
血の気が上がりバタバタの90分に
退場者が出てしまうなどやや不安定な嫌いがある直近のチェルシー。ストレートインをきっちり狙うためにもホームのアヤックスとの一戦は確実に手にしておきたいところだろう。
保持主体で入ったのはチェルシー。RSBがスタートポジションとなるカイセドは絞ったところからスタート。ラヴィアの隣に立ち、エンソをやや押し上げるイメージとなる。大外に立つのはエステヴァンとギッテンス。この2人が幅を取る形で深さを作り出していく。
WGからの横幅を使った仕掛けが基本となるチェルシーだが、時にはエンソ→グイウの抜け出しからチャンスを作るなど縦への動きもアクセントに。相手の意表を突くパスワークもできていた。
一方のアヤックスもショートパスからのポゼッションが主体。4バックが基本線なのだが、SBが内側に絞ったり、あるいはCBが列を上げたりなど移動しながらギャップを作る工夫が施されていた印象だ。
アタッキングサードでは右のWGのラウール・モロの突破からチャンスメイクにトライ。キレがあるドリブルから右のサイドを抉っていく。
保持面ではチェルシーが優位ながらもアヤックスも攻め手はありそうではあるという状況。その状況で折り合った試合のバランスを崩したのはアヤックス。テイラーの一発退場からFKを得たチェルシーはその流れから先制点を奪い取る。
数的不利に追い込まれたアヤックスは4-4-1でブロックを組むことを選択。チェルシーはここを勝負といわんばかり高い位置からのチェイシングをスタート。ハイプレスからボールを奪うと、きっちり左右で揺さぶりながら空いてくる場所を探りに行く。
チェルシーはカイセドのミドルで追加点。見事なミドルであったが、アヤックス側の飛び込むような守備は軽率。スライディングをするのであれば、せめて出元を消したかったし。シュートに合わせて飛んでしまえば、キーパーにとっては邪魔なだけだし、ボールは下をくぐってしまう。
アヤックスはホルダーを何とかしようという意識は感じるものの、あまりにタックルが粗削り。数的不利とはおよそ関係なさそうなところでPKを献上してしまう。チェルシーもそれに付き合う形でラヴィアのパスミス&飛び込みとアダラバイオの突撃からPKを献上。両チームともバタバタをしてはいたがやはり程度はアヤックスの方が上。ハーフタイムまでに4点を喫することとなる。
後半もどこか前半のバタバタとした流れを引きずってしまっているかのように見えたこの試合。ハーフタイムにプレータイム管理を意識した交代を行ったチェルシーが若年化し、個人での仕掛けが目立つようになったことであまり試合は落ち着く方向に向かず。アヤックスとの殴り合いを制して、後半の早々にチェルシーが追加点を奪う。
アヤックスも右サイドから10人でも加速するメカニズムを作り出し、チェルシーのバックラインをバタバタさせてはいたが、どうしても機会が限定的。交代のたびに若返り、交代のたびに個人プレイが増えていたチェルシーも若手に完全に投資することに残り時間を使うことを決めたのだなと思った。
最後はやや緊張感が薄めな展開となったが、ホームのチェルシーは完勝。ホームできっちりと勝ち点3を手にした。
ひとこと
ちょっと前半の試合の血の気がおかしいことになっていた。
試合結果
2025.10.22
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第3節
チェルシー 5-1 アヤックス
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:18‘ グイウ, 27’ カイセド, 45‘(PK) エンソ, 45+6’(PK) エステバン
AJA:33‘ ベグホルスト
主審:フェリックス・ツバイヤー
