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「Catch up Premier League」~Match week 24~ 2023.2.18-2.19

目次

アストンビラ【11位】×アーセナル【2位】

ラインブレイクの司令塔が決勝点を演出

 レビューはこちら。

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 8月以来の首位陥落となったアーセナル。チームは開幕以降最も大きな壁に阻まれているといっていいだろう。ここで彼らに立ちはだかるのはかつての指揮官と守護神がいるアストンビラである。

 ブレントフォードやエバートンなどここ数試合アーセナルには後ろを重くする仕組みを組んで戦うチームが多かった。それに比べれば、アストンビラの4-4-2は比較的オーソドックスな形でアーセナルに立ち向かったといっていいだろう。

 アーセナルは4-4-2で対峙してくるアストンビラに対して3-2-5という形を遵守しながら攻略に挑んでいくように見えた。なお、この配置の有効性が見える前に、ビラはワトキンスのロングカウンターから力業での先制に成功している。

 アーセナルの5レーン気味の攻撃はやや硬直しているようにみえた。特に左サイドはこの傾向が強い。大外のトロサール→ハーフレーンのジャカというボールの流れはアストンビラに完全に見切られているように見えた。アーセナルはむしろ、サイドに固執するのではなく、中央に鎮座するジョルジーニョにフリーでボールを持たせることができればチャンスが広がっているように見えた。

 ジョルジーニョはこうしたブロックを崩すための駆け引きは抜群。横パスを引き取った後に縦パスでスイッチを入れるのがベラボーにうまい。右サイドにおけるジョルジーニョの働きは大きく、アーセナルの同点ゴールもジョルジーニョの起点の深さを取るパスからだった。

 保持では徐々に解決策が定まりつつあるアーセナルだが、非保持においてはなかなか出足が鈍くビラの攻撃を食い止められない。ビラの2点目はアーセナルのプレスの連携ミスと縦パスにサリバが迎撃が出来なかったことがトリガー。その2つの仕様上の不具合にホワイトやラムズデールといった個人個人の対応ミスが重なった形だろう。

 リードを奪われたアーセナルは後半大きな展開を増やしながらビラのバックラインの高さを操るトライをする。しかしながら、ロングキックが精度も伴わなかったこともあり、後半も絶大な存在感を放っていたのは右サイドのジョルジーニョ。右大外のラインブレイクの司令塔と化していた彼からは引き続き多くのチャンスが舞い込む形となっていた。

 押し込む状況から同点ゴールを決めたアーセナルはマルティネッリでさらに左の大外に起点をつくる。同じくビラも交代で投入されたベイリーにヒーローになるチャンスが訪れるが、これはラムズデールのセービングにより惜しくも枠をとらえられない。

 オープンになった終盤、ついにこの試合初めてのリードを奪ったアーセナル。左の大外からのマイナス方向にバイタルでパスを受けたジョルジーニョがミドルを放つとポストの跳ね返りがマルティネスの背中に当たりオウンゴールを誘発。これが貴重な決勝ゴールとなった。

 ラストプレーでは「100回に1回しか入らない」GKの攻め上がりから、マルティネッリが追加点を決めて結果的には4得点での勝利を決めたアーセナル。立派な出来とは言えなかったが、未勝利に歯止めをかけてタイトルへのチャレンジにしていく姿勢を見せることに成功した。

ひとこと

 ビラは大量失点の試合の連続である。4失点目はおまけのようなものだから仕方ないとしても、アーセナルがばてるまでの70分付近までの後半の一方的な押し込まれ方は、コンディションに差があった状況を考えると足りないものを感じてしまう。

試合結果

2023.2.18
プレミアリーグ 第24節
アストンビラ 2-4 アーセナル
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:5‘ ワトキンス, 31’ コウチーニョ
ARS:16‘ サカ, 61’ ジンチェンコ, 90+3‘ マルティネス(OG), 90+8’ マルティネッリ
主審:シモン・フーパー

