■悪い流れを咎めて23年ぶりの勝利を手に
ともに初戦を落としてしまった両チームの一戦。フォレストにとっては今世紀初めてのプレミアのホームゲームということになる。
立ち上がり、セットプレーからチャンスを作ったのはフォレスト。ニアカテの存在感は抜群で惜しい場面を作り出す。一方で本職のCBがいないウェストハムは高さがなく、セットプレーは苦しい形になる。
ウェストハムは序盤はあっさりと前線に蹴っていた印象。ただ、そこから直線的にゴールに進むことはフォレストのバックラインは許さず。フォレストは前3枚がハメに行ってはいたが、リトリートが間に合っていたので、ウェストハムはうまく加速ができなかったということだろう。
サイドに展開した際のウェストハムの出来は左右で非対称。右サイドはややつまり気味でなかなか打開策が見出せない。昨年よりもややボーウェンに元気がなさそうなのは気がかりである。一方の左サイドはベンラーマが好調。彼がタメを作り、クレスウェルがクロスを入れる形でフォレストの守備陣を苦しめる。
フォレストの反撃の手段はカウンター。ウェストハムのサイド攻撃がまごついたこともあり、フォレストは反撃の機会は十分得ることができた。WBの積極的な攻撃参加も光っており、早々にエリア内に放り込みながらチャンスを伺う。
ただ、このクロスのタイミングがやや早かったように思う。エリア内の準備が整っていないうちにクロスを上げてしまったりするシーンが散見されており、ウェストハムからすると簡単にボールを捨ててくれたなという印象である。
お互い一長一短な展開だったが、前半終了間際に流れを変える出来事が。アントニオがウェストハムがネットを揺らした場面でボールと関係ないところで相手を突き飛ばしゴールが取り消しになる。直前に判定にフラストレーションを溜めていたことがおそらく要因なのだろうが、あまりに稚拙なプレーだ。
得点のチャンスをフイにしたウェストハム。悪い流れを断ち切るためにとりあえずハーフタイムまで逃れたいところだったが、それを許してくれないのがプレミアリーグ。珍しくボールをゆったり持てたフォレストは左サイドのトフォロに展開。カットインからエリア内に侵入するとフリーのリンガードが放ったシュートを最後はアウォニイが決めて前半追加タイムに先制点を挙げる。
ウェストハムはトフォロへの対応がまずかった。ソーチェクとライスがサイドに流れてしまったことでエリア内でのタイトさがなくなってしまった形。トフォロを潰せなかったのは痛恨であった。
後半、反撃に出たいウェストハム。左右にじっくり相手を振ることができればフォレストの非保持は穴が開く。これは前に3枚を残し、2CHで横幅を対応しようとしているため、じっくりやればやるほどきっちり穴を開ける仕組みになっている。
しかし、試合は速いテンポがメインに。どちらのチームもチャンスを迎えるが得点には至らない。フォレストはオフサイドによってゴールが取り消しに、ウェストハムはハンドで得たPKをライスがヘンダーソンにストップされる。この試合ではヘンダーソンは大活躍。前日にデ・ヘアが散々だった次の日にこれ。これもいかにもプレミアである。
なんとかゴールを手繰り寄せたいウェストハムだが、交代選手が流れに乗れず攻撃の勢いは停滞。非保持においても、フォレストの空中戦に対してズマ以外のバックラインが苦戦。跳ね返しての波状攻撃にスムーズに持ち込むことができなかった。
要所で流れに乗るチャンスを逃したウェストハム。悪い流れの隙に漬け込んだフォレストがホームでおよそ23年ぶりのプレミアでの勝利を挙げることに成功した。
試合結果
2022.8.14
プレミアリーグ 第2節
ノッティンガム・フォレスト 1-0 ウェストハム
ザ・シティ・グラウンド
【得点者】
NFO:45+2′ アウォニイ
主審:ロベルト・ジョーンズ