ウェストハム【18位】×ノッティンガム・フォレスト【17位】

またしても不思議な逆転負け
第21節の幕開けは残留のボーダーを挟む両チームの一戦。勝ち点が開きつつある18位と17位の関係性を考えれば、ヌーノにとってこの試合は古巣対決以上の意味を持つ試合だといえるだろう。
フォレストは4-4-2のミドルブロックからスタート。ゆったりとボールを持つウェストハムは2トップ脇に起点を作っていく。2トップ脇に顔を出すフェルナンデスで後方の4-4ブロックにちょっかいをかけると、その間に顔を出すパケタがつなぎ目となって前進していく。
押し込む機会を早々に作ったウェストハムはセットプレーから先制。CKからムリージョのオウンゴールを誘い試合を動かす。
一方のフォレストのポゼッションはアンダーソンが動き回りながら陣形を変えつつ後方の2CB+2CHで試合を組み立てていく形。フォレストはサイドからの進撃を試みるが、ウェストハムは低い位置に下がり、フォレストに守備の枚数を合わせる対応を敢行。簡単にはサイドで浮く選手を作らせない。
こうした押し込まれてしまう状態はサンドバックになる危険性もあるが、ウェストハムにはロングカウンターという武器もある。ボーウェンやサマーフィルによる陣地回復から一気に前に進んでいく。
サイドで枚数を合わせられる状況を打開するには目の前の相手を倒す選手を作るしかない。そういう意味でフォレストにおいて最も頼りになるのはハドソン・オドイ。カットインからのシュートでゴールに迫っていく。
後半も展開は似た形。押し込むフォレストに対して、ウェストハムはサイドの枚数を合わせながらカウンター。サマーフィルの見事なフィニッシュで終わった一連の攻撃は見事であったが、その過程で惜しくもオフサイド。ゴールは認められない。
すると、今度はフォレストがネットを揺らす。セットプレーから押し込んだのはドミンゲス。驚きの角度でのバックヘッドで試合は同点となる。
フォレストは以降も押し込む局面を継続したい姿勢を見せるが、ウェストハムは馬力で勝負したいところ。交代で右サイドに入ったパブロがさらに推進力を注入し、サイドから縦に速く進んでいく。
少しずつ開けた展開において対応が後手になっていたのはフォレスト。このままウェストハムが押し切れそうに見えたが、わずかなきっかけで流れを失ってしまうのが今の彼ら。ハドソン・オドイの根性の前進からFKを確保すると、飛び出しが遅れたアレオラのパンチがファウルを取られてPKを献上してしまう。
ギブス=ホワイトのPKによる決勝点はウェストハムファンの帰宅の号令に。ファンにあきらめられたウェストハム。17位との勝ち点差はさらに広がることとなった。
ひとこと
勝ち筋がはっきり見えたのはウェストハムに見えたけども。
試合結果
2026.1.6
プレミアリーグ 第21節
ウェストハム 1-2 ノッティンガム・フォレスト
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:13‘ ムリージョ(OG)
NFO:55’ ドミンゲス, 89‘(PK) ギブス=ホワイト
主審:トニー・ハリントン
クリスタル・パレス【14位】×アストンビラ【3位】

押し返しを許してのスコアレスドロー
固定メンバーの弊害がここにきてもろに来てしまっているクリスタル・パレス。けが人が続出し、パフォーマンスのクオリティを維持することができる時間がどんどん短くなっている。
それでも今日はアストンビラ相手に高い位置からプレスに。勇猛果敢な姿勢ではあるが、アストンビラは落ち着いて対応。マルティネスがボールを持ちながら牽制すると、サイドに流れるワトキンスから前進のきっかけを作っていく。
アストンビラの非保持もハイプレスに出てくる強気なものだった。パレスはワンタッチから外していくシーンが出てくるのだが、ゆったりと落ち着かせるタイミングがなくどこか忙しい。相手を手前に引き出しつつ、SBが絶妙な関与でボールを運び、そこから押し込んでいきながら後方の選手がミドルをガンガンと打っていく。