ブレントフォード【8位】×クリスタル・パレス【12位】

アタッカー増員とクロス攻勢は最後の最後で実る

 立ち上がり、ボールを持ちながら進めるクリスタル・パレス。ブレントフォードから迫られてしまったら蹴るというプランは非常にはっきりしていた。1回目の蹴っ飛ばしでアイェウに入れ替わられたベン・ミーに警告が出たのはブレントフォードにとっては誤算だっただろう。

 しかしながら、ブレントフォードがこの日採用していたフォーメーションは4-1-4-1。比較的ブレントフォードが静的に試合を進めたいときに採用する形である。よって、クリスタル・パレスにはそこまで激しいプレスがかかる状況はあまり多くはやってこなかった。

 であれば、ショートパスからの前進を目指すのかな?と思ったのだが、基本的にはミッチェルを大外に挙げる形を作りつつ、とっとと前線に長いボールを蹴ることが多かったように思う。バックラインでボールを動かしつつ、縦に鋭いボールを入れて一気に前進という流れでパレスは敵陣にボールを送る。アーセナルファン目線でいえば、あまりロコンガにボールが回ってこなかったので、信頼されていないのかな?と思ってしまったが、そもそもパレスはCHに司令塔タイプはいないし、こんなもんのような気もしないでもない。

 サイドから攻め手を探るパレスだったが、ブレントフォードの積極的な横スライドによって打開は苦戦。とりあえず守る!と腹に決めた時のブレントフォードは堅さがある。

 ブレントフォードは保持において縦に早いボールを付けながら進むことを狙う。よって、どちらのチームがボールを持っている時も非常に肉弾戦の様相が強い試合となった。

 ブレントフォードもパレスを同じく狙いとなったのはサイド攻撃。SBの背後をコンビネーションで抜け出す形を作るか、あるいはSBの手前からアーリー気味にクロスを入れるかのどちらかでゴールに迫っていく。

 だが、こちらもなかなか決定機を作るには至らず。前半は枠内シュートが多いスタッツになっていたが、この見た目のスタッツほど両チームに決定的なチャンスは訪れていないように思える。

 後半もどちらのものともいえない流れがダラっと続く立ち上がりになる。どちらかといえば、中盤でのボール回収からサイドへの素早い展開→クロスという流れが決まっていたブレントフォードの方が主導権を握っていたといえるだろう。

 だが、先制点を決めたのはパレスだった。右サイドのオリーズのクロスからぽっかり空いたエゼが先制ゴールを決めて見せる。

 この先制点でパレスは落ち着くかと思ったが、なかなか試合を制御できずに苦戦。むしろペースはブレントフォードに流れたといっていいだろう。終盤もクロスの爆撃からパレスのゴールを狙っていく。アタッカーを増員してさらにクロスに厚みをもたらしていく。

 クロス攻勢が実ったのは後半追加タイム。右サイドのクロスをジャネルトが仕留めて同点。終了間際のゴールでパレスから勝ち点3を取り上げることに成功したブレントフォードがホームで無敗記録を11に伸ばした。

ひとこと

 クリスタル・パレスは3-2-5をベースにするのであれば、できればもう少しボール保持で落ち着ける手段が欲しいところという印象を持った。リード後の試合運びを見ると、何が起きてもおかしくないように思えてしまう。

試合結果

2023.2.18
プレミアリーグ 第24節
ブレントフォード 1-1 クリスタル・パレス
ブレントフォード・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRE:90+6‘ ジャネルト
CRY:69’ エゼ
主審:ポール・ティアニー

ウォルバーハンプトン【15位】×ボーンマス【19位】

後半頭のギアチェンジは乗っかる側の勝利

 共に4-2-3-1のフォーメーションでスタートしたが、立ち上がりからボールを持っていたのはウルブスの方だった。バックラインが深さと横幅を取りながら、中盤が降りる動きを見せて3バック的にシフト。後方の数的優位を確保することでポゼッションを安定する形で動き出していく。

 実際、このボーンマスのこの選択によりウルブスのボール保持は安定した。降りていったCHから両サイドの高い位置の大外にボールを蹴り込む形で安全かつ正確にボールを届けてみせた。

