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「乖離するスタイルと勝ち筋」~2026.2.21 J1百年構想リーグ 第3節 川崎フロンターレ×FC東京 プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1百年構想リーグ 第3節
2026.2.21
川崎フロンターレ(2位/1勝1分0敗/勝ち点5/得点5/失点3)
×
FC東京(6位/0勝2分0敗/勝ち点4/得点2/失点2)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で川崎の8勝、FC東京の2勝。

川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の6勝、FC東京の3勝、引き分けが1つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 昨年の勝利でFC東京は川崎戦での連敗を4でストップ。
  • 直近5試合のリーグ戦での対戦はいずれも勝利したチームがクリーンシートを達成。
  • 川崎ホームのFC東京戦において直近5試合中4試合は1-0での決着。
  • 川崎ホームのFC東京戦において勝てなかったチームは直近10試合中9試合で無得点。
    • 例外は2020年10月のFC東京。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • 大島僚太(右ヒラメ筋肉離れ)
  • 佐々木旭(?)
  • 山口瑠伊(?)
  • 丸山祐市(右膝内側半月板損傷)
  • 長璃喜(恥骨結合炎)
FC東京
  • 俵積田晃太(左大腿二頭筋肉離れ)
  • 荒井悠汰(左膝前十字靭帯断裂)
  • 小柏剛(肩)

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 開幕戦勝利、第2節に引き分け(今年はPK戦で勝利)は昨季と同じ。
    • 第3節は福岡に勝利している。
  • 今季は2試合で被シュート49本でリーグ最多。被ゴール期待値(PK除く)も累計4.9でリーグ最多で、2位の千葉(3.7)を1.2上回る。
  • ボール保持率はここまでの平均が43.9%。これより低いのは東京V(43.7%)、C大阪(42.0%)、岡山(38.7%)だけ。
  • リーグのホームゲームにおける直近3試合の勝利はいずれも5得点をとっている(2025年8月の町田戦、2025年10月の清水戦、2026年2月の柏戦)。
  • 2月の公式戦は直近8試合負けなし(W6,D2)。
  • エリソンが公式戦で得点を挙げた試合は直近6試合全て勝利している。
FC東京
  • ここまで東西合わせて唯一のPK戦での2勝を記録しているチーム。
  • 今季ここまで4つの得失点を記録しているが、そのうち2つはATに記録されている。
  • 得点はいずれもそれぞれのハーフの40分以降に記録されたもの。
  • 直近3試合のリーグにおけるアウェイ戦勝利はいずれも関東におけるもの(2025年6月の横浜FM戦、2025年9月の川崎戦、2025年11月の町田戦)
  • 直近7年のリーグにおけるその年のアウェイでの初戦で1回しか負けていない(W2,D4)。
    • 唯一の敗戦は2022年の等々力。
  • 長倉幹樹は出場した6試合の川崎戦で4勝しているが、ここまでノーゴール。

予習

第1節 鹿島戦

第2節 浦和戦

展望

仕上がっている予感がするFC東京

 今季初のアウェイゲームはクリーンシートのスコアレス決着。22本ものシュートを浴びながらゴールを許さず、PK戦で勝ち点2を上積みした。第3節の相手はFC東京。こちらもここまで2試合連続でPK戦勝利を記録しているチームとのホームゲームを迎えることになる。

 FC東京の近況を語る上で、補強面で象徴的なのが稲村の加入だろう。セルティックに長期契約を残す中での半年レンタルという形だが、少なくとも序盤2試合を見る限り、チームの構造にフィットしているように映る。後方の配球と前進の質を押し上げる役割を担い、ショルツとの組み合わせでビルドアップの起点をより明確にしている。背景にある意図や中長期のプランは外からは測りづらいものの、このカードを展望する上でも無視できない要素になっている。

 開幕戦、第2節と見た感じ、FC東京はかなり仕上がっているなとは思う。平たい言葉で言えば、自分が見てきた歴代のFC東京の中でも最も後方ユニットの保持スキルが高く、前進の機能性も高いチームに見受けられる。

 その中心となるのは稲村とショルツのCB陣。基本的にCB-CHの4枚からの組み立てをしつつ、CBが広がりながら相手の4-4-2ブロックの2トップの外側から自由に配球するというのがFC東京のビルドアップの王道パターンとなる。

 同サイドを縦に進む形としてはショルツのキャリーや稲村の縦パスからブロックを動かしたり貫いたりする。SBはビルドアップの関与が薄めであり、高い位置を取りながらサイド攻撃に関与してくる。

 枚数をかけたサイド攻撃は時折サイドを入れ替えての横断もしていくが、素直にサイドチェンジをするだけではなく、インサイドに差し込むパスを挟むことでリズムチェンジ。相手の決め打ちのスライドに対して、揺さぶりをかける手段も持っている。

