■やらせじゃないだろうけど!
CLの組み分けは毎年「やらせなんじゃない?」と思いたくなる組み合わせを導き出すことがある。そういう意味で今季最大の「やらせなんじゃない?」と思いたくなるグループステージの組み合わせは早くもハーランドとドルトムントの再会を演出したことと言えるだろう。
立ち上がり、ペースを握ったのはホームのマンチェスター・シティ。早い段階で前線につけてとりあえず押し下げる立ち上がりになる。この辺りは早い攻撃に対するドルトムントの対応を様子見しているのかもしれない。
ドルトムントの対応は落ち着いていた。バックラインで跳ね返すのはもちろん、ボールを保持しての反撃も問題なくできていた。プレスをかけられたことに対しても、ショートパスを繋ぐことをきっちりこなし、ボールを回しながら中盤のエムレ・チャンから大きなパスでサイドの展開するなどの脱出もレパートリーに。
プレスがかかり切らないシティは時間が経つとある程度バックラインにボールを持たせる形に落ち着く。よって、ドルトムントが大きな展開をしたとしてもシティのWGの戻りが間に合っているためエリアに迫ることができず。
一方でドルトムントがボールをロストした場面も戻りが早く、シティはスピードアップをすることができない。早い攻撃が難しいシティはバックラインからのボール回しからチャンスを伺う。縦にパスを刺して、相手に中を意識させた後、大きな展開でサイドに渡しそこから1on1で仕掛けていく。この辺りはマフレズにはもってこいの展開。ハーランドにあと一歩でアシストとなるボールを送るなどあわやというシーンは作れていた。
ここまでの経過を見てもわかるように、比較的トランジッションの頻度が少なく膠着気味の展開の前半となった。後半もほとんど同じような構図。シティはボールを持ちながら攻め手を探っており、ドルトムントは保持で押し返す。ドルトムントはロングカウンターからも反撃を伺っており、開始直後のロイスの決定機はドルトムントにとっては決めておきたかったところだ。
ハーフスペースの裏抜けを使いながらエリアに迫っていく機会を増えすシティの方が徐々にゴールに近づいていく感じを見せているが、先制したのはドルトムント。セットプレーから抜け出してきたベリンガムが貴重なゴールを決めて均衡を破る。
劣勢になったシティは更なる攻勢を強めてエリア内に迫っていく。ドルトムントは5-4-1にシフトし、自陣をきっちり固める形にシフト。だが、その自陣ブロックを外から打ち抜けるのが真の強いチームである。ストーンズのミドルが押し下がったドルトムントのブロックを打ち抜き、同点に追いついていく。
そして、仕上げはもちろんこの男。因縁のカードは因縁を生み出した男によって幕を閉じられるのである。カンセロの左サイドからのクロスを合わせたのはハーランド。これ以上ないアクロバティックな形でゴールにねじ込み逆転ゴールを生み出す。やらせではない組み分けなのだろうけど劇的な展開だ。ノーセレブレーションできっちり礼儀も弁えられてしまえば、ドルトムントファンからすると恨みをぶつけようもないという感じである。
停滞した展開、後半に背負ったビハインド。決して楽な展開ではなかったシティだが、オーダー通りきっちり逆転勝利をゲット。2連勝で勝ち点を順調に積み重ねている。
試合結果
2022.9.14
UEFAチャンピオンズリーグ
Group G 第2節
マンチェスター・シティ 2-1 ドルトムント
シティ・オブ・マンチェスター・スタジアム
【得点者】
Man City:80‘ ストーンズ, 84’ ハーランド
DOR:56′ ベリンガム
主審: ダニエレ・オルサト