特にアストンビラが狙っていたのは左サイドのワトキンスを狙う形。後方からのロングボール直接だけでなく、右サイドからのキャリーである程度前進した後に横断。そこからのスルーパスでカンヴォの背後をつくランから決定機を作っていく。
一手先を行かれている感があるパレスだったが、なんとかラクロワがすんでのところでカバー。少しずつ前に進む時間を作っていく。
多様な前進の手段を見せていたビラに対して、パレスの武器はウォートンのセンスに任せた形。とにかく縦パス連打でおそらく相手にバレていても、そこからチャンスを作るのだから大したものだなと思う。ブレナン・ジョンソンの決定機を作ったのもウォートンの2つの縦パスだ。
その一方でスローダウンした後のほかの攻め筋がないのはつらいところ。速攻が定まらなかった時の幅取り役としてムニョスの不在の補えていなさは否めないところではあった。
後半、ビラはマルティネスにアクシデントが発生し、ビゾットが緊急登板。CB主体の攻撃の組み立てを敢行。左サイドのディーニュの攻め上がりを生かした形から試合を組み当てていく。ロジャーズも絡みながらの攻撃は少しずつ得点の現実味を増していく。
だが、この猛攻をしのいだパレスは少しずつポゼッションを回復。アストンビラは選手を交代しても前からのプレスに出ていくことができず、押し込まれて苦しい状況に。サイドからのクロスに対して、なかなか厳しい対応を強いられる。もちろんフリーになったウォートンも健在だ。
終盤は押し返す形となったアストンビラだが仕留めきることはできず。試合はスコアレスのまま幕を閉じた。
ひとこと
パレスに押し返された時間がちょっともったいなかったアストンビラだった。
試合結果
2026.1.7
プレミアリーグ 第21節
クリスタル・パレス 0-0 アストンビラ
セルハースト・パーク
主審:アンディ・マドレー
フラム【11位】×チェルシー【5位】

止まらない絶好調男
マレスカが退任した直後のチェルシーが迎えるのはフラムとのウェスト・ロンドン・ダービー。新監督への就任が発表されたロシニアがスタンドで見守る中でローカルライバルとのダービーに挑む。
先に主導権を握ったのはチェルシー。ミドルブロックを組んで5-4-1で陣形をキープするフラムに対して、押し込む局面を作っていくと、そこから流れるようにハイプレスに移行。そこからのボール奪取からサイドカウンターを打って敵陣に入っていく。
セットプレーからのチャンスはレノ周辺に打ち込む。押し込むチームなりの機会を生かした攻撃からもフラムを追い立てていく。
フラムはチェルシーの即時奪回さえ回避できればポゼッションから落ち着いて試合を運ぶ。GKを絡めつつアンデルセンを押し上げる形からプレスを回避。横断しながらチャンスを作っていく。
それでも機会的にはチェルシーが優位。しかし、押し込む局面を続けていくところで落とし穴にハマる。ウィルソンの長いボールの抜け出しに対して、ククレジャがファウルを犯してしまって一発退場。これで試合の流れがガラッと変わることに。
ボールを持つのはフラムに変化。3-2-5のポゼッションから試合を作っていく。チェルシーはネト、デラップといった馬力のある選手からのカウンターで虎視眈々とゴールを狙う。
フラムは外循環からSBの追い越すアクションで深さを作ると、抉ったところでクロスを入れてボックス内を襲撃する。かと思えば、インサイドに差し込むパスを入れて変化をつける。惜しくもオフサイドとなったが、ウィルソンの抜け出しは前半終了間際の大チャンスだった。
後半、フラムは4バックにシフト。クエンカを下げてケビンを入れることで押し込むきっかけをサイドに作っていく。
左サイドのケビンを軸にしたクロスにはなんとか食い下がっていたが、チェルシーは逆サイドのクロス対応で失点につながるエラーが。クロスに対してのチェックに行けずフリーズしてしまうと、ここからのクロスをヒメネスが仕留めてゴール。チェルシーはインサイドでもアウトサイドでも主導権を握らせてしまった。
フラムはさらにプレスで深追いすることで勢いを全面に出していく形。徐々にスペースが出てきたことでチェルシーはデラップやネトをポゼッションの環境からも生かしやすくなる。可変しつつ、徐々に保持の仕組みをユニット単位で作っていくチェルシー。
