Fixture
プレミアリーグ 第7節
2025.10.4
アーセナル(2位/4勝1分1敗/勝ち点13/得点12 失点3)
×
ウェストハム(19位/1勝1分4敗/勝ち点4/得点6 失点14)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績

過去5年間の対戦でアーセナルの6勝、ウェストハムの3勝、引き分けが2つ。
アーセナルホームでの戦績

過去10回の対戦でアーセナルの8勝、ウェストハムの2勝。
Match facts from BBC sport
- アーセナルは直近2試合のホームのリーグのウェストハム戦に敗れている。3連敗を喫したのは1991-95年の1回だけ。
- ウェストハムはプレミアでアーセナルのアウェイゲームで3連勝する2つ目のチームになるチャンス。1つ目は6連勝を記録したマンチェスター・シティ。
- しかし、アーセナルは直近42試合のホームのリーグ戦で4敗しかしていない(W29,D9)。そのうちの半分はウェストハム(2023年12月、2025年2月)に喫したもの。
- ウェストハムはプレミアにおけるロンドンダービーで最も負けているチーム(134)。直近11試合のダービーでは11戦で8敗(W2,D1)。
- アーセナルは直近8試合のプレミアリーグで6勝。勝てなかった2つはリバプールとシティ。この間得た勝ち点は19でリーグで最も多い。
- ウェストハムは直近5試合のアウェイゲームで1敗のみ(W3,D1)。直近で得た勝ち点10は全てアウェイで得たもの。
- 直近14試合のアーセナルのプレミアのゴールのうち、9つはセットプレーから来たもの。7本のCK、1本のFK、1本のPK。ミケル・アルテタ指揮下での16.7%の得点はコーナーキックから(68/408)。プレミアの歴史において300ゴール以上決めた監督のうち、これより高い割合なのはトニー・ピューリス(21.9%)、ショーン・ダイチ(18.6%)だけ。
- ブカヨ・サカはこの試合がプレミア200試合出場となる。24歳29日での達成は7番目に若い記録。直近では2018年のラヒム・スターリング(23歳325日)以来の若さでの記録となる。200試合目のゲームで得点を決めたアーセナルの選手は2005年のクリスタル・パレス戦で2得点を決めたティエリ・アンリただ1人。
- ガブリエウ・マガリャンイスはアーセナルにおいてリーグ戦で18得点を記録。2020年9月の彼のデビュー以降、最も得点を決めているDF。全てがセットプレー由来のスコアラーとしてはプレミアで最も多く得点をとっている。
- ジャロッド・ボーウェンは直近12試合の出場で11得点に関与(8G,3A)。ボーウェンは公式戦のアーセナル戦で5得点を決めており、そのうち1つは昨季のエミレーツでのプレミアにおける決勝点となっている。
スカッド情報
- ガブリエウ・マガリャンイス(首)
- ガブリエル・ジェズス(ACL)
- カイ・ハヴァーツ(膝)
- ノニ・マドゥエケ(膝)
- ピエロ・インカピエ(鼠蹊部)
- アーロン・ワン=ビサカ(胸部/腹部)
- ジャン=クレール・トディボ(フィットネス)
- ジョージ・アーシー(ふくらはぎ)
- トーマス・ソーチェク(出場停止)
予習
第4節 トッテナム戦

