Fixture
プレミアリーグ 第15節
2025.12.6
アストンビラ(3位/8勝3分3敗/勝ち点27/得点20 失点14)
×
アーセナル(1位/10勝3分1敗/勝ち点33/得点27 失点7)
@ビラ・パーク
戦績
過去の対戦成績

過去10回の対戦でアストンビラの4勝、アーセナルの5勝、引き分けが1つ。
アストンビラホームでの成績

過去10回の対戦でアストンビラの3勝、アーセナルの6勝、引き分けが1つ。
Match facts from BBC sport
- 2019年の昇格以降、アストンビラは12試合のアーセナル戦で5勝(D1,L6)。それ以前の45試合と同じ勝利数。
- アーセナルにとってビラ・パークはセルハースト・パークに並びプレミアで15勝と最も勝利しているスタジアム。
- 2019年の昇格以降、その日のリーグ戦を首位で迎えたチームとの対戦は8戦で6敗。しかし、唯一の勝利が2023年12月のアーセナル戦。
- 昨季、このカードに敗れ手からアストンビラはプレミアでのホームゲーム25戦で1敗のみ(W16,D8)。8月のパレス戦の敗戦以降、直近5試合のビラ・パークの試合で勝利。
- アーセナルは直近21試合のプレミアのアウェイゲームで1敗だけ(W11,D9)。唯一の敗戦は8月のアンフィールド。直近3試合のアウェイでの敗戦は全て無得点で得点を挙げているアウェイゲームでは30戦無敗(W21,D9)。
- 今季のプレミアのアウェイでの13得点のうち8点はヘッダーによるもので、直近9試合では6得点。一方で、アストンビラが今季ホームで喫している失点は6つ中4つがヘッダー由来であり、現在は3失点連続でヘディングで仕留められている。
- 3月以降、プレミアで16勝を挙げておりシティと並んで最多。直近9試合のリーグ戦で8勝を挙げており、11月のリバプール戦を除いで全勝。
- アーセナルは直近108試合の公式戦で失点が2より多いことがない。2016-2018年にシティが記録した107試合の同記録を上回り、英国フットボール記録。
- 100試合のアウェイゲームを経験したプレミアの40人の指揮官のうち、ミケル・アルテタは4番目に高い53%の勝率を誇っている。100試合を超えた時点で勝率が半分以上の監督はペップ・グアルディオラ、アレックス・ファーガソン、ユルゲン・クロップ、ジョゼ・モウリーニョのみ。
- オリー・ワトキンスはブライトン戦で2得点を挙げて、それ以前の18試合のプレミアでのゴール数と同じ。プレミアでのアーセナル戦では6ゴールを決めており、これより多いのはブライトン(9)だけ。
スカッド情報
- エミリアーノ・マルティネス(背中)
- タイロン・ミングス(大腿部)
- ロス・バークリー(膝)
- レアンドロ・トロサール(脚)
- クリスティアン・モスケラ(足首)
- ウィリアム・サリバ(打撲)
- デクラン・ライス(ふくらはぎ)
- カイ・ハヴァーツ(膝)
- ガブリエウ・マガリャンイス(鼠蹊部)
予習
第12節 リーズ戦