すると、セットプレーから同点。デラップが押し込んで試合を振り出しに戻す。
追いつかれたフラムは再びポゼッションで主導権。押し込むところからのチャンスを探っていくと、スミス・ロウからの右のハーフスペースアタックからゴールに押し込んだのはこの日もウィルソン。絶好調の8番が再びフラムにゴールを生み出す。
10人のチェルシーを退けたフラム。尻上がりのホームチームが監督解任後初戦のチェルシー相手に勝利を決めた。
ひとこと
ウィルソン、絶好調。
試合結果
2026.1.7
プレミアリーグ 第21節
フラム 2-1 チェルシー
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:55′ ヒメネス, 81′ ウィルソン
CHE:72′ デラップ
主審:ピーター・バンクス
ブレントフォード【7位】×サンダーランド【8位】

強くてしたたかな完勝
開幕時はやや苦しんだ印象のブレントフォードだが、少しずつリカバリーに成功。ジリっと右肩上がりの戦績を見せると、いつの間にか欧州カップ戦も視野に入る順位まで上げてきている。対するはAFCONでの大量の戦力流出に伴い、今は我慢!という時期を過ごしているサンダーランド。それなりに我慢ができているのが今の彼らの地力である。
ロングボールベースで高い位置に出ていくきっかけを作ると、そこからのハイプレスでリズムを作っていくブレントフォード。GKを絡めたビルドアップで左右に振るというのはサンダーランドの得意なところなので、定点攻撃においては深追いしないというメリハリもブレントフォードの守備の良さだった。
サンダーランドは保持において左サイドからの変形でズレを作りにいく。対するブレントフォードは構えながらシャーデのスピードを活かしたカウンターからチャンスを作っていくという構図だった。
しかしながら、サンダーランドはプレスに枚数を合わせる形ではなかったのでポゼッションから押し下げていく。ブレントフォードは15分過ぎから少しずつ押し込む時間を作っていく。
だが、先制点はトランジッション。ブレントフォードの保持をサンダーランドがカットするところから生まれたバタバタから抜け出したのは抜け出しに成功。ヒュームが上げ損なった状況を見逃さず、チアゴが強かにゴールを決めた。
以降もブレントフォードはシャープなチャンスメイクから引き続き主導権。前半の残り時間もサンダーランドより濃厚なチャンスを作っていく。
優勢となったブレントフォードは後半はポゼッションという異なる切り口から優位をキープ。幅を使ったところからのカヨーデなどサイド突破も織り交ぜながら攻撃を仕掛けていく。
序盤のポゼッションを耐え忍んだサンダーランド。ここから試合は徐々に流動性が出てくる。すると、敵陣に進撃したブロビーがPKを獲得。だが、このPKをル・フェが失敗。ゆるっとしたボールをGKに簡単にキャッチされてしまった。
ピンチをしのいだブレントフォードは敵陣からのハイプレスに成功。ヘールトロイダのミスを咎めたところからファストブレイクを発動。シャーデの決定機ミスはPK失敗に比肩するものかと思われたが、チアゴがミスをリカバーするゴールを決めて帳消しにする。
さらにはセットプレーからヤルモリュクがとどめ。次々と勝負のポイントを仕留めるしたたかさを見せて、リードをガンガン広げていく。
サンダーランドは出番が嵩んでいる後方の選手たちを中心に選手交代を敢行。采配からも明らかに白旗モードでブレントフォードに屈する完敗を喫した。
ひとこと
見事な90分。流れをつかんでからがあっという間のブレントフォードだった。
試合結果
2026.1.7
プレミアリーグ 第21節
ブレントフォード 3-0 サンダーランド
G-techコミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRE:30′ 65′ チアゴ, 73′ ヤルモリュク
主審:マシュー・ドナヒュー
ボーンマス【15位】×トッテナム【13位】

文字通りの大団円
報道によればこの試合を最後にシティに移籍するセメンヨ。10月26日以来のリーグ戦勝利をはなむけに新天地に旅立ちたいところだろう。