 ボーンマスはここ数試合は保持でも非保持でも尖ったトライをしてきたチームではあるが、この試合では比較的オーソドックスな形に終始した印象だ。シンプルな4-4-2でウルブスのバックラインに対しても深追いをしない。ウルブスにボールを持たれることを全面的に許容していた。

 その分、ボールを持って攻める機会を確保するのに苦労したボーンマス。ゆったりとボールを持って攻撃することができない。相手の保持に対してスペースを与えない代わりにこの部分はトレードオフになっていた。

 敵陣に入り込む機会を許された形となったウルブスだが、この日は決め手となるサイド攻撃があまりお目にかかれないものに。前節のサウサンプトン戦で違いを作ったトラオレは、この日はサイドの打開にほとんど貢献できず。ボールの預けるところとしてはそれなりに信頼が合ったようにも見えたが、インサイドに入り込む形からゴールに迫るパターンをなかなか生み出すことができない。

 ボールを持っているボーンマスもボールを持っていないウルブスもチャンスを構築できない時間が続いた前半の45分。試合は後半に持ち越される。

 序盤、仕掛けたのはウルブス。ハイプレスを前半よりも積極的に行うことでテンポを掴みに行く。だが、ボーンマスはこのウルブスのペースアップについていく戦い方を選択。彼らもプレスをやり返し、リズムを上げて試合についていく。

 後半頭のテンポアップの応酬で利を得たのはボーンマスだった。移動式ポストマシンのソランケを使い、インサイドに入ってきたタヴァニアが決めてゴールを奪い取ってみせた。

 これでボーンマスは再び大人しく守る姿勢を強調するプランを採用するようになる。ウルブスは再びボールを持たせてもらうが、サイドのアタッカーからの打開策をなかなか見ることができない。結局はトラオレをはじめとするサイドアタッカー陣がクリティカルな攻め手を見せることが出来ず、ウルブスはチャンスメイクができない苦しみを味わうことになった。

 一方のボーンマスはバックラインが堅実。セネシはPA内をプロテクトする役割をきっちりこなし、ネトが守るGKの手前をプロテクト。PAの門番的な役割を果たして見せた。

 中盤より前のプレスも単発ではあるが悪くはない。ボーンマスはウルブスがスピードアップをしようする少し手前で的確な潰しでピンチを未然に防ぐことに成功する。人員を入れ替えながら攻撃の厚みを出そうと狙うウルブスだったが、前半も効いていないクロスに終始するだけでなかなかチャンスには迫ることが出来なかった。

 試合はボーンマスの勝利のまま終了。後半のギアチェンジをきっかけに貴重な勝ち点3挙げることに成功し、したたかに逃げ切って見せた。

ひとこと

 後半頭のワンチャンスで取り切るボーンマスのしたたかさが際立った試合だった。どちらに転んでもおかしくないなか中で重要な時間で勝利を掴んで見せた。これで普段やっているよな形でも躍動感が増える好循環になればいいのだけど。

試合結果

2023.2.18
プレミアリーグ 第24節
ウォルバーハンプトン 0-1 ボーンマス
モリニュー・スタジアム
【得点者】
BOU:49‘ タヴァニア
主審:マイケル・サリスバリー

ブライトン【6位】×フラム【7位】

恩師の顔を歪ませるソロモンの一撃

 上位陣にややガス欠感が見られることでCL出場権争いのチャレンジができているブライトン。対戦相手はブライトンの背後から上位を見つめるフラムである。

 序盤は明らかにブライトンのゲームだったと言っていいだろう。まずは三笘がご挨拶。大外からテイテイに仕掛ける形を見せる。だが、フラムのSBはそう簡単に破れるものではない。1回目のタイマンでゴールキックに追いやる結果を出し、テイテイもまた三笘に挨拶をする立ち上がりとなった。

 サイドは1on1を受け入れてくれそうなフラムだが、それは好調なSBを信頼してゆえのこと。ブライトンはこの形を作るだけでは突破の確証が得られるかは怪しい。だからこそ、次のプレーで三笘があっさりサイドチェンジを見せたのはさすがである。自らに縦以外の突破ルートがあることをテイテイに印象付け、右の大外のマーチにスペースがある状態での1on1を提供する。

