
良くも悪くも十分な強度で完勝劇をクローズ
立ち上がりに積極策を見せるのはボリビア。まずはGKまでのプレスを仕掛けていく。だが、日本は高い強度の展開はウェルカム。中盤の遠藤のボール奪取から鎌田→小川の決定機を生み出すなど、上手くボリビアの流れに乗る。
先制点もこの流れから。小川の決定機と同じく遠藤のボール奪取から右サイドの裏を取るところまで持って行くと、折り返しを仕留めたのは鎌田。左足を思い切り振りぬいた一撃でリードを奪う。
ボリビアは先制点以降も縦に速い攻撃を使う。中央に縦に長いパスを差し込めればチャンスになりそうではあるが、ガーナ戦に続いて谷口の迎撃は好調。中央の防波堤として君臨する。
同じCBとして配球で目立ったのは瀬古。バックドアで背後を取るパスを出したり、サイドから中央に斜めのパスを差し込んだりなどあまりイメージにない形からチャンスメイクに貢献する。結局のところ、日本の後方のビルドアップに対してボリビアが前の6枚で対抗できるかが重要だったので、配球力が有望なCBや背後を取る南野、前を向ければ裏を取れる鎌田など前進するピースをきっちり持っていることに大きい意味があった。
鎌田は30分のパスミスからピンチを簡単に招いてしまったところはあるが、それ以降のプレー選択は非常に安定。ゆったりとしたポゼッションからボリビアを押し込み、前進のきっかけを阻害。安定したプレーで試合をコントロールする。
後半も日本は優勢。シャドーが主導するハイプレスから相手を追い込みつつ、速いテンポから試合を作っていく。前を向いた選手が出てくればライン間に差し込み、そこからターンで裏を狙うというスピーディーなスペースからガンガン敵陣に進んでいく。
速い展開の副作用として跳ね返ってくるカウンターも迎撃の強度は十分。互いにカウンターの局面を仕留めきれない状況が続いていく。
足りない一押しを交代で引き寄せたのは日本。3枚交代から一気に流れを変える。中でもシャドーに入った中村は存在感が高かった。切れ味豊かなドリブルだけでなく、大きな展開から相手を牛耳っていく。
その中村が左のハーフスペースに飛び込んだシーンから追加点。折り返しを町野が仕留めてリードをさらに広げる。
さらに追加点を決めたのは中村。深さを作ったのは上田。駆け引きから裏抜けとマークはずしと同時に完結させると、折り返しを見事に中村が仕留める。
親善試合ということもあり、最後の最後まで攻め切る姿勢を見せた日本。交代選手が高い位置からプレスにいきながらワンサイドでクローズするというガーナ戦と同じ光景で完勝劇を締め括った。
ひとこと
強度も十分。ただ、親善試合っぽい試合のクローズをやっていることが最終的にどこに着地するかは気になるところでもある。
試合結果
2025.10.14
国際親善試合
日本 3-0 ボリビア
国立競技場
【得点者】
JPN:4′ 鎌田大地, 71′ 町野修斗, 78′ 中村敬斗
主審:フー・ミン