序盤から目立ったのは縦に縦にという両チームのスタンス。ガンガン前からプレスに来るトッテナムに対して、左サイドのトリュフォーが縦に進むことでボーンマスが先にアクセントをつける。
しかし、先制したのはトッテナム。同じく左サイドを縦に進んだところからカットインからゴールを見せたのはテル。ミドルシュートからいきなり試合を動かす。
ハイプレスに出ていくボーンマスに対して、トッテナムはベンタンクールが列を落とすことで試合をコントロール。ボーンマスにハイプレスのきっかけを作らせない。
それでも基本的にはオープンな流れなので中盤にはスペースができる状況ではあった。ボーンマスはヒメネスのドリブルなど、スペースがある状態からの打開策を探しながら敵陣に進んでいく。
両チームとも縦に勢いがある状態からスコアを動かしたのはボーンマス。タヴァニア→エヴァニウソンのクロスから同点。トッテナムのCB陣はタヴァニアの鋭いクロスに対してリアクションをすることができなかった。
失点したことで少しずつリズムを失うトッテナム。シモンズの強引な反転でのロストや。左サイドのユニットの機能不全など主に保持面から危ういシーンが出てくる。
逆にリズムをつかんだボーンマスはまたしてもタヴァニアのクロスからスコアを動かす。セットプレーの二次攻撃からファーのセネシの折り返しからクルーピが押し込んでゴール。前半終了間際にリードを奪う。
後半、トッテナムは左サイドのワンツーなどボールを動かしながらの前進。ボーンマスのプレスは後追いに。相手のミスに付け込んでのシュートラッシュなど少しずつチャンスを作っていく。
交代で入ったリシャルリソンでさらに勢いをつけたトッテナム。早々に決定機からチャンスを作り出していく。ファン・デ・フェンのキャリーからPKを獲得したシーンもあったが、これはOFRで取り消しとなった。
それでも押し込む局面を続けるトッテナムはパリーニャの豪快なシュートから同点。アクロバティックな形から試合を振り出しに戻す。
追いつかれたボーンマスに待っていたのは文字通りの大団円のフィナーレ。後半追加タイムに勝ち越しゴールを決めたのはセメンヨ。ラストゲーム、3か月弱ぶりの勝利などあまりにも要素が乗りすぎている劇的なゴールを決めてトッテナムを下す。ミュージカルの最後のような幕切れでボーンマスは久々の勝利を手にした。
ひとこと
セメンヨ、行ってらっしゃい。
試合結果
2026.1.7
プレミアリーグ 第21節
ボーンマス 3-2 トッテナム
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
BOU:22‘ エヴァニウソン, 36’ クルーピ, 90+5‘ セメンヨ
TOT:5′ テル, 78’ パリーニャ
主審:ダレン・イングランド
マンチェスター・シティ【2位】×ブライトン【10位】

三笘の大仕事が1ポイントをもたらす
ここ2試合は引き分けに終わってしまい、勝ち点の積み重ねがやや滞っているシティ。連戦の最後を勝利で飾り、何とか首位に追いすがりたいところだろう。
序盤は前からのプレスの掛け合いでスタートしたこの試合。シティは不慣れなCBコンビながらも前からのプレスに組み合う形で対応していく。
ブライトンはこの不慣れなシティのCB陣を壊すところを前半は徹底的に狙っていく。オーソドックスなラターのポストから背後を狙う形をはじめとして、とにかく背後へのランを積極的に敢行。前からのプレスである程度制限をかけることはできていた分、そこまでフリーにやり放題だったわけではないが、狙いがはっきりしていたのできっちりと背後を取ることができていた。
シティのプレスはコンパクトさよりも連動しながらプレスをかけあう形で高い位置から制限。ブライトンのビルド隊との攻防は非常に見ごたえがあった。
シティは序盤こそサイドの2人の関係性から一気に縦に進んでいくが、時間の経過とともに少しずつポゼッションを高めていきながら即時奪回を狙っていく形を敢行。徐々に支配力を高めていき押し込む時間を長くしていく。
すると、左サイドからドクの仕掛けが成立してPKを獲得。この日は左の大外に固定される形だったドクが仕事をし、ハーランドがゴールを決めてリードを奪う。ハーフタイムの前にシティが試合を動かしてハーフタイムを迎える。