 ビルドアップにおける動線が豊富だったのもブライトンの特徴である。まず、必ずSH-CHの背後のハーフスペースに人が1人立つ。そして大外にもう1人、さらには裏にもう1人立つのが約束事になっていた。誰がどこにいてもいいのだが、MFラインの背後のスペースを狙うのはトップの2人のどちらかであることが多かったし、DFラインの裏に抜け出す役割はWGであることが多かった。

 フラムのミドルブロックは彼らの大きな武器であったが、こうした豊富な前進手段に対して苦戦。背後のWGを使われたり、三笘を囮に抜け出してくるエストゥピニャンに手を焼くなどテイテイには負荷がかかる状況が続く。

 フラムは保持に回ってもなかなか呼吸ができなかった。自陣から脱出することすらままならず、20分手前でカウンターからようやくボールを運べるという有様。前線に起点がないことが非保持で押し込まれるフラムをさらに苦しめる形となっていた。ウィリアンにボールが入れば試合は落ち着くがなかなかそうした状態にならなかった。

 それでも非保持からペースをつかんだフラム。後方が積極的に縦パスの先に当たる覚悟を決めたことでライン間の起点を徐々に潰すことに成功。試合はフラットなペースに近づいてくる。

 後半、中央のスペースを潰されたブライトンはサイドに助けを求める。左の大外で張る三笘にボールが集中。ここからエリア内にクロスを上げていくが、ここで往年の決定力イップスが発動。なかなかシュートが枠を捉えられない。GKがレノというのも厄介な部分。精度の高いシュートストップでブライトンの先制点を阻み続ける。

 得点の欲しいブライトンが強引に試行回数を増やしていこうとする中でボールが徐々に行ったり来たりする展開に。こうなるとフラムにもチャンスがやってくる。前線にヴィニシウスという起点を作ったことと、右サイドにランプティを入れるという両サイドの攻撃性を増す采配をしたことでフラムにも保持においてはスペースが与えられるようになる。

 結果的に終盤に訪れた機会を仕留めたのはフラムの方だった。ヴィニシウスのキープから抜け出したソロモンが大仕事。かつての恩師のデ・ゼルビの顔を歪ませるソロモンの決勝点でフラムが劣勢の展開での勝ち点3奪取に成功した。

ひとこと

 この日のブライトンのように10回やれば7-8回勝てる内容の試合をどう処理するかは難しい。今節で言えばシティもそうなのだが、こうした試合って指揮官はどうしてるのだろうと思う。側から見れば次行ってみよう!でもいい気がするが、内容に引っ張られて成績を落とすチームも存在するので、一概にこの考え方でOK!ともならないなっていう。いや、難しい。

試合結果

2023.2.18
プレミアリーグ 第24節
ブライトン 0-1 フラム
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
FUL:88′ ソロモン
主審:ダレン・イングランド

エバートン【18位】×リーズ【17位】

止まりかけていた矢先のミスが試合を決める

 シンプルに落ち着かない試合だった。止まった方が負けというサッカーのルールにない分野で勝負をしているのかと勘違いするほど両チームは動きまくっていた。

 立ち上がりからボールは両軍を行ったり来たり。相手からボールを奪ったらとりあえず縦に進んでいく。両軍とも縦には早いが、ロングボールのターゲットとして確固たる信頼を置ける選手はいないので、とりあえず蹴って跳ね返ってきてを繰り返しながらボールが前に進んでいくことを繰り返していた。

 縦にガンガン進み、止まることが許されないサッカーである以上、ポイントとなるのは構図や仕掛けではなくシンプルなデュエルにおける優劣である。

    中盤で優位を取ったのはエバートンの方だった。開始直後、オナナのセカンドボールの回収からシュートに行くなど中盤でのデュエルはやや優勢。リーズもマッケニーが入った分、強くはなったが苦しんでいた部分もあった。

 一方でサイドアタッカーが前に進む身軽さでいえば現状はリーズに軍配。エバートンもサイドに追い込むことができればプレスに行くが、そこをニョントやサマーフィルが気合で打開するなどとても見ごたえがある戦いとなった。

