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「Catch up Premier League」~2022.2.9 プレミアリーグ 第24節 アストンビラ×リーズ ハイライト

■オープンでスリリングな90分

 激しい攻守の切り替えの繰り返し、スリリングな展開が続いた90分、止まったほうが負けというトランジッションの決闘となった一戦だった。ボールが行きかう展開はリーズの得意分野だが、先に優勢に立ったのはアストンビラ。ボールホルダーを追い越すことで高い位置を積極的に取るリーズの攻め方を逆手に取り、カウンターで彼らがいないスペースから逆襲を仕掛ける。

 中盤が素早く前にボールを送ることでチャンスを得るアストンビラ。よって彼らも早い展開を望むようになる。となれば、試合がハイテンポになるのはとても自然なことである。

 構造的に攻略できそうな場所を見つけたリーズの方だった。ラフィーニャで対面のディーニュを引き付けるとその裏に走る選手を作ることでミングスを外に引っ張り出す。そうなると今度は中央が手薄になる。このメカニズムでロドリゴとクリヒが右サイドを攻略し、最後はジェームズが仕留めて先制する。

 この試合のジェームズは一皮むけた出来といってもいいだろう。縦横無尽に動き回り、ボールを後方から引き出すことに尽力。バンフォードのような多岐なタスクを彼なりのやり方で背負っていた。縦横無尽に動き回ることを許されるのはIHにロドリゴが入ったこともあるだろう。ストライカータスクを担える選手が他にいるのならば、ピッチを動き回りながら機動力勝負を仕掛けることもできる。

 ビラの中でパフォーマンスが際立っていたのはやはりコウチーニョ。マンマーク志向の強いゲームの中で相手を剥がすという部分では彼が別格だったといっていい。同点ゴールの場面はマイナス方向の動きをつけて浮くことでシュートのスペースを作り、その後の場面では今度は追い回してくる相手の動きを利用して反転して前進するなど対面での相手をいなしまくっていた。

 もう1人、圧巻の動きを見せたのはラムジー。こちらはトランジッションのフリーランで前線に顔を出すスピードが秀逸。先に挙げたコウチーニョのターンの場面ではクリヒを振り切って一気にゴールを陥れる。3点目の場面ではリーズの1点目のようにビラの左サイドを崩し切ろうとして前がかりになった、リーズの陣形を独走しこの日の2点目を決めてみせた。

 3点を挙げて試合をひっくり返したビラ。だが、リーズもジェームズが前半終了間際に意地を見せる追撃弾をゲット。後半に望みをつなぐことに成功する。

 後半もトランジッション重視の展開は変わらず。リードしているアストンビラも後方からミングスの持ちあがりなどでズレを作るなど攻撃的な動きを止めることはなかった。コウチーニョがいるビラの方がやや分があるかなと思ったのだが、得点を決めたのはリーズ。セットプレーからジョレンテが叩きこんで追いつく。

 終盤は前線のメンバーを入れ替えたビラが運動量を取り戻してプレスを敢行。勝ち越しゴールを狙う動きを止めない。スターターの動きが鈍ってきたリーズに対して主導権を握る。だが、余計だったのはコンサの退場。全く不要なちょっかいで2枚目のカードをもらい、勝ちに向かう勢いをそいでしまう。

 リーズにも試合を決めきる力はなく試合はドロー決着。オープン合戦となったスリリングな試合は勝者のいない痛み分けとなった。

試合結果
2022.2.9
プレミアリーグ 第24節
アストンビラ 3-3 リーズ
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:30‘ コウチーニョ, 38’ 43‘ ラムジー
LEE:9’ 45‘+2 ジェームズ, 63’ ジョレンテ
主審:ジャレット・ジレット

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