後半もシティがいきなり決定機。降りるアヤリを咎めるところからベルナルドが決定機。以降もブライトンは同数のプレス回避に苦戦。シティ相手になかなか攻めるきっかけを見つけることができなかった。
そんな状況を見事に変えたのは三笘。左サイドからのカットインから長いレンジでドンナルンマを打ち抜く見事な一撃。細いチャンスをゴールに変えて見せた。シティ目線だとヌネスの体の向きのわりに距離が遠かったせいで縦に誘導できなかった感があった。
シティはロドリが登場するが、勢いは得点を奪ったブライトン。降りるCHからのさばきも少しずつ安定。攻撃も前半の背後一辺倒と異なり、SH+SBの右サイドの進撃や体格パスからの三笘のアイソなど幅を使いながらの攻撃に終始する。
それでも終盤はシティが意地を見せる。またもハイプレスからアヤリの降りてのプレーを咎めるが、これはフェルブルッヘンがセーブ。なお、アヤリにつけるフェルブルッヘンに自作自演とみることもできなくはない。
主導権を握ったシティだが、自陣にくぎ付けになったブライトンはなんとか失点を回避。勝ち点1を死守する形で試合は幕を閉じた。
ひとこと
三笘、ワンチャンスでの見事な大仕事だった。
試合結果
2026.1.7
プレミアリーグ 第21節
マンチェスター・シティ 1-1 ブライトン
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:41’(PK) ハーランド
BHA:60‘ 三笘薫
主審:トーマス・ブラモール
エバートン【12位】×ウォルバーハンプトン【20位】

9人の相手を仕留め損ねる
序盤から主導権を得たのはエバートン。CBは放置でCHをケアするウルブスの2トップに対して、自由にボールを動かしながらギャップを作っていく。
この点で別格の存在感だったのはグリーリッシュ。左サイドの旋回を誘発するタメを作り出せるグリーリッシュにより、ウルブスの守備ブロックは徐々に穴が開いていく。特にイロエブナムの攻め上がりは手ごたえがあり、左サイドを軸に奥に入りながらクロスで攻撃を仕上げていく。
一方のウルブスはなかなか前進のきっかけが作れず。エバートンは前3枚でプレスの方向を誘導し、ハイプレスからショートカウンターを狙っていく。リスクを回避するためにアロコダレへのロングボールを狙っていくが、グリーリッシュほどの信頼度がないのは仕方ないところ。中盤でのデュエルとなれば渡り合うことができるエバートンの強度にも苦しめられた。
かといってドリブルで!といってもとがめられてしまうのがエバートン。ウルブスのキレも悪くはなかったが、エバートンの挟み込みが上回った印象だ。
優勢なエバートンは順当に先制。セットプレーの流れからファーサイドの折り返しをキーンが仕留めてゴール。リードを奪う。
このシーン以降もエバートンは同じような位置からのセットプレーでチャンスをつかんでいく。1つ目の成功を手ごたえに引き続きウルブスのゴールを脅かしていく。
ポゼッションでも問題なく試合をコントロールするエバートン。プレスに行くと間延びしてしまい、相手の前進を許してしまうウルブスのジレンマをよそに、主導権を確実に握ったまま前半を終えた。
後半もエバートンは左サイドから押し下げるスタート。ウルブスは押し下げられたところからのプレス回避に挑んでいくが、圧力に屈してしまいなかなか前進することができない。
2点目を取りに行くエバートンがなかなかチャンスを仕留められない中で状況を変えたのは交代で入ったラーセン。降りて受けると背後に走ったマネにラストパス。縦パス2つで一気に前進し、同点ゴールを生み出す。
さらにエバートンはキーンの退場というアクシデントも。この退場でフラストレーションをためたエバートンは後半追加タイムにグリーリッシュも退場してしまうなど最終的には9人になってしまう。
11人のまま試合を進めることができたウルブスは勢いに乗ってハイプレス+ロングボールで攻勢を強めるが勝ち越しゴールを奪うことはできず。9人のエバートンを仕留めそこね、勝ち点3を取り逃した。
ひとこと
9人!今季たまに見るやつ!