 両チームの溢れる闘志は乱闘という形で消化されることに。マクニールとアダムスの喧嘩から当事者以外が感情を爆発させていたのが印象的だった。ちなみにドゥクレとマケニーが一番暴れていた。

 後半も前半と陸続き。その中で変化が見られたのはエバートンの右サイド。このサイドから積極的な攻め上がりからエバートンは打開を図っていく。

 ただ、60分を境にエバートンの強度は落ちてしまい、徐々にリーズが中盤で前進をしていくように。リーズにわずかに流れが傾きかけている時間帯に得点を取ったのがエバートンだった。決め手になったのはコールマン。右サイドの角度のないところから直接シュートを決めて貴重な先制点を確保する。

 リーズはインサイドに選択肢がなかったことを踏まえるとメリエのポジションミスといえるだろう。エバートンに疲れが見えている時間帯だったこと、ここ数試合の彼のパフォーマンスは良い流れで来ていたことを踏まえると悔しい失点となった。

 リードを得たエバートンはこれによりこの試合で初めてゆっくりとプレーするように。急ぎたいリーズはラターをトップに入れる形で4-4-2に移行する。

    ラター自体の背負う精度はそこまで問題になっている感じはなかったが、縦にパスを入れる精度やファウルスローなどからなかなかリズムをつかみきれない状態が続く。

 結局試合はそのまま終了。メリエのミスに漬け込んだエバートンが止まったら負けの一戦を制した。

ひとこと

 収まる拠点が見つからないエバートンが行き付いた先はひたすら運動量で圧倒という感じだった。多分、残り20分くらいは持たなさそうなので、あの時間帯に得点が奪えなかったら試合の流れは逆側に進んでいただろうと思う。

試合結果

2023.2.18
プレミアリーグ 第24節
エバートン 1-0 リーズ
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:64’ コールマン
主審:アンディ・マドレー

チェルシー【10位】×サウサンプトン【20位】

敵陣に人と時間を送り込む手段が欲しい

 リーグ戦でなかなか結果が出ないチェルシー。頼みのCLでも敵地で得点を奪えずに敗戦するなどポッターに対する風当たりは増すばかりである。そうした中で迎えるのはネイサン・ジョーンズを解任に踏み切ったサウサンプトン。一向に良くなる兆しが見えないまま最下位をさまよう姿にフロントは今季2回目の監督交代を決断する。この試合では暫定監督のルベン・セベスが指揮を執る。

 馴染みがあり、サウサンプトンによく似合う4-4-2でセベスはスタンフォード・ブリッジに挑む。これに対して、チェルシーはサイドに大きくボールを振りながらサイドの高い位置にポイントを作りながら攻撃の糸口を探る。

 馬力と縦パスで攻撃を前に押し出していたチェルシー。ただ、裏を返せばなかなかポッター就任以降に人とボールを同時に前に送る手段を持っていない。ここまではエンソ、ムドリクといった縦に早いパスへの依存度が高く、ボールは前に送れても人を前に送るのに苦労している。

 この日、推進力を見せたマドゥエケもどこか根性でボールを運んでいる感が否めなかった。右大外レーンはサウサンプトンの4バックがプロテクトしにくい外といえば外だし、構造的に殴っている!と言い張られればそれまでなのだが、マドゥエケのドリブルは味方が追いつく間もなくゴール方向に向かっており、スピードを緩める動きも少ない。よって、ゴールまで行ききれるかどうか?それでも咎められるかの2択に終始している感じが強い。

このマドゥエケの動きは今までのムドリクにより足の長いパスがドリブルに変わっただけという見方もできる。後方の列落ちによる数的優位の確保がボールと人を同時に前進させることにつながらないというのは難点である。

 サウサンプトンのボール保持はいきなりロングボールからスレマナがバディアシルが抜け出す形を作るなど、期待感がある立ち上がりだった。チェルシーは前からボールを阻害しに来ていたが、サウサンプトンはバックラインが広がることとCHがズレを作ることで簡単に相手を外すことが出来ていた。チェルシーはハイプレスの機能性に問題があるかもしれない。加入以降苦しんでいたトップのオヌアチュもチルウェルをターゲットにするというぱっと見ズルっぽい作戦でようやく起点になれていた感じである。