第5節 クリスタル・パレス戦

第6節 エバートン戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望
過去に始まり、未来に終わる
鬼門となっていたセント・ジェームズ・パークで逆転勝利を飾り、課題を残しながらもエミレーツでのCL開幕戦にも勝利。充実の1週間を過ごしたアーセナルに10月の代表ウィークの最後の敵として戦うのは近年ホームで苦杯を舐めさせられているウェストハムである。
ウェストハムは前節からヌーノが就任。アーセナル目線からすると第4節で対戦するはずだったヌーノが直前で首になり、第7節にスライドした格好。代表ウィークに挟まれたこの1ヶ月はヌーノが過去に率いたチームとの対戦から始まり、彼がこれから作り上げていくチームとの対戦で終わることとなる。
まだ、ヌーノが指揮を取ったのは1試合だけ。傾向はこれから見えてくるだろう。だが、おそらくはロペテギ、ポッターと異なるアプローチをしつつポゼッションを植え付けようとした2人の指揮官とは異なり、ヌーノはソリッドでシャープなフォレストのチーム作りの再現をウェストハムで行う方向性になるのではないか?という予測が立つ。
前節は4-5-1のコンパクトな守備で相手に持たせながらの時間を作っていた。中盤の5枚はかなりフラットな陣形でイメージとしてはニューカッスルに近い。相手のサイドの旋回にはマンツー気味についていくところや、危険人物(前節で言えばグリーリッシュ)に対しては流れの中でダブルチームにつくというところもニューカッスルに通ずるところがある。
ハイプレスに移行し、中盤が前への意識が強まるようになるとアンカー脇にはボールを差し込めるようになる。こうなるとアンカーを務めたマガッサのポジションのフリーダムさは保持側としては活用しやすい。アーセナルがリードする状況などになれば中盤に差し込む際の狙いは楽になるだろう。
保持においては2CBに加えて3人目となる選手が加わっての3枚でのビルドアップが中心。エバートン戦ではRSBのウォーカー=ピータースか右のIHだったフェルナンデスが最終ラインに落ちるケースが多かった。イメージとしては左サイドの片上げだろう。相手がエバートンということもあり、簡単に蹴ってしまうとテンポを手放してしまう感もあり、その分ゆったりとボールを動かす節があった。
片上げで高い位置に押し出してもらっている左サイドの面々は絶好調。サマーフィルはスピードに乗った状態であれば何人かかってきても止められないくらい今の状態は上々。スーパーサブからスターターに序列を上げて、監督が代わった前節もスタメンを飾っている。
その外を回る形が多いディウフもプレミア初挑戦ながら逞しいことこの上ないパフォーマンス。縦に推進力を見せつつ、高いクロス精度も併せ持っており、守備でも大穴を空けることはない。20歳とは思えない完成度でウェストハムの左サイドの完成度を高めている。昨季終盤にボーウェンが孤軍奮闘していた右サイドに、左サイドの縦関係の武器が備わりつつあるのはヌーノにとっては朗報だろう。
「そこにいるべきではない人」がアクセント
きっちり構えるニューカッスルを攻略するイメージがウェストハム攻略には必要である。スピーディに攻略できれば、アジリティの面では優位に立てるアーセナルは問題なく攻め切ることができるはず。
押し込むフェーズにおいてはサイドの旋回にスパイスを加えることでメカニズムを壊したい。マンツー主体で旋回にもついていくというウェストハムのスタンスを壊しにいくには、そこにいないはずの人を登場させるのが一番。右のIHが基本的なポジションであるウーデゴールを左サイドに置きながら相手に対策を打たせるのが面白いように思う。
ウーデゴール自身が左サイドで手応えのあるパフォーマンスを見せているというのもこのプランの後押しとなる。直近2試合でいずれも背後を取るパスから決定的な局面を演出しており、左サイドの攻略に一役買っている。常時ではなくたまに顔を出すだけでも効果はあるはずだ。
サマーフィル、ディウフのラインを警戒するのであれば、ネガトラに備えてウーデゴールを動かさずに立ち位置を守らせるというプランはありだろう。その場合はWGにダブルチームを惹きつけられる引力があるか?が重要になる。
この点ではおそらくサカが最も有望。となると浮きやすいのはティンバーなので、彼がボックス内にフリーで侵入する形は比較的想像しやすい。流れの中での攻撃参加で存在感を発揮しているSBにはこの試合でも一仕事を期待したい。
もちろん、左WGがサカと同じように2人を引きつけられるのであればカラフィオーリにも同様のチャンスは訪れることになるだろう。ボックス内に入っていってラストパスとなるクロスや長いレンジのシュートを積極的に狙う準備はしておきたいところだ。
非保持においてはやはり攻撃の起点となる両サイドの縦関係を抑えたいところ。縦へのシャープさで勝負するサマーフィル&ディウフのサイドと、低い位置からボールを触りつつ加速するボーウェン&ウォーカー=ピータースのサイドでは対応策が異なる。
アーセナルの左サイドのローテーションの守備はオリンピアコス戦の大きな課題。ボーウェンはもちろん、触った後に動き直しでボールを受ける動きに長けているウォーカー=ピータースをきっちりと抑えるプランも準備したいところだ。
中2日が続き、課題を直す時間はなかなかできないだろうが、引いて受ける時はきっちりとメリハリをつけてスペースを埋めるという仕事はこれまでのアーセナルでは問題なくできていたこと。ミッドウィークの課題を克服し、いい形で10月の代表ウィークを迎えたい。