試合結果
2026.1.7
プレミアリーグ 第21節
エバートン 1-1 ウォルバーハンプトン
ヒル・ディッキンソン・スタジアム
【得点者】
EVE:17’ キーン
WOL:69‘ マネ
主審:トム・カーク
バーンリー【19位】×マンチェスター・ユナイテッド【6位】

監督が代わっても流れは変わらず
年末年始はなかなか勝ちきれない試合が続くユナイテッド。今節の相手はバーンリー。ダレン・フレッチャー暫定監督のもと、上昇のきっかけをつかみたい。
この日は4バックでスタートしたユナイテッド。ビルドアップから5-4-1で受けるバーンリーの攻略の糸口を探していく。
バーンリー目線で少し苦しんでいた感があったのは大きく動くブルーノとウガルテ。この2人が捕まらないことで高い位置からプレスを捕まえることができず。ただ、ユナイテッドもそこからの作りはややシンプル。サイドに枚数をかけて裏抜けをつくって奥を取ってはいたが、単純で相手からすると先読みがしやすい。
こうなると出し手と受け手の質が問われる感。ブルーノのようにわかっていても通せるパスの速さを持っているか、受ける側がドルグのように抜け出す速さを持っているかは欲しいところである。
ユナイテッドは非保持でも積極策。前からのチェイシングでバーンリーのビルドアップを阻害する。しかし、バーンリーが左サイドから進撃していくと、CB-SBのチェーンが切れたところからピレスがオウンゴールを誘発。失点自体は不運だったが、危うい状況を引き起こしたのは自己責任といえるユナイテッドの対応だった。
それでも少しずつ押し込むユナイテッド。左右からガンガンクロスとシュートを放っていくが、なかなかスコアを動かせず。ドゥブラーフカの奮闘もあり、試合はバーンリーのリードでハーフタイムを迎える。
後半、ユナイテッドは早々に同点。ブルーノのパスに反応し、相手の背中を取ったシェシュコがゴールを決めて追いつく。さらにセットプレーからチャンスを作るなど、ユナイテッドは攻勢を強めていく。
すると、またしてもゴールはユナイテッド。左サイドでウガルテのサポートを受けて抜け出したドルグからゴールを決めたのはシェシュコ。ついにユナイテッドは逆転に成功する。
しかし、このまま勝ち切ることができないのが今のユナイテッド。ぬるっとバーンリーにポゼッションを許すと、ライン間のアンソニーにミドルを決められる。ショウとマルティネスの間にきれいにエアポケットに入ってしまった感があった。
プレスからリズムを作ることができないユナイテッドはすぐに主導権を取り返せず。バーンリーも前から捕まえに行く元気はなかったため、試合はターン制のポゼッションとなる。
最後はツインタワーにレイシーのミドルと押し込んだユナイテッドがゴールに迫るが、1ポイントでOKと割り切ったバーンリーをこじ開けることができず。監督を変えても流れが変わらないユナイテッドは勝ち切ることができなかった。
ひとこと
時折圧倒的に重くなる守備がユナイテッドの気になるところ。
試合結果
2026.1.7
プレミアリーグ 第21節
バーンリー 2-2 マンチェスター・ユナイテッド
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:13’ ヘヴン(OG), 66‘ アンソニー
Man Utd:50’ 60‘ シェシュコ
主審:スチュアート・アットウェル
ニューカッスル【9位】×リーズ【16位】

CLチームの意地が見えた逆転勝利
守備に対してのスタンスは対照的だった両チーム。高い位置から捕まえに行くニューカッスルに対して、リーズは落ち着いて対応。3バックでニューカッスルのプレス隊に優位を取ると、3人目のCBがニューカッスルのWGを引き付けたところからサイドを縦に進んでいく形で主導権を握っていく。ニューカッスルのプレスにはかなりうまく対応できていた。
一方、非保持のリーズは慎重な入り。5-4-1のブロックを組むことでニューカッスルに押し込まれることを受け入れていく。ロスト後にはリーズのカウンターが待っていたが、アーロンソンに対してはマイリーが落ち着いて対応する入りとなった。
ポゼッションを高めるニューカッスル。非保持ではリーズの降りる選手にきっちりとチェックに行くなど、回収までがセットになっており、保持局面をキープする。
そのため、ボールを奪うにはどこかできっかけが欲しいリーズ。手段の一つである高い位置に出ていくプレスはそのまま先制点につながった。ティアウを咎めたところから、アーロンソンの独走からリーズは先行する。
しかし、すぐにニューカッスルは同点。ゴードン、ヴォルテマーデ、バーンズと3人がボックス内で続けて触ったところからゴールに結びつける。