 チェルシーの守備で気になったのはサウサンプトンの選手の降りていく動きについていかないにも関わらず、後方に余っている陣形で守備がうまく守れている感がないことである。アスピリクエタが犯した自陣でのファウルはその典型例といえるだろう。このファウルからウォード=プラウズのお家芸といえる直接FKでサウサンプトンは先制ゴールを決めることとなる。

 後半、チェルシーの保持は外循環を使うことで安定しつつあった。その一方でマドゥエケのところは対面のプローが対応に慣れたことや、マドゥエケ自身の体力の問題からか徐々にトーンダウンしていくこととなった。

 そのため、ハイプレスにチャレンジするチェルシーだが詰まるくらいなら捨てるというスタンスがはっきりしているサウサンプトンに対してはカウンターで攻め込むきっかけをつかむことが出来ず。

 後半のサウサンプトンで目立っていたのはメイトランド=ナイルズ。左サイドで快足勝負を仕掛けてくる相手に健闘したといえるだろう。今季はなかなか貢献できていないシーズンだが、ここから調子を上げていきたい。

 ボール保持における局地的なデュエルを繰り返すチェルシーと、カウンターを繰り出して対抗するサウサンプトンという構図は試合の終盤まで続く。最後の最後で奮闘したのはバズヌ。シュートストップで役目をはたし、チェルシーに立ちはだかる最後の砦となった。

 試合はウォード=プラウズのFKで得たリードを守り切ったサウサンプトンの勝利。チェルシーは最下位相手のホームゲームもリーグ戦未勝利の沼を脱出するきっかけにすることが出来なかった。

ひとこと

 チェルシーは何よりも確実な陣地回復の手段を考えるところからだと思う。ハイプレスでもビルドアップでもいいので、人とボールが敵陣に多くある状況をより能動的に作りたい。

試合結果

2023.2.18
プレミアリーグ 第24節
チェルシー 0-1 サウサンプトン
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
SOU:45+1‘ ウォード=プラウズ
主審:デビッド・クーテ

ノッティンガム・フォレスト【14位】×マンチェスター・シティ【1位】

ワンチャンスもワンチャンス

 前節、フラム対策としてノッティンガム・フォレストが用意したフォーメーションは4-2-3-1。ミドルプレスを回避し、なるべく中央の網にかからないように左右のロングボールを増やしながら立ち向かうといったものだった。

 今節、彼らがマンチェスター・シティを迎え撃つにおいて用意したプランは先週のフラム対策が可愛く見える極端なものだった。ベースのフォーメーションは4-3-2-1というべきだろうか。とにかく重心は後ろである。ただし、4バックの泣きどころである大外にはSBがきっちりと迎撃。IHやアンカーが最終ラインにスライドする形で5,6枚で最終ラインが形成される。

 同サイド圧縮、そしてフリーは作らない。これがフォレストの基本である。そして奪ったら右サイドの裏である。アーセナル戦と同じ基準で考えれば、シティのこの日のフォーメーションはベルナルドを左のSBとする4バックである。だが、似たメンバー構成で挑んだアストンビラ戦を見ればわかる通り、ベルナルドが4バックの左に入るという状況をシティの非保持で顕在化させるにはある程度のボール保持の時間と頻度が必要である。

 ボールを持ったら右サイドの裏というセオリーが徹底されているフォレストがそうした保持の時間を作れるはずがない。よって、机上でいえばベルナルドの背後を狙うというフォレストの実情はこのサイドをカバーするラポルトとのやり合いになる。ベルナルドの裏をベルナルドが存在しない中で奪い合うというなかなか哲学的な試合になった。もっとも、トランジッション局面でこのサイドを守ることがシステムによって担保されているとも見れるけども。

