
10人でなお見せた強さ
欧州の盟主対決と言える大一番。クラブW杯でも対戦した両チームがCLの舞台で再戦を果たす。
まず特徴的だったのはバイエルンの守備。ほとんどのセクションでマンツーマンでの対応。パリのポゼッションは特に中盤が大きな移動を行うのが特徴であるが、それに対してバイエルンの中盤の3枚はかなり原則を忠実に守るマンツーをしていた。
例外的な措置を取られていたのは後ろと前。デンベレは2人で見る形になっていたし、パチョは時折余らされていて、この辺りはきっちりとコントラストが作られていた感がある。
先制点はこのハイプレスから。中央に強引に差し込んだところをウパメカノにカットをされて一気に前進を許すと、縦パスを受けたニャブリがラストパスを流してディアスの先制ゴールをお膳立て。あっという間にリードを奪う。
パリは両サイドが散発的にハイプレスに対して背後を取るアクション見せるがなかなか機会を増やすことができず。25分にはデンベレが負傷交代をするなど流れが作れない状況が続く。ファストブレイクに関してはむしろバイエルンに手応えがある展開で、先制点をアシストしたニャブリが裏抜けから輝くという展開だった。
32分にはハイプレスをやり切ったバイエルンが追加点。またしてもディアスのゴールでリードを広げる。パリはマンツーマン気味にプレスを強めるが、バイエルンはこれもケインの列落ちのアクションから回避。ゴールに向かっていくところの頻度と切れ味でパリに差を見せつける。
順風満帆なバイエルンに襲いかかったのはディアスの退場というアクシデント。後半は一転してパリがボールを持ちながら押し込む展開に移行する。
バイエルンは4-4-1で構えつつローブロックを形成。想定外にノイアーに早く時間稼ぎの警告は出た感はあったが、中央ブロックの空中戦では簡単に破られないところと保持でも根性で押し返すことができていたという点で過剰にバタバタはしていなかった。
パリはボックス内に入っていくところでいい形を作れずに苦戦。ハキミがいない影響からか、奥行きを作れない苦しさがあった。そのため、攻撃はボックスの外からの狙撃が中心。ヴィチーニャなどミドルに腕の覚えがある選手たちが攻撃の軸となっていった。
右サイドからのクロスを押し込み1点を返したパリは残り時間5バックで逃げ切りを図るバイエルンをあれこれ使いながら攻略。ニアの抜け出しやファークロス、ミドルを組み合わせながらゴールに向かう。だが、さらなるゴールを積み上げることはできず。10人のバイエルン相手に45分で2点以上を奪うというパリに課されたミッションは失敗に終わった。
ひとこと
バイエルン、アクシデントがありながらも強さを感じる90分だった。
試合結果
2025.11.4
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第4節
パリ・サンジェルマン 1-2 バイエルン
パルク・デ・フランス
【得点者】
PSG:74’ ネベス
BAY:4′ 32′ ディアス
主審:マウリシオ・マリアーニ
