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「地獄の釜の蓋が開くのは?」~2026.2.22 プレミアリーグ 第27節 トッテナム×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第27節
2026.2.22
トッテナム(16位/7勝8分11敗/勝ち点29/得点36 失点37)
×
アーセナル(1位/17勝7分3敗/勝ち点58/得点52 失点20)
@トッテナム・ホットスパー・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去5年間の対戦でトッテナムの2勝、アーセナルの8勝、引き分けが1つ。

トッテナムホームでの成績

過去10回の対戦でトッテナムの5勝、アーセナルの3勝、引き分けが2つ。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • トッテナムは直近3試合のホームでのプレミアのアーセナル戦で敗戦。それ以前の23試合と同じ数字(W13,D10)、4連敗になれば1952-55年以来のこと。
  • アーセナルは直近7試合のプレミアのトッテナム戦で6勝(D1)。直近4試合は連勝中。5連勝となれば1987-89年以来のこと。
  • トッテナムは直近8試合のプレミアで勝ちがない(D4,L4)。未勝利記録としては2007年(9試合)以来最も長い。
  • トッテナムは2026年のプレミアで勝利がない唯一のチーム。8試合で4分4敗。1994年(10試合)以来新年の未勝利記録として最長。
  • 2022年5月にトッテナムに敗れて以降、アーセナルは21試合のプレミアにおけるアウェイのロンドン・ダービーで1敗(W14,D6)。唯一の敗戦は2023年12月のフラム戦。
  • トッテナムはDFのポジションの選手の得点数(10)と得点割合(28%)が最も高いプレミアのチーム。
  • イゴール・トゥドールの初陣となる見込み。トッテナムの新監督が初陣としてNLDを経験するのはグレン・ホドルについで2人目。2001年4月のオールド・トラフォードにおけるFA杯準決勝でこの試合は2-1で敗戦している。
  • トゥドールは2020年2月のハイドゥク・スプリトでの途中就任以降、就任直後の試合を5試合連続(エラス・ヴェローナ、マルセイユ、ラツィオ、ユベントス)で勝利している。
  • エベレチ・エゼは直近4試合のプレミアのトッテナム戦で6得点。そのうち3得点はトッテナムのホームで記録。11月のエミレーツでの試合はハットトリックを記録した。
  • ミケル・アルテタは68試合のプレミアのロンドンダービーで41勝を挙げており、20試合以上指揮した監督としては最も勝率が高い(60.3%)。アルテタより多くロンドンダービーに勝利しているのはアーセン・ヴェンゲル(106/194)とジョセ・モウリーニョ(42/70)だけ。

スカッド情報

Totthenam
  • リシャルリソン(腿)
  • ペドロ・ポロ(腿)
  • ケビン・ダンソ(足首)
  • デスティニー・ウドジェ(腿)
  • クリスティアン・ロメロ(出場停止)
  • ルーカス・ベリヴァル(足首)
  • ベン・デイビス(足首)
  • モハメド・クドゥス(腿)
  • ロドリゴ・ベンタンクール(腿)
  • デヤン・クルゼフスキ(膝)
  • ジェームズ・マディソン(膝)
  • ウィルソン・オドベール(膝)
Arsenal
  • カイ・ハヴァーツ(腿)
  • ブカヨ・サカ(?)
  • マルティン・ウーデゴール(膝)
  • マックス・ダウマン(脚)
  • ミケル・メリーノ(足首)

予習

第24節 マンチェスター・シティ戦

第25節 マンチェスター・ユナイテッド戦

第26節 ニューカッスル戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

 CLでの対戦が実現しなければ、今季のノース・ロンドン・ダービーはこれが最後。それぞれがそれぞれの難局を迎える形での一戦となる。

 トッテナムは、リーグ戦の合間が12日空くこのタイミングでトーマス・フランクを解任し、イゴール・トゥドールを新監督に迎えた。新監督の元でトッテナムはCLと残留争い回避という2つのミッションに挑むことになる。

 まずは、フランク解任前のトッテナムが抱えていた課題を整理したい。4バックだけでなく3バックもテストするなど、年明け以降のフォーメーションは流動的だった。スペンスのSH起用がある試合は3バックか4バックか判別しづらいが、そうした試合の多くは「相手のフォーメーションに噛み合わせる」発想の延長で、結局は3バックに収束するケースが目立った。

 もっとも、システム自体は問題の原因にも解決策にもなりきれていない、というのが率直な印象だ。人を捕まえる意識の強いハイプレスはCLではハマる場面もあった一方で、バーンリー相手に追いつかれるなど、盤石だったとは言い難い。

 プレッシングは、1つ目を外されると芋づる式にズルズルと穴が開くことが多かった。特にセンターラインの選手がサイドに釣り出され、守備体系を保てないシーンが少なくない。

 押し込まれると、CBはクロス対応やナローなスペースの管理に苦戦する。ロメロのやりすぎが目立つ試合もあるが、CB間のマーク受け渡しの拙さなど、目立たない部分にも課題がある。レギュラーCBが揃っていても、持たない局面のクオリティには不安が残った。