 CHも含めてショートパスでの絡みを増やしつつも、相手がハイプレスに出てきた場合はよりダイレクトな形からボールを逃がすことも。マルセロ・ヒアンと長倉の2トップは降りるアクションと背後に抜けるアクションの両面で起点になることができる。表と裏を絞らせず、的が2つあるというのはとても厄介。長いボールを逃がしすぎず、短いパスとのバランスも含めて有効な手段になっている。

 守備に関しては4-4-2ベース。枚数をかけた攻撃をするのが基本なので即時奪回を仕掛けて自分たちのターンを続けるのが理想となるが、そのうえで相手の保持に対してはミドルプレスを使っていく。

 相手の可変について付いていくほど強引ではないが、サイドに制限できた時は枚数をかけてのスライドで一気に圧力をかけていく。守備でもメリハリがついている印象である。

 懸念点があるとすればここまでの2試合で粗が目立つセットプレー対応だろうか。鹿島戦では稲村がテヒョンに競り負けて失点につながったし、浦和戦ではオフサイドながらもやたらとボールが抜けてしまう対応で心もとなさを見せた。

 基本的には体を張りながら強度が高い試合を渡り合えるチームではあるとは思う。そのうえで、ボックス内での強度には一抹の不安があるというのが彼らの懸念ということになるだろう。

原則とのバランスをとる必要がある

 この試合のキーは千葉戦で露呈した川崎の守備課題を、保持と前進が整ったFC東京がどこまで突けるかにあるだろう。

 川崎目線で言えば基本的には千葉戦の反省点がこの試合の課題ということになる。わかりやすい守備の課題がまず2つ。1つ目はプレスに行く時の接続の悪さ。エリソンがプレスのスイッチを入れようとした時に特にSHの連動が甘く、高い位置からボールを奪いに行くメカニズムが機能しないこと。

 守備の意識が低くないであろう紺野のサイドでこの問題が起きているというのが気になるところ。おそらくは別の原則(=河原が出ていった分のスペースは埋める)を優先してのミスだと思うのだが、ハイプレスは人を捕まえにいかないと話にならないし、現代サッカーでハイプレスを完全に放棄していい試合はほとんどない。それを考えれば、原則を優先してギャップが生まれてしまうという千葉戦の反省は修正したいところ。

 もう1つはローブロックの守備。前線が誘導がかからない時に潰したいポイントを明確にしたい。そもそも前から誘導ができないという状況が理想的でないことは確かなのだが、その上でCHの左右両脇にボールを入れられてしまい、その選手が簡単にターンで前を向けてしまうとなるとどうにもならない。CHのスライド、SHの絞りなどでパスが通るゲートを狭く設定し、ライン間を圧縮することでCBがカジュアルにアプローチできるようにしたい。

 ローブロックの守備においては大外に出ていく選手をチェックすることと、ハーフスペースの裏抜けを中心にボックス内の裏抜けをしてくる相手をどう捕まえるか。受け渡しの遅さと2人の選手の管理が1人に集中するケースがある(割にはマークを受けている選手の選択肢がタイトになっていない)のが問題点となっている。

 千葉のバックスにも手を焼いたくらいなので、狭いところを通してくる稲村、キャリーで相手の陣形を動かすのが得意なショルツ相手に苦戦するのは想像に難くない。仮にうまくいって上記の問題を全て解決したとしても長倉やヒアンというオフザボールに優れたアタッカーを擁するFC東京を完全に抑えるのは難しいだろう。

 今の戦力で勝ちに行くのだとしたら単純にCBに強度勝負を挑むのがいいだろう。ロングボールを前線が収めつつ、エリソンが反転しながらゴールへのルートを最短で。前の4人で攻撃を完結させる形を優先しつつ、そこから溢れたセットプレーから空中戦を挑むのがいいだろう。川崎も背は低いが、間違いなく相手の苦手分野ではあるので、谷口の得点力を生かすことができれば理想的だ。

 ただ、ファストブレイク中心であるとなると、再び「敵陣に押し込むことで守備の機会を減らす」という失点対策とは乖離するのが気になるところ。勝てそうなプランと理想となるモデルのギャップは開幕2試合で全く埋まっていないし、これから戦う相手に対しても想像することができないというのが正直なところでもある。

 百年構想リーグは結果も大事ではあるが、ここから長谷部フロンターレがどのようなロードマップを描いて行くかを示すための場でもあるように思う。今のところ流れは昨季から陸続き。この流れはどこかで変わるのか、それとも付き合っていかなきゃ行けないものなのか。それを判定する半年になるように思う。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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