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「Catch up E-1 Football Champion Ship」~2022.7.19 E-1フットボールチャンピオンシップ 第1戦 日本×香港 ハイライト

■右サイドの復調後は寄せ付けず

 Aマッチデーではないため国内組前提で招集されたE-1の開幕戦。一大勢力となっている広島勢が日曜開催のリーグ戦の影響で実質起用不可という影響もあり、左のWGの相馬とGKの鈴木以外は神奈川県連合と化した代表がこの日のスタメンに名を連ねることとなった。

 立ち上がりは特に主審の笛が軽く、ファウルを取りやすい傾向が強い試合だった。より守備機会の多い香港がこれに適応できずにファウルを重ねた結果、与えられたFKを決めたのは相馬。神奈川県連合ではない唯一のFPである相馬のFKによっていきなり日本は先制する。

 この1点があれば問題なし!といいたい日本だったが、前半は比較的苦戦を強いられた。一度ボールを奪うと、ロングボールに逃げることなくショートパスをつないでいく香港に対して、日本はプレスからボールの取りどころを見つけられず。日本は左サイド側を中心に攻め込まれ、PA内に侵入されるシーンも散見されるようになった。

 こうした流れになった一因は多く見られたつなぎの局面のミスだろう。岩田、藤田などカウンター局面におけるパスの精度が低く、早い段階で香港の守備にひっかけてしまう場面もしばしば。先制点を取ったことで攻撃が安定する流れにはならなかった。

 とりわけ最終局面で気になったのは右サイドからのクロスの精度。ラストパスとして考えると質が低く、このサイドから良質なクロスが上がってこないことで日本の攻撃が停滞し、香港に下手な形でボールを奪われる頻度が高かった。

 逆にパスの精度が低い展開で目立ったのはトップ下に入った西村とCHに入った藤田。この2人の共通点は行動範囲が広く、相手にとってバグになりやすい存在であることだ。ボールサイドに寄りながらパスを受けて+1になる西村とパス交換から高い位置への取り直しを怠らず十分な推進力を持つ2人は、中央から攻撃を切り拓くアクセントになっていた。順番は前後するが、西村は長いレンジからのフィニッシャーとしても存在感を見せた。

 パスの不安定さで攻撃の停滞と香港へのカウンターの機会を与えていた日本。問題は自分たちの中にはらんでいる感が強く、そこさえ修正できればワンサイドゲームになる匂いもあった。そういう意味できっかけになったのは右サイドから上がってクロスが得点につながった2点目。技ありの町野のゴールを演出したのは、右サイドからの速度と精度が十分な山根のクロスだった。

 これで日本の右サイドは完全に生気を取り戻す。水沼と山根を軸に右サイドは崩しの切り札になり、ここからは質の高いクロスとサイドのフリーランを用いた3人での崩しが頻繁にみられるようになった。

 一方の左サイドは最後まで苦戦が続いていた。杉岡は逆サイドからのサイドチェンジを受けてオーバーラップするところまでは良いのだが、一度スピードを落とされてしまうと一気に持ち味が死んでしまう印象である。左サイドはその解決策を最後まで見つけることが出来なかったように思えた。

 右サイドを開拓した日本は大量の得点で前半を終える。後半は谷口→中谷を皮切りに交代選手を試す要素が強かった。が、交代選手たちがどこまでフィットしたかは微妙なところ。

 宮市、岩崎の両WGは前半の相馬や水沼とは異なり直線的な縦に速い動きを好むことが多く、チームとして重心を上げながら組み立てていきたそうな脇坂とは噛み合わせが悪かったように見えた。最もこのあたりはすり合わせの問題であるはず。即席チームであればぶち当たりうる懸念という感じだった。

 いずれにしても交代選手登場前に6-0とした香港にもう攻めあがる元気が残っていないのは明白。右サイドの懸念を解決した日本にとって香港は脅威として立ちはだかることはなかった。

試合結果
2022.7.19
E-1フットボールチャンピオンシップ 第1戦
日本 6-0 香港
県立カシマサッカースタジアム
【得点者】
日本:2‘ 55’ 相馬勇紀, 20‘ 57’ 町野修斗, 22‘ 40’ 西村拓真
主審:ハサン・アクラミ

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