だが、前半終了間際に再びリーズはリードを確保。厄日だったティアウがハンドを犯してしまうと、このPKをキャルバート=ルーウィンがゲット。勝ち越してハーフタイムを迎える。
後半、ニューカッスルはマイリーを中心にポゼッションからテンポを作り直す動き。彼がいる右サイドからニューカッスルは後半早々に同点。右サイドの奥を取ったところから、クロスを仕留めたのはジョエリントン。なかなか意味の分からない角度でヘディングを決めてリードを奪う。
試合はこれ以降もオープンな展開で推移。馬力で勝るニューカッスルは引き続き右サイドからチャンスメイクを敢行。シェアの負傷が大きな足かせになる可能性もあったかと思うが、マイリーがCBまで務めるという文字通り大車輪の活躍で何とかしていたのは驚きといえるだろう。一方のリーズも縦に速い攻撃の中で決定機を生み出すなど試合はかなりがっぷり四つの展開となった。
そんな中で先にスコアを動かしたのはリーズ。アーロンソンのカウンターで見事なゴールを決めてリードを再び奪う。
だが、5-4-1で受ける姿勢を見せるリーズに対してニューカッスルが猛攻。受けるチームにとっては不運ともいえるハンドでPKを献上してしまったリーズは同点に追いつかれる。
さらに攻勢を強めるニューカッスルは後半追加タイムにさらにゴール。振り向きざまのバーンズのシュートが決まり、土壇場で勝ち越し、90分以降の2得点でニューカッスルが3ポイントを積み上げた。
ひとこと
最後の馬力はCL出場チームの意地といえるだろう。
試合結果
2026.1.7
プレミアリーグ 第21節
ニューカッスル 4-3 リーズ
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:36’ 90+12‘ バーンズ, 54’ ジョエリントン, 90+1‘(PK) ギマランイス
LEE:32’ 79‘ アーロンソン, 45+5’(PK) キャルバート=ルーウィン
主審:マイケル・サリスバリー
アーセナル【1位】×リバプール【4位】

連戦の最後は疲労困憊
レビューはこちら。

2週間に渡るリーグ連戦もこの試合で終わり。首位のアーセナルにとってはさらに2位以下にリードをつけるために重要な試合となる。
序盤からはっきりしていたのはリバプールの守備のスタンス。アンカーはヴィルツとショボスライで管理、サイドではSBに対してガクポとフリンポンが徹底的についていくなど重心を下げてでもきっちりと相手についていくことを優先する対応とする。
保持においてもヴィルツ、ショボスライといったセンターラインが重心を下げながらボールを引き出していく。あくまできっちりとボールを繋いでプレスを回避することを前提。その分、ゴールエリアには人がいない状況ではあったが、この試合においてはそこはきっちりと割り切ろうというスタンスだった。
アーセナルはリバプールが中央にボールをつけるフェーズでボールをカットするシーンがあったが、この日はショートカウンターが冴えず。サイドの重心が低い関係で相手がなかなか幅を取れないという状況を活かすことができなかった。
サイド攻撃ではひたすら目の前の相手についてくるリバプールに対して右サイドから打開を探っていく。ケルケズを剥がすサカ、ハーフスペースに突撃するティンバーあたりが目の前の相手をどかすことができていた。だが、リバプールの守備陣の粘りにより、失点は回避。セットプレーも含めてボックス内をきっちり封じてスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半、リバプールは左サイドへのオーバーロードでフィニッシュまでの道筋を演出。単一ルートではあるが、ここからであればボックスの中にショボスライを置くことができるなど枚数を多少は準備することができていた。
保持においてリバプールは前半以上にやり直しを徹底。ちょっとでも詰まりそうであればやり直しを繰り返すことでラインを上げることができないアーセナルの守備をヤキモキさせる。さらには負傷交代に伴って登場したルイス=スケリーをフリンポンのスピードでつっつけばボックス内に入り込むことができる。
この間にもリバプールはミスからアーセナルにボールを開け渡すことがあったが、ここでも冴えないカウンターでの進撃が足を引っ張ることに。リバプールの守備での献身的な姿勢も相まってなかなか打開のきっかけを掴むことができない。
終盤はリスクを負って攻撃に打って出たアーセナルにやや試合が傾くが、最後までこじ開けることはできず。連戦の最後は互いの疲れとスカッドの限界を感じるスコアレスドローでの決着となった。
ひとこと
4連戦の終わりという感じの内容だった。
試合結果
2026.1.8
プレミアリーグ 第21節
アーセナル 0-0 リバプール
エミレーツ・スタジアム
主審:アンソニー・テイラー
今節のベストイレブン

