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「Catch up Premier League」~2022.2.10 プレミアリーグ 第24節 リバプール×レスター ハイライト

■横綱相撲の90分

 最初から最後まで完全にリバプールが支配したゲームと言っていいだろう。立ち上がりからハイパフォーマンスでレスターを全く寄せ付けなかった。

 まずはボール保持。外側でボールを循環させて問題なくボールを前に運ぶ。きっかけになったのはチアゴやファビーニョの中盤やバックラインのビルドアップ隊にレスターのSHを食い付かせたこと。中央のプレイヤーに対してなら、レスターのCHが出ていけばいい気がするのだけど、デューズバリー=ホールとスマレは重心が低く彼らを捕まえることができない。

 その理由になっているのがライン間でプレーするリバプールの前線。フィルミーノ、そして右のWGに入ったジョッタはライン間に位置して縦パスを受ける準備をする。レスターのCHは自分達の後ろ側にいる彼らを強く意識したポジションを取ることが多かった。そのため、前プレに出ていけなかったのである。

 狭いスペースで前を向けて、チャンスメイクまでできるフィルミーノを野放しにしておけない気持ちはわかる。この日のレスターのCBコンビならばなおさら。とはいえ、前プレに出ていく役割をSHにした代償をレスターはきっちり払うことになる。

 まず、SHがプレスに出て行くタイミングが遅くボールホルダーにプレッシャーがかからない。かつ、出ていったことで大外の低い位置のスペースを開けることになるので、リバプールは常に大外にポゼッションの安全地帯を作ることができる。そこからレスターのSBを引き出すことができればそこから一気に前進が可能。リバプールはレスターのSH起因から発生するズレを使って、安全でスムーズな前進をすることができていた。

 リーグデビュー戦となったルイス・ディアスはまるで昔からプレーしていたかのような馴染み方。ロバートソンとのレーン分け、大外でもインサイドでも問題なくプレーできるスキルなど高いレベルでのプレーを披露。静止しながらボールをキープして、周りの攻めを促す部分でいえば、マネを凌ぐと言ってもいいくらいである。FA杯で既にプレー済みとはいえ、冬加入でリバプールは期待できる新戦力を手にしたと言えそう。

 レスターは前進の手段も苦しい。ライン間のマディソンに前を向かせることができれば、スピード豊かな前線の裏にボールを送ることができるのだけど、如何せんそこまで持っていく動線がない。リバプールはネガトラも非常に早く、即時奪回でレスターからボールを取り上げてしまい、すぐさま自分達のポゼッションを始めてしまう。

 ざっくりいうとずっとそんな感じの試合だった。リバプールが安全地帯を作りながら前進し、レスターの攻め手はゲーゲンプレスで潰す。前半に先制点をセットプレーでゲットし、即時奪回で潰したカウンターから終盤に追加点。最小得点差で推移する時間も多かったが、危なげはない。まさしく横綱相撲と言える試合運びでレスターを全く寄せ付けなかった圧巻の90分だった。

試合結果
2022.2.10
プレミアリーグ 第24節
リバプール 2-0 レスター
アンフィールド
【得点者】
LIV:34′ 87′ ジョッタ
主審:クリス・カバナフ

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