■10人のリヒテンシュタインにゴールショーでお祝い
前節、W杯本大会の出場を決めたドイツ。ホームの最終戦となる今節はホームに最下位のリヒテンシュタインを迎えての一戦ということになる。
オールコートマンツーマンで襲いかかってきたルーマニアを除けば、今大会のドイツの相手は大体リトリート中心での撤退パターンが主流。リヒテンシュタインも当然このやり方が軸になる。2トップのプレスラインはドイツのCHのところから。CBには完全にボールを持たせるやり方となった。ボールを奪ったら2トップに素早くボールを当てる。
ドイツはサイドで3対3を作りながら対抗。大外にホルダーを置き、同じレーンの前方に1人、ハーフスペースの前方に1人を置くことで3人での崩しからエリア内に迫っていく。ドイツはさらに同サイドにもう1人抜け出しながら動的にパスを引き出す選手を作ることでリヒテンシュタインの守備のターゲットを絞らせない。ファーサイドのクロスもバリエーションに入れながら多彩な攻撃でリヒテンシュタインを自陣深くに閉じ込めていく。
先制点を決めたのはドイツ。リヒテンシュタインはエリア内でホーファーがゴレツカに飛び蹴りをかましてしまい、一発退場+PK献上というダブルパンチ。悪意は感じないとはいえ、明らかに危険行為であり退場は妥当だろう。
このPKで専制守備は勝ち点を取るという点でも守り切るという点でも維持が難しくなったリヒテンシュタイン。5-3-1に変形したことでボールを奪った後の2トップへのロングボールも威力が半減することに。
というわけでここからはドイツのゴールショー。左サイドからクロスを入れると、これがオウンゴールを誘発し2点目。続いて最終ラインとの駆け引きから抜け出したサネが3点目を演出。4点目も同じ形で抜け出したサネを囮にロイスがゴールを決めて見せる。
この予選では左の大外に張る役割が多かったサネだが、この試合ではミクロな最終ラインとの駆け引きで存在感を発揮。インサイドでも仕事ができることを見せつけた。
後半も引き続きゴールラッシュ。もはや5-4-0でベタ引きするリヒテンシュタインに対して、右サイドからライン間に入り込んだサネが再びゴール。後半のゴールの口火を切る。
20分以上粘っていたリヒテンシュタインだが、セットプレーから最後はミュラーが押し込んで6点目。6点目でもこれだけ大喜びできるのはいかにもミュラーである。
7点目は右サイドからバク。左足で巻くように打ったシュートはポストの内側に当たりゴールイン。本人にとっては嬉しいゴールとなっただろう。
8点目を決めたのはミュラー。当然両腕を突き上げるガッツポーズ。最高。そしてオウンゴールの9点目で完結である。10人のリヒテンシュタインに圧巻のゴールショーを見せつけたドイツ。ホームの観客とワールドカップ出場を祝う大勝となった。
試合結果
2021.11.11
カタールW杯欧州予選 第9節
ドイツ 9-0 リヒテンシュタイン
フォルクスワーゲン・アレナ
【得点者】
GER:11′(PK) ギュンドアン, 20′ カウフマン(OG), 22′ 49′ サネ, 23′ ロイス, 76′ 86′ ミュラー, 80′ パク, 89′ ゴッペル(OG)
主審:イヴァーナ・マーティンチッチ