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「先週と同じ」~2025.11.8 プレミアリーグ 第11節 サンダーランド×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第11節
2025.11.8
サンダーランド(4位/5勝3分2敗/勝ち点17/得点12 失点8)
×
アーセナル(1位/8勝1分1敗/勝ち点25/得点18 失点3)
@スタジアム・オブ・ライト

戦績

過去の対戦成績

 過去10回の対戦でアーセナルの8勝、引き分けが2つ。

サンダーランドホームでの成績

過去10回の対戦でサンダーランドの2勝、アーセナルの5勝、引き分けが3つ。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • 2009年11月の1-0でのホームでの勝利を最後にサンダーランドは直近15試合のプレミアでのアーセナル戦で未勝利(D5,L10)。
  • アーセナルのプレミアでのサンダーランド戦の3つの敗戦はすべてアウェイでの1-0のスコア(1997年1月、2000年8月、2009年11月)。プレミアにおける16回のスタジアム・オブ・ライトの遠征で複数失点を喫したことはない。
  • プレミアにおいてサンダーランドはその日の初めにトップ4にいたチームに対して直近23試合で勝ちがない(D7,L16)。最後の勝利は2014年に2位にいたチェルシー。首位のチームに対しては2012年1月のシティ戦の2-1が最後。
  • アーセナルは直近5試合のプレミアで連勝中。2024年4-8月の8連勝以来の長い連勝のラン。4試合連続無失点中で、5試合連続になれば1987年9-10月のジョージ・グラハム以来のこと。
  • サンダーランドはここまで18ポイントを稼いでおり、10試合終えた時点での昇格組の勝ち点としては08-09のハル・シティ(20)以来最も高い数字。
  • アーセナルはCKから今季リーグ戦で8得点を決めており、10試合を終えた時点でのゴール数としては最多。22-23以降のアーセナルはCKから51得点を決めており、同時期において他のどのチームよりも少なくとも14得点以上決めている(2位は37得点のトッテナム)。
  • アーセナルは今季被枠内シュートが19でリーグ最少。直近4試合では1のみ。1試合平均で言えば1.9本であり、Optaが集計を始めた2003-04以来で最も少ない数字。
  • 今季のプレミアを試合展開ごとに分けた時に、もっとも多くのxGを叩きだしている状況はアーセナルが引き分けている状況(+5.70)と勝っている状況(+5.17)。また、今季のアーセナルはリードをしている時にまだ失点はしておらず、リードをしている状況から8得点を獲っている。より多く得点を挙げているのはシティ(10)だけ。
  • グラニト・ジャカはアーセナルでの2016-23の間に225試合に出場。そのうち113試合はミケル・アルテタの元での試合。先週末のエバートン戦でサンダーランド初ゴールを挙げており、2023年3-4月以来初めての2試合連続ゴールを狙う。
  • ヴィクトル・ギョケレシュが今季プレミアで挙げた4つのゴールの内、3つは昇格組相手の試合で決めたもの。この2試合においてギョケレシュは4本のシュートを3得点に変えている。昇格組以外との試合に対しては16本のシュートで1得点。

スカッド情報

Sunderland
  • オマル・アルデレーテ(頭部)
  • ハビブ・ディアラ(鼠蹊部)
  • ロメイン・マンドル(もも)
  • デニス・サーキン(手首)
  • アジ・アレーゼ(肩)
  • レオ・イェルデ(脚)
Arsenal
  • ヴィクトル・ギョケレシュ(筋肉?)
  • ケパ・アリサバラガ(打撲)
  • ガブリエル・ジェズス(ACL)
  • カイ・ハヴァーツ(膝)
  • ノニ・マドゥエケ(膝)
  • マルティン・ウーデゴール(MCL)
  • ガブリエル・マルティネッリ(筋肉?)

予習

第8節 ウォルバーハンプトン戦

第9節 チェルシー戦

第10節 エバートン戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

サンダーランド最大の強みは?

 魔の11月になってもここまで連勝を続けているアーセナル。負傷者が多く、アウェイ行脚という形に環境が変わってもなんとか結果は出し続けている。今節の相手はサンダーランド。上で示したようにスタジアム・オブ・ライトではアーセナルは優勢ではあるが、今季の勢いがある状態ではデータがアテにならない怖さがあるのも確かだ。

 サンダーランドは開幕からはしばらく4バックで組んできたが、ここ2試合は5バックでスタート。第7節のユナイテッド戦でこれでもか!というくらいに3バックに対して構造で殴られた感があったので、5トップ的に振る舞うチームに対しては噛み合わせるような配置を意識しているのかもしれない。

 4バックの際にはIHがバックラインに出ていく形で重心を前に傾けていたが、5バックにシフトしてからはある程度バックラインにプレスをかけるのは優先度が下がっている。直近のエバートン戦ではほぼ相手のCBに自在にボールを持つことを許容する形であった。

