■物足りなさが残る中で4位を確定させる
おそらく、現地映像のトラブルのせいで立ち上がりの7分ちょっとくらいは見れないというなかなかパンチの効いた試合になったベトナム×オマーン。というわけで立ち上がりの展開はよくわからん!というのが正直なところではあるが、基本的には力関係が上のオマーンの方がポゼッションを高めながら試合を進めていた。
フォーメーションの噛み合わせ的にはオマーンのポゼッションにおいてはSBが空く。ベトナムの5-3-2のフォーメーションに対して、オマーンはすでに最終予選のおなじみになった同サイドのオーバーロード気味の攻撃でベトナムのゴールに迫っていく。
仕上げとなるのは裏抜け。右サイドの大外のアル・ハルティの抜け出しを終点としてベトナムのバックラインを押し下げていく。逆にいえば、この裏抜けが仕上げにならないとオマーンの攻撃は完結しない。いつもに比べればこのオフザボールの動きの量は少ない感じで、その分相手ゴールに迫る迫力は割引されている感じはした。
一方のベトナムもなかなかいつも通りには行かない感じ。19番、エースのグエンの存在感はこの日は希薄。落ち着きながらのボール保持はできているので、オマーンに一方的に攻められ続けしまう!という展開は避けることができてはいたのは確か。しかし、ここまでの予選において攻撃の仕上げのほとんどに絡んできたグエンの存在感が低くなると物足りなさが出てくるのは当然だろう。オマーンと同じく、裏抜けで一気にシュートまで持って行きたいが、なかなかいい形を生み出すことができない。
迎えた後半はベトナムが押し込みながらのスタート。敵陣でのプレーを増やしながらセットプレーを獲得し、あわやハンドからのPKを得るところまではオマーンを追い込むことができていた。
しかしながら、セットプレーから結果を出したのはベトナムではなくオマーン。65分にコーナーキックの流れからアル・ハシリが先手をとって均衡を破る。
ベトナムはここから中盤からの飛び出しの量を増やしながら、前線の厚みを増そうと試みるが、がっちり守るオマーンに対してなかなかこじ開けることができない。むしろ、跳ね返されての手早い攻撃への以降で逆にオマーンに脅かされることもあった。
どちらも攻撃で迫力を出せない中でセットプレーでの1点を守ったオマーン。これで勝ち点を2桁に乗せることに成功。グループBにおける4位を確定させて最終節を迎えることとなった。
試合結果
2022.3.24
カタールW杯アジア最終予選 第9節
ベトナム 0-1 オマーン
ミー・ディン・スタジアム
【得点者】
OMA:65′ アル・ハシリ
主審:ハンナ・ハットタブ