Fixture
カラバオカップ
Round 16
2025.10.29
アーセナル
×
ブライトン
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績

過去5年間の対戦でアーセナルの5勝、ブライトンの3勝、引き分けが3つ。
アーセナルホームでの戦績

直近10試合でアーセナルの4勝、ブライトンの4勝、引き分けが2つ。
予習
第7節 ウォルバーハンプトン戦

第8節 ニューカッスル戦

第9節 マンチェスター・ユナイテッド戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望
パブリックイメージから離れた素材勝負
代表ウィークに挟まれている1ヵ月を分割するとざっくりとリーグ→欧州カップ→リーグというセットを2回繰り返す構成となっている。1セット目と2セット目の間に入り込む代表ウィークの中盤地点がこのカラバオカップ。10月はRound16のゲーム。アーセナルはホームにブライトンを迎えての一戦だ。
今季ここまでのブライトンはリーグ戦では9戦3勝。3つの勝利の内訳はマンチェスター・シティ、チェルシー、ニューカッスル。トッテナムにも引き分けており、4試合のCL組との対戦ではここまで無敗。だが、それ以外のチーム相手には振るわず、順位的には2桁に位置しているというのが今季のブライトンだ。
個人的な印象を述べればブライトンはかなりパブリックイメージから離れたチームになりつつあるなと感じている。配置や仕組みで勝負しつつ、大外を中心に仕上げられるキャラクターが後方から作り上げた貯金を得点に変えるというのが従来のイメージ。
だが、今は前線がギャップを作るところから仕上げるところまでやってもらおう!というイメージ。時間をもらう側の方が中盤はひょっとするとうまいかもしれない。
まずは両翼。三笘は今季は無理が効かないパフォーマンスに終始しており、現在はベンチ外が続いているが、逆サイドのミンテは大暴れ。加速さえできればボールを持っていようが、持っていまいが試合の流れを無視した抜け出しから強引にチャンスを作ることができる。チームが押し込まれていてもその文脈とは関係なくチャンスを作ることができる存在だ。
三笘の離脱も相まって、ややミンテに負荷がかかっている状態が続いていたブライトン。だが、徐々にセンターラインがこうした状況の打開に成功。ラターが中央の狭い位置での反転でインサイドの起点として機能するように。フィニッシャーとして湿りがちだったウェルベックも徐々にゴールが出てくるように。
個人が何とかするという性質が強い今のブライトンのチームスタイルを考えれば、前線の起点をいくつ作れるかは死活問題。そういう意味ではセンターラインが徐々に固まってきたのは悪くはない。
非保持においては高い位置から奪いに行く意欲はあるものの、バックスのアジリティや対人強度はファン・ヘッケを除けばそこまで高くないため、スタイル的にはミスマッチの側面もある。ユナイテッド戦はそのアンバランスさが逆噴射してしまった印象で、噛み合わせるように人基準で守りに行ってはいたが、前はあまり熱心に捕まえに行かない一方で、後方で数的優位を確保しているわけではないというマンツーのしんどいところを煮詰めたような守り方をした結果、クーニャ、エンベウモ、シェシュコにやりたい放題をされてしまった。
こうなると相手のアタッカー陣に対して対人能力が上回れるか?でしかない。攻撃でも守備でも素材で勝負し、相手を上回れるかどうかがそのまま結果に直結している感がある。もっとも、CL組を破っているのだがら、その状態でプレミアで勝負できるスカッドであるということは証明しているわけでもあるのだが。
総入れ替えも視野に入れたい
勝敗を考えるうえで重要なのはまずはこの試合にどこまでリソースを注ぐかだろう。アーセナル的には明らかにここは息をつくタイミングのように思う。もっとも、それでも昨今のアルテタは主力を完全休養させるケースは少なく、ある程度のプレータイムを与えながら調整をかけるイメージである。
だが、今回の場合は週末のパレス戦で程度のわからない負傷を抱える選手が多くいた。そのため、彼らは完全休養となる可能性もあるとなると、起用可能な選手の負荷は高くなる傾向にあるかもしれない。
ブライトンも欧州カップ戦はないとはいえ、かなり主力に負荷はかかっている状態。特に三笘がいない状態で負荷が高まっているミンテや実質代えがいないCB陣をどのように運用するかは重要だ。
ただ、ブライトン側は誰が出てくるとしても基本的には個で勝負するという素材型の座組は大きく変わらないように思う。それであればアーセナルはまずはプレスを引き寄せつつ前線の個で勝負したい。特にロングカウンターで裏を取ることができるマルティネッリの存在は大きいはず。ここで起点を作れればヌワネリやダウマンといった選手たちがスターターでも無理なく持ち味を発揮できるかもしれない。
大幅な入れ替えが予想されるのはバックライン。個人的には総入れ替えでルイス=スケリー、インカピエ、モスケラ、ホワイトの4枚で先発を組んでも問題ないと思う。前がかりにプレスに来るであろうブライトンをまずいなすことができるか、そしていつもと違うメンバーが想定される中でミスが出てきたときのカウンター対応で仕留められるかという点は非常に重要。
ブライトンは誰が出てきても前線の力はあるチーム。直線的な攻撃に対してメンバーを入れ替えたDFラインがどこまでの耐久性能をキープできるかは非常に楽しみ。本当の意味で層が厚いのかどうかを試される代表ウィークまでの「中間地点」となるだろう。