 ただ、ポテンシャルとしてはハイプレスでもローブロックでも振る舞えるチームだと思う。CBのアルデレーテ、バラードのコンビは非常に強固。アルデレーテはリーガでは暴れん坊という触れ込みがあったが、プレミアにおいては激しさがむしろリーグの強度に慣れるための手助けをしていた印象だ。前向きな潰しからカウンターへの移行という形でプレミアのチームらしい縦への鋭さを表現するために大きな働きを果たしている。

 ユナイテッド戦での不出来はSBのヘイニウドが欠場した穴を埋められなかったというのが大きな要因だったが、その点もムキエレの投入で今は解決。CBに入ることもできるムキエレは5バックシフトにフレキシブルに対応するためのキーマン。そして、ロングスローのスローワ―としても貴重。試合を追うごとにサンダーランドの中で存在感を増していっている。

 各キャストが揃っているバックラインは引いて受ける形も強固。簡単には壊れずに耐えることができる我慢強さがある。個人的にはこの我慢強さがこのチームの躍進の理由だと思う。これまでの昇格組は尖った持ち味でどこ相手でも対抗できる分野がある特色の強いチームが躍進する傾向が多かった。

 サンダーランドはそうしたチームとは一線を画しておりいい意味で普通。プレス、ローブロック、後述する保持局面でもどれも一定の水準を見せることができており、苦手な分野がない。

 そして、悪い時間でも踏ん張ることができるのが強み。自分たちの流れにならずとも耐えて、相手のミスを逃さずに反撃の隙を伺うことができる。後半は押しこまれる時間が続きながら、ロングカウンターをきっちり仕留めたチェルシー戦は彼らの強みが生きた展開だろう。

 保持においては2CHのうち、右のCHに入っているジャカがアンカーの位置にスライドし、中央に陣取っていく。左サイドは可変成分が多く、サディキとヘイニウドを軸に縦方向に位置関係を変えながら奥行きを取って勝負をしていく。サイド攻撃に関してはGKを経由しながら何度も景色が良くなるまでやり直すのが特徴で簡単に長いボールを蹴るケースは少ない。

 右サイドはどちらかといえば立ち位置を守る傾向が強く、大外の幅取り役が1人、ライン間で反転できるトップ下が1人という割合だったが、5バックになってからはトップ下が空位になるので、押し込めている時以外はこの位置に入る人はいないケースが多い。定点攻撃において破壊力は落ちている印象だ。

 ただ、繰り返しになるがあまり大きな穴はなく、粘り腰があるチームだ。ホームであればその傾向は強まる。ル・ブリ監督が作り上げたチームはアーセナルのアウェイ3連戦の締めに立ちはだかる強敵といえるだろう。

メリーノCFは相性が悪い可能性も

 この週末を乗り切れば負傷者が帰ってくる目途が立つはずという望みをかけながらアーセナルはアウェイでの3連戦のラストゲームに臨むことになるだろう。基本的には先週末のメンバーからトップをギョケレシュ→メリーノにスイッチしたスターターでこの一戦に挑むことになるはずだ。

 トップに入ったメリーノはスラビア・プラハ戦で2得点と活躍。特にゴール前の動き出しに関してはストライカー顔負けのセンスであり、合わせた際のフィニッシュも精度が高い。ここに関してはサンダーランドのような5バックで構えてくるチームに対しても有効打になるだろう。

 その一方でロングボールの収め先としては不安が残るのも確か。スラビア・プラハ戦では引いて受けるアクションからギャップで浮くことで中央の起点として機能性を見出す土俵に持ち込んでいたが、バックスに潰し切る意識が高いサンダーランド相手ではメリーノが降りても、相手のCBがついてきて潰されてしまい、カウンターを食らうケースが出てくるかもしれない。

 かといって奥行き勝負では少し分が悪く、この点はCFをメリーノで運用する難しさでもある。後方からボールを運びボックス内勝負に持ち込みやすい5-4-1で相手が来てくれた方が、CFに前進の負荷をかけることなく押し込むことができるためもしかするとやりやすいかもしれない。今のアーセナルであれば押し込む際のセットプレーでの期待値も高いので、なおさら低い負荷で押し込める形は魅力的なように思える。

 保持における有効打を見つけられるまでに踏ん張ることができるバックラインは今のアーセナルの強み。サイドに振って幅を取る攻撃をしかけていくサンダーランドは抑えにくい相手ではあるが、SBの対人強度とSHの献身性にCHの運動量をかけ合わせられる今のローブロックであれば簡単にピンチは迎えないはず。

 先週のプレビューと同じく、中盤からの強引な縦パスで前向きな矢印でカウンターを打たれる形が一番の警戒ポイント。スビメンディの縦パス、降りてくるエゼに加えて、相手がついてくることが予想されるメリーノも要警戒だ。

 気を付けるポイントが先週と同じということはそれ以外の部分はきっちりと行き届いているサッカーができているということでもある。先週と同じ要点を抑えながら、アウェイ連戦の最後を飾り、気持ちよく代表ウィークを迎えたい。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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