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「Catch up Premier League」~2022.2.8 プレミアリーグ 第24節 ウェストハム×ワトフォード ハイライト

■リターンは十分なSHの用兵

 前節は攻撃面での乏しさに気を取られてきつめの記事を書いてしまったが、言われてみれば超久しぶりにクリーンシートを達成したワトフォード。プレミアの舞台では1年以上ぶりの無失点を記録し、ホジソンは第一歩を踏み出した。

 ホジソンとしてはとりあえず立て直すのは守備からという発想なのだろう。非保持ではCBには無理にプレスに行かず迎え撃つやり方を選択する。やはりというか予想通りというかスタメンで出場したズマにはボールを持つたびにブーイングである。

 ワトフォードの撤退守備でこれまで問題になっていたのは守備ができるSHがいないということである。ホジソンがたどり着いた答えは守備のできるCHをSHにコンバートするというもの。前節RSHで先発したクツカの継続起用はもちろん、左サイドにはクレバリーを置き、今節は両サイドともSHには守備色の強い用兵となった。

 ウェストハムはライスをワトフォードの2トップの間におき、SBやソーチェクを2トップの脇に下ろしながら前進を狙う。ワトフォードの2トップは最低限の守備をしつつ、ライスをケアしながら素早いサイドチェンジを阻害する。

 ワトフォードのSHの用兵の効果は出ていたと言えるだろう。SHは自陣深くまで戻りSBと挟みながら、ウェストハムのアタッカー陣を封殺。元々CHコンビは運動量が豊富で中央守備に集中することができれば問題なく中央封鎖は可能である。ウェストハムは低い位置でプレッシングに屈することはなかったが、PAに迫ることができない。アントニオがサイドに流れている時はウェストハムが前進に苦しんでいる合図なのだが、この日は早い段階でそれが見られていた。

 ワトフォードは2トップの直線的なカウンターか、SBの上がりを待つパターンで前進が可能。限定的な手段ではあるが成功率はまずまず。押し上げではクレバリーやクツカに期待するのは難しいが、デニスがこの部分では絶大だった。ライスを苦にせず、ターンを駆使して前を向くことができるため、SBを上がる機会も作れていた。SHを守備的にして2トップに任せるやり方は守備面での効果を考えればリターンは十分だろう。

 後半は立ち上がりからプレス強度を増したりなど見せ場はあったワトフォード。ウェストハムは後半もアタッカーがタイトな寄せに苦しむことになった。しかしながら一瞬中央のライン間が空いたところを逃さなかったウェストハム。反転したボーウェンが放ったミドルは跳ね返り、フォスターの届かないところからゴールにすっぽり入ってしまった。

 交代したジョアン・ペドロも1人で起点になれたり、フォスターの好守で試合の興味がつながったりなど、終盤まで追い縋ったワトフォードだが、この日もネットを揺らすことはできず。守備での向上は見られたが、2トップへの依存度が高まった攻撃面の問題は解決しきることはできなかった。

試合結果
2022.2.8
プレミアリーグ 第24節
ウェストハム 1-0 ワトフォード
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:68′ ボーウェン
主審:マーティン・アトキンソン

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