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「勝利以上のものが欲しくなる」~2025.10.1 UEFAチャンピオンズリーグ リーグフェーズ 第2節 アーセナル×オリンピアコス プレビュー

目次

Fixture

UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第2節
2025.10.1
アーセナル(7位/1勝0分0敗/勝ち点3/得点2 失点0)
×
オリンピアコス(21位/0勝1分0敗/勝ち点1/得点0 失点0)
@アーセナル・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去の対戦でアーセナルの6勝、オリンピアコスの6勝。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • 欧州で13回目の対戦となるカード。過去の12試合は互いに6勝ずつ。
  • アーセナルはミケル・アルテタ指揮の元でオリンピアコスと4回対戦(W2,L2)。PSV(6)のみが欧州コンペティションでこれよりも多く対戦をしている。オリンピアコスは19-20のELのRound32でアーセナルに勝利し、翌年のELのRound16でアーセナルがオリンピアコスに勝利した。
  • オリンピアコスは直近3試合のイングランド遠征で2勝(L1)。これはそれ以前の17試合と同じ勝利数。2勝のうち1つは2021年3月に1-0で勝利したエミレーツ。もう1つは2024年5月の4-2のアストンビラ。
  • アーセナルは直近5試合のCLのリーグフェーズで勝利。最長の連勝のランは2004-05の6連勝。
  • オリンピアコスは直近6試合のCLで1得点(D1,L5)。その間、51本のシュートと11本の枠内シュートを放っている。
  • 直近2シーズンのCLにおいてアーセナルはどのチームよりも1試合あたりの失点数が少ないチーム(0.72)。その間における被ゴール期待値は0.9でこちらも最小。
  • 直面した枠内シュートのxGを計算すると、ダビド・ラヤは昨季開幕からCLで最も多くのシュートをセーブしたGK(9失点、xG=14.8)。
  • ノニ・マドゥエケはCLの開幕節で最も多くのボックス内にボールをキャリーした選手(7)。キャリー距離の210mもジェレミー・ドク(285m)を除けば最も高い数字。
  • アヨブ・エル・カービはオリンピアコスの選手として出場した24試合の欧州大会で21得点。しかし、開幕節のパフォス戦では4つのシュートにもかかわらずノーゴール。チーム内で最もシュートを放ちながら無得点に終わった。
  • マルティン・スビメンディは開幕節で13のラインブレイクパスを記録。この試合における最多記録。自陣からラインブレイクパスを10本通したのも同じく最多。

予習

CL 第1節 パフォス戦

予想スタメン

展望

厳しい展望を予想できる開幕節

 開幕戦ではサン・マメスを攻略。2年連続のリーグフェーズのストレート突破を決めたアーセナルがホームの初戦として迎えるのはギリシャのオリンピアコス。近年はあまり対戦がなかったが、旧フォーマットの際にはそれなりに対戦経験があるチームである。

 ギリシャ・スーパー・リーグではここまで5戦無敗で首位。週末にはレバディアコスとの一戦で3-2で勝利。決勝ゴールは96分。ガブリエウがセント・ジェームズ・パークで仕留めたゴールと同じ時間に勝利を決める一撃を仕留めている。なかなか運命的なタイミングでの対戦となる。

 優秀な成績を残している国内リーグとは異なり、CLでは開幕節で苦戦を強いられた。新参者のパフォスとのホームゲームでまさかのスコアレス。70分ほど10人で対抗することとなった相手に対して、ネットを揺らすことができなかった。

 この試合が私から唯一今季のオリンピアコスを観察できる試合なのだが、結果の通りなかなか内容的にも渋いものだったのは確かだ。フォーメーションは4-2-3-1。2CBと2CHがビルドアップを担当。変形をしながら相手の1stプレスラインを越えにいく。後方からのキャリーもなくはないが、キャリーに呼応してインサイドが動き直すわけでもないし、キャリーした選手が高い精度のパスを差し込むわけでもない。

 ショートパスでの繋ぎはパススピードが遅くて不安定。本拠地にもかかわらず、パフォスに簡単にパスを奪われてしまうシーンは少なくない回数見られた。

 サイドの攻撃はSHとSB。縦関係をシンプルに使う形で2人で攻撃を完結。CFのエル・カービがサイドに流れてロングボールを引き出すこともあるが、そこから先の連携で3人目となることは稀である。クロスの精度も高いとは言えない。

 非保持においても4-2-3-1のオリンピアコス。中盤は相手を誘導する意識が高いのはわかるが、非常に入れ替わられる頻度が高く、簡単に相手を通してしまう。

 バックラインが晒されてしまうとラインはガタガタ。特に裏を取りながら体をぶつけることができる選手にあまり強くなく、ギョケレシュはかなり得意なタイプのチームなのかなと思う。

 こうした欠点は「10人のパフォス相手のホームゲーム」で見られたものであり、正直な話をすれば今後のCLにおける戦い方が心配になるようなパフォーマンスだった。もちろん、2週間の間に一変する可能性はなくはないが、パフォーマンスの改善がなければ厳しいリーグフェーズになるのは間違い無いだろう。

様子見よりは強襲で

 一つ落とせば難しくなるのがCLのリーグフェーズということはもちろんわかっているし、過去の戦績を見てもオリンピアコス側からすればアーセナルに苦手意識はない。そういう意味では当然油断はできない。

 その上で仮にオリンピアコスが第1節と同じ質のアプローチをしてくるのであれば、ホームであれば複数得点差で終盤は危なげない試合運びをすることが求められるだろう。それくらい勝たなければいけない試合という位置付けで良いと思う。

 バックラインは深さをとりながら、相手の中盤を引きつけつつ前進し、中央で相手と反転することができるスペースを作りたい。降りてきて反転からキャリーができるトロサールはこの点で相性がいいはずだ。

 独力でのラインブレイクのスキルを持っているマルティネッリも相性は良さそう。パフォスは10人の状態で延々と右サイド側からの裏へのランでラインブレイクに成功していたので、マドゥエケが帰ってくるまでは負担がかかるであろうサカをベンチに置いて、左にトロサール、右にマルティネッリのスタメンでもいいかもしれない。

 連戦が続いているギョケレシュも休ませたいところではあるが、裏に引っ張りながら相手を引きちぎるスタイルはとてもハマりそうなのでこの試合で見てみたいのが正直なところである。相手が前からプレスが通用するかを確認するところから始めるのであれば、とっととマルティネッリとギョケレシュに長いボールを入れて、スペースがある状態の攻略の手応えを確かめたい。

 ビルドアップに関してはあまりプレス耐性はなさそうでプレッシャーがない状態においてもショートパスのミスは少なくなかった。様子を見るよりはこちらも早い時間にバックスにプレスをかけて慣れる前にミスを誘いたい。

 プレータイムの管理とクリーンシートの2つのテーマは個人的には必須だと思う。エル・カービ、タレミといった経験豊富なアタッカーはいるものの、欧州の舞台ではまだエンジンがかかっていない様子。リーグ戦とは異なるバックラインで迎え撃ち、セカンドユニットも強力であることを示す90分にしたい。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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