■堅実なセンターラインが勝利を呼ぶ
前節は勝ち点3を奪えなかったチーム同士の対戦。ベネズエラの5-4-1の壁を崩せなかったコロンビアにとってはどうしても落としたくない一戦だし、ブラジルにぺしゃんこにされたペルーとしては仕切り直しの再スタートを図りたい試合となる。
試合はトランジッションが少ない丁寧な試合となった。攻めの局面においてやや優勢だったのはペルーの方だろうか。コロンビアのプレスをいなしながら左右にボールを振る。後方低い位置からサイドに振りつつ、狙うのはCHコンビにボールを入れること。
ブラジル相手にはさすがに持ち味を出せなかったが、タピアとジョトゥンの両CHは非常に優秀。短いパスでリズムを整えること、薄いサイドにフィードを飛ばすこと、縦にボールを入れること。いずれもこなすことができる。
特にレフティのジョトゥンは非常に印象的だった。16分の先制点のシーンにおいても、彼のミドルがポストをとらえたことがきっかけだった。ミドルも素晴らしかったが、ジョトゥンが無理なくシュートを撃てる位置まで押し上げられているというのもよかった。ペルーのそれ以前のビルドアップがうまくいっている証左であり、それが結実した先制点といっていいだろう。嵐のような派手な攻撃力はないものの、丁寧に前に進む堅実な攻撃をするチームという印象を持った。
コロンビアのメンバー表で目立ったのはSHに起用されているサパタ。普段は間受けが得意なカルドナを置いているこのポジションに、ダイナミズムと推進力のあるサパタを起用する。狙ったのはより早い展開だろう。それでも、試合全体のテンポがそこまで上がらなかったということを踏まえると、コロンビアペースに転がった試合とはいいがたいだろう。
同点ゴールのシーンではボルハのスピードが活きた場面であり、アスリート能力重視の人選が結果を出さなかったわけではない。だが、トップ下に起用されたカルドナは完全に消えてしまった感。はじめから欲しい位置に立たせると受けられないという典型例のように思えた。スピードを生かした突破もブロックが間に合ってしまう場面では効果が薄く、ペルーを切り崩せるシーンは少なかった。
追いつかれたペルーは後半も丁寧な攻め口でチャンスを堅実に作る。縦パスを入れるCH陣も優秀だが、受けるCFも優秀。ラパドゥーラはポストを受けに降りるタイミングとゴール前に張る場面の使い分けが非常に上手。勝ち越しゴールとなるCKはラパドゥーラのポストをきっかけに前進した場面だった。
センターラインを使った地道な前進で終始コロンビアを苦しめたペルー。見事なリスタートを決めて、大会初勝利を飾った。
試合結果
コロンビア 1-2 ペルー
エスタディオ・オリンピコ・ペドロ・ルドビコ
【得点者】
COL:51′(PK) ボルハ
PER:16′ ペーニャ, 64′ ミナ(OG)
主審:エステバン・オストジッチ