもあるけども、特に最近はCB陣の苦しさが目につくなという感じ。ロメロは点をとっているからまぁそれでもいいのかもしれないけども。

試合結果

2026.1.24
プレミアリーグ 第23節
バーンリー 2-2 トッテナム
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:45′. トゥアンゼベ, 77′ フォスター
TOT:38′ ファン・デ・フェン, 90′ ロメロ
主審:ピーター・バンクス

第24節 マンチェスター・シティ戦(H)

第25節 マンチェスター・ユナイテッド戦(A)

第26節 ニューカッスル戦(H)

第27節 アーセナル戦(H)

第28節 フラム戦(A)

第29節 クリスタル・パレス戦(H)

第30節 リバプール戦(A)

第31節 ノッティンガム・フォレスト戦(H)

第32節 サンダーランド戦(A)

第33節 ブライトン戦(H)

第34節 ウォルバーハンプトン戦(A)

第35節 アストンビラ戦(A)

第36節 リーズ戦(H)

第37節 チェルシー戦(A)

第38節 エバートン戦(H)

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