
オープン合戦で岡山がババを引く
ロングボールベースとなったのは岡山。お馴染みのルカオだけでなく、江坂もターゲットにすることで高い位置にポイントを作りにいく。
一方のC大阪はショートパスからの組み立て。個人的には岡山は非保持に回るととりあえず強引に噛み合わせてからのオールコートマンツーが前面に出ていた印象だったので、まずはリトリートベースという戦い方は意外だった。17分のオフサイドを取られてゴールが取り消しになったシーンのように、この日のC大阪のGKを含めたバックラインの組み立ては怪しいところがあったので、もっと積極的に狙っても面白かったようにも思う。ひょっとすると縦に速いところからのC大阪の破壊力を警戒したのかもしれない。
先に挙げたゴール未遂のオフサイドのシーンを逃れたC大阪は押し込むところから先制。見事にゴールネットに突き刺したとしか表現のしようがないルカオのオウンゴールでセットプレーからスコアを動かす。
このゴールで勢いに乗ったC大阪はハイプレスから一気に岡山のバックラインを詰めていく。ハイラインにおいてもルカオをきっちりと詰めていくことで自軍のターンをキープする。
岡山も徐々にプレスに慣れていくと左サイドから反撃。岩渕のトランジッション性能の高さで押し返すと、佐藤のオーバーラップがその攻撃に厚みを増していく。33分には佐藤の素晴らしいカットインからのミドルで同点となる。
このゴールのやや前から試合はかなりオープンな展開に。序盤の様子見というテイストが嘘かのように、ガンガンと蹴っ飛ばす様相を呈する。
その流れは後半も変わらず。DFの背後に両軍ともに蹴っ飛ばす形から一気に攻撃を仕掛けていく。オープンな展開のババを引いたのは岡山。ブローダーセンの飛び出しが一発退場につながってしまい、後半のほとんどの時間を数的不利で過ごすことに。
非保持の時間がどうしても多くなる岡山は5-3-1にシフト。しかし、ここぞとばかりに畳み掛けるC大阪の圧力にはそれでも屈してしまう。押し込むC大阪は中島の抜け出しからラインを下げると、最後はハットン。スムーズに勝ち越しゴールを奪い取る。
10人でも部分的には押し返す馬力を持った岡山は素晴らしい粘りを見せたが、後半追加タイムにはC大阪が試合を決める3点目を仕留めようと猛ラッシュ。なんとか凌ぐ展開が続く。
C大阪は3点目を決めることはできなかったが、リードはガッチリとキープ。試合は数的優位を生かしたC大阪が勝ち点3を手にした。
ひとこと
ワンプレーから大きく針が振れるオープン合戦っぽい戦い方だった。
試合結果
2025.10.18
J1リーグ
第34節
ファジアーノ岡山 1-2 セレッソ大阪
JFE晴れの国スタジアム
【得点者】
岡山:32′ 佐藤龍之介
C大阪:20′ ルカオ(OG), 63′ ラファエル・ハットン
主審:大橋侑祐