■リシャルリソンの余裕を奪えなかったユナイテッド
ミッドウィークのバーンリー戦で劇的な敗戦を喫していよいよあとがなくなってきたエバートン。立ちはだかるのは来季のCL出場に向けてこちらも後がなくなったマンチェスター・ユナイテッドである。
序盤からポゼッションに余裕があったのはエバートン。ユナイテッドのトップがプレスに行けないロナウドであることを利用し、CBが積極的にボールを持ち運びを行いながらボールを前に進める。トップのキャルバート=ルーウィンもターゲットになり、いざとなれば放り込めばOKなので多少の持ち運びのリスクは許容できるといったところだろう。
一方のマンチェスター・ユナイテッドは持ち運びに苦心。正三角形の中盤がエバートンの逆三角形の中盤につかまってしまい、ボールの預けどころがない状態に。
困ったユナイテッドはサリーでズレを作ることで解決策を見出す。マティッチが最終ラインに下がり、SBを押し出していく。これで保持が落ち着いたユナイテッドは左サイドからチャンスメイク。テレスのオーバーラップや、ブルーノ・フェルナンデスとラッシュフォードのポジション交換などからチャンスを生み出していく。
右サイドもサンチョにワン=ビサカのオーバーラップの活用でエバートンを押し込む。マイコレンコがイウォビのお守りつきで左サイドを守っている様子はもはやエバートンの日常になっている。
一方のエバートンの保持で活路になったのはイウォビ。同サイドのCHであるマティッチは動き回るイウォビとの相性が悪く捕まえきれない。これにより持ち運びが安定するエバートン。すると、27分。左サイドからリシャルリソンがイウォビに横パスを出し、ポストで落としを受けたゴードンがミドルでデ・ヘアを打ち抜いて先制点をゲット。前半のうちにリードを奪う。
ビハインドになったユナイテッド。攻勢に出たいところだが、前線のオフザボールの少なさが懸念。裏を取る動きがないので奥行きを作ることができない。加えて、チームの中でオフザボールの動き周りが期待できるフレッジが負傷交代。代わりにポグバが入ったことでややアバウトな放り込みに舵を切ることとなり、攻撃の機能性は低下した。
後半もこの力関係は変わらず。押し込むことができるユナイテッドであるが、サイドでフリーの選手を作ったとてそこからできるのはせいぜい単調なハイクロスくらいなもの。
そのユナイテッドの攻撃を見てか、リシャルリソンがプレーに遊び心を入れる余裕を出し始めたのはユナイテッドファンにとっては屈辱といえるだろう。しかしながら、最後までユナイテッドはリシャルリソンからその余裕を取り上げることが出来ず。
最後は守護神のピックフォードの活躍もあり、逃げ切ったエバートン。前節のシックスポインター敗戦を和らげる勝利を手にすることに成功した。
試合結果
2022.4.9
プレミアリーグ 第32節
エバートン 1-0 マンチェスター・ユナイテッド
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:27’ ゴードン
主審:ジョナサン・モス