第13節 ウォルバーハンプトン戦
準備中
第14節 ブライトン戦
準備中
今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望
結局は中央次第
先週の日曜日にスタンフォード・ブリッジで行われた一戦はそのタイミングで最もリーグで連勝を重ねていたチェルシーが相手。捨て身でかかってきたチェルシーをなんとか食い止め、アーセナルは彼らの連勝を3で止めた。
それから1週間。土曜のランチタイムに行われるのはビラ・パーク遠征。対戦相手は「最もリーグで連勝を重ねている」アストンビラ。アーセナルは2週連続で週末を最も好調なチームの本拠地に乗り込む形で過ごすこととなる。
開幕からしばらく未勝利が続いていたアストンビラ。だが、9月末のリーグ戦初勝利を皮切りに一気に3位まで浮上。綺麗なV字回復を見せている。
大きくメンバー構成が変わっているわけではないのだが、ややチームとしてのバランスは変化している印象。ビルドアップは3-2-5が多かったが、今は後方の3のうちの1枚をGKが担当し、SBは大外でやや高め。WG化というほど高くはないがビルドアップへの関与は控えめだった。
その分、SHはインサイドに絞る形に。WGがいないことを逆手に取り、インサイドのコンビネーションからボールを動かしていく形を狙っていく。結局のところ、アストンビラの攻撃はこのインサイドのコンビネーションを有効化できるかどうかにかかっている。
そういう意味ではビルドアップを統制できるカマラ、トーレス、マルティネスが健康に試合に出ていることは復活の要因。それに加えて、鋭さをメキメキ取り戻しているモーガン・ロジャーズがインサイドの攻撃のキーマン。彼のドリブルで目線を惹きつけて周りの選手をフリーにする、もしくは剥がして壊していく形はアストンビラの大きな武器。多少体を当てられてもびくともしない強さが復活した今は守備側にとって捕まえにいくことが逆効果になり得るくらいには怖い存在だ。
エメリを悩ませるのは最前線の人選だ。直近の流れで言えばコンスタントに結果を出しているマレンだが、ミッドウィークのブライトン戦ではワトキンスが2得点と好調。上下左右に相手を引っ張りながら起点になるなど、組み立て局面でも勢いを取り戻しており、ここまで1得点という苦しみのシーズンに復活の兆しを見せている。マレンも交代直後にゴールを決めるなど、最前線はエメリにとって嬉しい悩みの種になっている。起点を作れるワトキンスか、それとも浮いた時に加速できてフィニッシュまで見えるマレンか。どちらを選ぶかで雰囲気は変わってくる。
基本的にはアストンビラは静的に構造を活用するタイプのチームだが、非保持においては今季は勢いのいいハイプレスから強度で相手と渡り合おうとする傾向が強い。CBとGKに枚数を合わせるプレスはしないが、サイドの追い込んだ時のアクションは積極的で構造を崩しながら前がかりに攻めることも多い。こうした動的成分で守備からもリズムを作れるようになったことは成績好転の一因と言える。
対角か乗っかるか
アーセナルのここから先のスケジュールを見渡してみると、次のミッドウィークにはバイエルン戦の勝利で8強入りにリーチをかけたCL、そして次の週末はここまで勝ち点2と絶不調のウルブス戦。相対的にはゆとりのある1週間を迎えると言えるだろう。
いわばビラ・パークは一息を入れるまでの最後の難所。先週もスタンフォード・ブリッジを12月突入前の最後の関門と言った気もするが、ともかく今週は最後の難所である。最後シリーズ第二弾。
保持の局面では自陣からのビルドアップで攻略の方法を見つけていきたい。ざっくりと思いつく方法は2つ。プレスが相対的に弱いCBからの対角のサイドへの展開。縦横をコンパクトに保ちたがるアストンビラの守備陣形に対しては、大きな展開が刺さりやすい。下記のように大外への展開とハーフスペースへの抜け出しを併用できれば面白い。

もう1つはあえてアストンビラの誘いに乗っかってサイドにボールをつけてプレスを誘発し、そこから背後を取るパスを入れるか。斜めにパスコースを作ってのポストから中央の展開役であるスビメンディがフリーになれば理想的ということになる。
定点攻撃から押し下げていければセットプレーからの得点は狙っていきたい。この記事を書いている段階では詳細は入っていないが、先週末に試合前の負傷で欠場したマルティネスの代わりにビゾットはハイボール対応に不安があり、GK周辺へのキックをガンガン入れていくことで得点に繋げたい。苦しい日程であるならば、とにかく欲しいのは試合を落ち着いて進めるための先制点だ。
守備においてはアストンビラの左サイドのユニットにどのように対応するかが問われることになる。パウ・トーレスを軸に深さを作りつつロジャーズやワトキンスの降りるアクションから起点を作るというブライトン戦の一幕はアーセナルもすでにやられたことのあるアストンビラの十八番の組み立て。ワトキンスやロジャーズの復調でこの王道路線は復活の様相がある。
当然受ける前に詰めておきたいのだが、ワトキンスとロジャーズは反転もできるのが厄介。加速したところであっさりとカードを貰えば試合は苦しくなる。早い時間でのカードが多い印象のスビメンディがクリーンな時間を延ばせるかは重要な要素かもしれない。
センターラインのズレで勝負してくるチームに対しては当然後方のプッシュアップの連携が重要になる。モスケラ、サリバ、ライスと不確定要素が強い中央ユニットがアストンビラの組み立てのスピード感についていけるかでビルドアップ阻害の機能性は決まる。
チェルシーもそうだが、ここぞと息巻いて相手がかかってくるというのはテーブルの首位にいるチームの宿命でもある。桃鉄だって貧乏神は首位になすりつけるのが鉄則。一番上の足を引っ張って引きずり落とすという野望があるのは順位を決めるものにおいてはセオリーである。苦しいスケジュールではあるが、堂々と意気込み十分のアストンビラと対峙したい。
