
フランクの前がかり采配の執念がATに実る
ここまで唯一の5連敗。最下位に苦しむウルブス。契約を更新したとはいえ、このままの状況が改善しなければペレイラ監督の首が怪しくなるのは確か。2試合連続で勝ち点を落とすことは避けたいトッテナムのホームでの一戦だ。
ウルブスはこの試合ではメンバーを大幅に入れ替えるだけではなく4バックにシフト。抜本的な入れ替えでチームの活性化を図る。保持ではドハーティがやや3バック寄りで左サイドを押し上げ。やや3-2-5のような形でのポゼッションを行っていく。
トッテナムはそこまで高い位置からのプレスはしてこないので、まずはゆったりとポゼッションができるウルブス。外循環気味の保持からボールを動かして打開策を探っていく。突破の可能性がありそうだったのは左サイドのヒチャンとウーゴ・ブエノの縦関係だろう。この2人でのワンツーが一番相手を置き去りにできそうだった。
逆にインサイドを経由して左右に振るアクションはリスクの方が大きい感じ。中央や対角のパスをカットされることでトッテナムにカウンターを許す場面も少なくなかった。
トッテナムも保持も概ね方向性は同じ。コンパクトに4バックで守る相手に対して、サイドからのワンツーで突破を図っていく。より相手を置いていけそうな力関係だったのは間違いなく、15分以降は相手を置き去りにできそうな場面はあった。特に右サイドのクドゥスとベリヴァルのコンビはオフサイドながらネットを揺らす場面もあったくらいであった。
それでもウルブスはなんとか粘り強く食らいつき、インサイドを使うことを許さないままトッテナムを外に締め出していく。15分以降は保持の時間が増えたトッテナムだが、その保持の時間にきっちり得点の可能性が増えていたかは微妙なところだ。
前半の終盤は逆にウルブスはセットプレーの機会が多かった。ラストのCKではファーのドハーティのシュートがポストを叩くなど、前半で最も惜しい場面を作る。だが、どちらのチームもネットを揺らすことはできず、試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半、動いたのはウルブス。アグバドゥとチャチュアを投入して5バックにシフト。非保持においては5-4-1をベースにしつつ、CHのスライドやシャドーの絞りなど変形しながらボールサイドへのアプローチ。その際に発生した歪みを解消するためにWBが前に出ていくことは容認されている様子で、時折4バックで守るシーンも見られていた。
狙いとしてはトランジッションでサイドから陣地回復をする形だろう。右のWBのチャチュアはその点での推進力を買われたところでの起用のように見えた。
そのチャチュアのドリブルから得たセットプレーでウルブスは先制点をゲット。サンチャゴ・ブエノのゴールが試合を動かす。これでウルブスは公式戦3試合連続の先制点となった。
ジョンソン、ポロの投入で攻撃のカラーを強めたいトッテナムだが、なかなかアタッキングサードの攻め筋は改善せず。逆にカウンターからウルブスはゴールに迫る場面を作っていくというトッテナムにとってはもどかしい状況となっていく。
さらにウドジェに代えてテルを投入し、3-4-3にシフトするトッテナム。バランスを大きく前に傾けた布陣で最後5分の突破を図る。なかなかボックス内に迫ることができなかったトッテナムだが、最終盤に執念が実り、パリーニャがインサイドキックでネットを揺らす。
土壇場に追いついたトッテナム。ウルブスは勝てなかったものの、連敗を5で止めることとなった。
ひとこと
連敗の中でトッテナムのホームで勝ち点を取れたというのは意義がある結果だが、まぁここまできたら勝ちたかっただろう。
試合結果
2025.9.28
プレミアリーグ 第6節
トッテナム 1-1 ウォルバーハンプトン
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:90+4′ パリーニャ
WOL:54′ サンチャゴ・ブエノ
主審:マイケル・サリスベリー