■こじ開ける姿は堂々たるもの
勝ち点差はわずかに1ポイント。国内外で4つのタイトルを総なめにするチャンスがあるリバプールにとって、唯一自力では何とかすることができないのがこのリーグのタイトルである。
そのためにはまずは自分たちが勝利をすること!だったのだが、このアンフィールドで迎えた最終節でまさかの先制点をウルブスに献上。ネトが最終節で一番乗りでゴールを揺らして見せた。ミスをしたコナテにとっては頭が真っ白になってもおかしくはないシチュエーションである。
まさか一斉開催の最終節において20チームのうち真っ先に失点するとは夢にも思わなかっただろうリバプール。ここからの試合は非常に堅い展開に。両チームともコンパクトなブロックを敷きながら、相手の出方を伺うスタンス。ブロックのままでは崩すのが難しいので、お互いにトリガーを準備しながらブロック攻略に当たっていた。
保持の機会が多くなっていたリバプール側で攻略のトリガーになっていたのは、大外を噛ませてのハーフスペースからの抜け出し。これでサイドから深さを作ることはできていたリバプール。しかしながらエリア内で人垣を築くウルブスの守備ブロックに手を焼く。
対するウルブスの武器はロングカウンターである。もちろん、リバプールのコナテ、マティプ、ヘンダーソンのユニットも強固ではあるが、ファン・ダイクとファビーニョがいないとなればいくばくかは楽にゴール前に運べる。スピード豊かなネトを中心に相手のバックラインの裏をついていく形を狙う。
一進一退の攻防の中でスコアを動かしたのはリバプール。チアゴのおしゃれなフリックというスペシャリティが乗っかったことでリバプールは見事な同点弾が乗っかることになった。
同点ゴール以降は支配的だったリバプール。後半は一気に畳みかけていく。ラインを壊すパスから敵陣に迫っていくのは前半と同じ。対角のパスで大外を噛ませる形以外にもアレクサンダー=アーノルドが内に絞りながら縦のベクトルに強いパスを出すのはいかにも21-22モデルのリバプールっぽい。
一方のウルブスで後半に猛威を振るったのはファン・ヒチャン。前半以上に前がかりになるリバプールのバックライン相手に大立ち回り。ゴールの脅威をリバプールに十分現実味がある状態で突き付けながら、ロングカウンターを引っ張っていく。
リバプールが仕上げとして投入したのはサラー。アタッキングサードでの精度をさらに高めに行く。すると、こじ開けるきっかけになったのはセットプレー。混戦からサラーが押し込んで得点王に手をかける決勝点を手にする。
すると直後には仕上げとしてロバートソンがとどめの一撃。試合を完全に決定づける。シティが他会場で勝利を挙げたため、優勝は果たせなかったが、苦しい展開を堂々とこじ開けていく最終節のパフォーマンスは確かに今季強さを見せ続けたリバプールの姿であった。
試合結果
2022.5.22
プレミアリーグ 第38節
リバプール 3-1 ウォルバーハンプトン
アンフィールド
【得点者】
LIV:24′ マネ, 84′ サラー, 89′ ロバートソン
WOL:3′ ネト
主審:アンソニー・テイラー