 ただし、攻撃時のDF陣の貢献度は高い。ファン・デ・フェンのキャリーは自陣からシュートまで到達し得る重要な前進手段だ。そしてロメロの不在が痛いのは、自陣の守備局面以上に敵陣PAかもしれない。セットプレーにおけるロメロは、最重要の得点源のひとつである。

 保持面ではビルドアップの整備も進まなかった印象が強い。特にCBの間に降りるCHへ、ヴィカーリオが無理にパスをつけて失点級のミスを呼び込む場面が目についた。ここは相手にとって明確な狙い目だったはずだ。

 攻守いずれにおいても、肉弾戦に持ち込めればとりわけ中盤は強い。シティ戦後半はその証明である。だが、守備が機能不全だと、そもそも相手を捕まえきれない。触れる距離まで持っていけるかがポイントになるだろう。

 途中就任したトゥドールが直面する課題は、概ね以上だ。彼自身はイタリア時代以降、3バックを主軸にしてきた。Transfermarktでも採用システムの多くが3バックとして記載されている。

 個別の試合を追えてはいないが戦績から導ける情報として、途中就任でも優秀な成績を残してきた監督であることは確かだ。そして就任直後に、非保持の強度をぐっと引き上げる傾向が示唆される。

 前から捕まえにいくスタイルは短期的にチームを引き上げる手段として有効だ。プレミアリーグ、そしてノース・ロンドン・ダービーの毛色にも合う。いわゆる解任ブーストを起こすには確かに相性がいい。

 一方で、彼の特徴を今の戦力で実装できるかは難しいところでもある。トッテナムはここ数年ハイプレスでリズムを作ること自体に苦戦してきた。メンバーが違うとはいえ、ポステコグルー時代はハイプレスがスカスカ。プレスをかわすことでむしろ相手のチャンスになる場面すらあった。トゥドールが挑むのは、トッテナムができなかった過去へのチャレンジでもある。

 もう1つの難題は、続出する怪我人だ。『Premier Injuries』によれば、現時点の負傷者は12人。週末までに復帰の可能性があるのはリシャルリソンとポロの2人のみとされる。長期離脱が多く、週末を凌いだ後もやりくりは厳しくなるだろう。

 短期的な上がり目はあるが、不安要素も大きい。ただ、変化が起きたこと、そして目の前のダービーという舞台装置が、物事を好転させる可能性は十分にある。

プレス回避における2人のキーマン

 基本的には、ハイプレス志向の指揮官、空いている試合間隔、そしてノース・ロンドン・ダービーという条件は、トッテナムにとってプラスに働きやすい。ここまでのリーグ戦の戦績と内容は苦しいが、日曜日には別の顔が見られる可能性もある。

 トッテナムは3-4-2-1ベースでハイプレスを仕掛ける展開が予想される。SHがとにかく足りない状況で、ギャラガーのような本職CHを起用する可能性もあるが、運動量の担保という意味ではプラスに転ぶかもしれない。

 相手が前から来る場合、アーセナルで鍵を握りそうなのは北欧の2人だ。降りてテンポを作れるウーデゴールが復帰すれば、相手の守備基準を乱し、ショートパスから前進できる可能性は一気に高まる。

 CFギョケレシュには負傷者が多い相手のバックラインへ真っ向勝負を挑む役割が期待される。CFがカジュアルな前進手段として機能すれば、日程が詰まるアーセナルとしては試合運びがかなり楽になる。

 まずはハイプレスを打開し、押し込むフェーズを作ること。トッテナムはセットプレー失点が少ないチームではあるが、直近の試合を見る限り怪しさもある。数字に騙されず、狙い目として捉えていい。

 押し込めれば負傷者の多いトッテナムのスカッドでは守備組織の綻びも出てくるはずだ。最近のアーセナルは、どちらかと言えば押し込めずに苦しむ試合が多い。相手の勢いをねじ伏せ、ワンサイドゲームに持ち込めるかが争点となる。

 トッテナムの保持は、前線を中心に欠場が多く、幅を持たせにくい。トゥドールがユベントス時代に組んだコロ・ムアニに再び運命を託す可能性もある。ソランケ、リシャルリソンといったCF陣との組み合わせも含め、現段階では対策を決め打ちしにくい。

 このあたりは正直、出たところ勝負だ。相手が何を出してくるかで対応は変わるし、問われるのは柔軟性になる。もちろん、GKからサリーするCHへの“地雷パス”のような旧政権の悪癖が残っているなら、そこは狙っていきたい。

 アーセナルはここで落とせば、次節に首位交代の可能性がある。「踏ん張れないクラブのメンタリティ」を揶揄される一週間を迎えることになるだろう。気にしないファンもいるだろうが、多くのファンが気にしていることは、すでにXのタイムラインが証明している。

 トッテナムは途中就任の名人を呼んでなおリズムを取り戻せない場合、本格的に降格の心配をしなければならなくなる。それぞれの地獄の種類は異なる。だが、負けた方が地獄の釜の蓋が開く。そんなノース・ロンドン・ダービーになる可能性は高い。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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