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「Catch up Premier League」~2022.2.9 プレミアリーグ 第24節 マンチェスター・シティ×ブレントフォード ハイライト

■パスがダメならドリブルすればいいじゃない

 ブレントフォードはいつものように3バック基調のフォーメーション。しかしながら、WBの守備の意欲はいつもに比べてだいぶ後ろ重視。どんな相手でも割と勇猛果敢に立ち向かっていく印象のブレントフォードだが、シティ相手には別。この傾向は前半戦とまるっきり同じなため、彼らとしてはシティだけはまともにやってはいけない相手ということだろう。ちなみにリバプールまでは強気にハイプレスのスタンスを崩していない。

 というわけでシティが挑むのは5-3-2のブロック破壊のチャレンジである。この日は右のSBにストーンズを起用したため、最終ラインは左右非対称のつがい型。カンセロ以外の最終ライン3枚とアンカーのロドリの4枚が低い位置のビルドアップに顔を出す。

 ラポルテが前を向いてボールを運べるということも踏まえると、特に左サイドはカンセロ、スターリング、ベルナルドなど高い位置に選手を置くことができる。フォーデン、ロドリなど配置上ではピッチの中央に位置する選手でもボールサイドに貢献できるような立ち位置をとることが多く、ボールサイドの人繰りには困らなかった。この辺は手慣れたものである。

 だが、ブレントフォードの守備ブロックもなかなか。3センターの強烈な同サイドへのスライドでシティのパスワークの連続性を奪う。プレスには積極的に行かない2トップもサイドチェンジの阻害のためのプレスバックでは貢献。シティの大きな展開を邪魔する。

 守備の部分では手応えがあったブレントフォードだが、攻撃の面では陣地回復に苦戦。ロングボールのターゲットとして優秀なトニーとムベウモはどちらもスタメンには不在。ようやく復帰を果たしたラヤも序盤はキックのフィーリングに苦しむなど、前進の手段はほぼなし。攻撃を防ぐことはできても攻めいるタイミングまでは作るのが難しい状況だった。

 パスでの解決が難しそうなシティはドリブルでの解決を増やすように。スターリング、マフレズというカットインも縦もあるドリブラーを軸にブレントフォードの最終ラインを揺さぶる。途中からベルナルドが右に移動することが多かったのは擬似的にマフレズと同じ役割ができるからというのもあるだろう。ストーンズを起用した右サイドにはいつもほど旋回でのチャンスメイクができていなかった。

 スターリングのPK奪取はこのドリブル特化作戦の賜物だろう。これをマフレズが決めてシティが前半のうちに先手をとった。後半も大まかな展開はなかなか変わらず。ブレントフォードは苦しい状況が続く。

 そうした中でやってしまったのラヤ。自身のキックミスから試合を決定づける2失点目を許してしまう。前半途中から安定していたように見えたフィードの精度だったが、後半に再びエラーを起こしてしまった。

 必死をこいてボールを取り返しにいくブレントフォードだったが、涼しい顔でパス回しをするシティの前ではできることがあまりない。彼らが立ち上がりからプレスに行かなかったことが逆説的に正しいと証明されているかのようなボール回しの安定感だった。

 前半にこじ開けて、後半に試合を決めたシティの完勝。ブレントフォードはこれでリーグ戦5連敗。強豪が多い日程の中での成績とはいえ、やや低調さが気になるところである。

試合結果
2022.2.9
プレミアリーグ 第24節
マンチェスター・シティ 2-0 ブレントフォード
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:40′(PK) マフレズ,69′ デ・ブライネ
主審:ダレン・イングランド

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