 いずれにしてもフォレストの裏抜けは孤軍奮闘感が強かった。ギブス=ホワイトかジョンソンのどちらかが右サイドの裏を取るのだが、インサイドのサポートは間に合って1人。場合によっては角度のないところから個人で何とかしなければどうにもならない!みたいな場面も平気で発生する。もちろん、抜け出す前に囲まれたりパスがズレたりして終了することもあるので、フォレストの得点の糸は相当細いものだった。

 一方のシティはブロックの破壊にいそしむ。手ごたえは好調でサイドから深くをえぐりつつ、エリア内でガッツリ勝負ができている状態。立ち上がりからあわやという場面も作りまくっており、フォレストはいつ決壊してもおかしくない状態が続いていた。ロドリの1列前に上がってのヘディングの決定機はシティが陣形を押し上げながら試合を進めている証拠といえるだろう。

 先制点となったのはベルナルドの脱力系ミドル。押し込んでエリアの外から打ち抜くという解決策で前半の内にゴールをこじ開けて見せる。

 後半もペースを握ったのは当然シティだ。フォレストは前半以上に押し込まれてどうにもならない状況が続いている。48分のフォーデンの独走のシーンで失点しなかったのはフォレストにとっては奇跡だろう。試合を終わらせることができるタイミングでフォーデンは足を滑らせてしまった。

 それでもほぼディアスを後方に置く1バックのような形でシティは押し込む展開を続けていく。フォレストは後半途中からリードしているにも関わらず、ほぼ陣形が5-4-1のようになっていた。だが、シュートが決まらない。この日は頼みのハーランドも不発。クロスバーに当たったり、跳ね返りを押し込まなかったりと試合を決める2点目が入らない。

 そういう状況が続けばフォレストにチャンスがちっとも来ない状況でも「もしかして・・・?」と思ってしまうのがプレミアファンである。この試合に用意された筋書きは「右サイド裏抜けからのワンチャンスをクリス・ウッドが沈める」というもの。移籍後も目立ったパフォーマンスができないまま苦しんでいたウッドが同点に追いつく大仕事を成し遂げた。

 あとは徹底的に守備である。ローラインにおけるケイラー・ナバスの安心感は異常で、ここまでの数試合で冬にフォレストに来た意味をすでに証明し終わってしまった。ヘンダーソンの復帰で1試合も出ない状況に仮に陥ったとしても成功と断言できる補強である。

 大量のチャンスをフイにしてしまい、勝ち点をこぼしてしまったシティ。直接対決で下したアーセナルに首位を再び明け渡すという文字通りの三日天下になってしまった。

ひとこと

 こういう、シュートさえ!っていうシーンが何個も続いて勝てなかった試合ってどう反省すればいいんだろうね。

試合結果

2023.2.18
プレミアリーグ 第24節
ノッティンガム・フォレスト 1-1 マンチェスター・シティ
ザ・シティ・グラウンド
【得点者】
NFO:84‘ ウッド
Man City:41’ ベルナルド
主審:グラハム・スコット

ニューカッスル【4位】×リバプール【9位】

2敗目はシーズンダブル

 今季ここまでリーグ戦で敗れたのは1敗のみ。リーグ最少の敗戦数でありながら、直近3試合は全て引き分けと5位以下のチームに迫られる状況になっているニューカッスル。今節の相手はその「1敗」を喫した相手であるリバプールだ。クリスティアン・アツの家族がスタンドで見守っていることもニューカッスルの選手たちに静かな闘志を与えたことだろう。

 負けた相手にリベンジを果たしたいニューカッスルは立ち上がりから元気いっぱい。アルミロンを中心に速い展開でゴールに迫るが、ここはアリソン、ファビーニョ、ゴメスなどソリッドな動きを見せる守備陣にあっさりと阻まれる。ファン・ダイクの復帰で周りが自信満々でプレーできているのか、あるいはマージ―サイドダービーの勝利が彼らに自信を与えているのか、その両方という可能性もあるだろう。

 リバプールの保持の仕組みはなかなか面白かった。この日はここ数試合アンカーに入っていたバイチェティッチがIHに起用されていたのだが、時折、ファビーニョを押し上げるようにスライドさせるように動きがあった。

 左のIHが落ちてくるというのはチアゴもやっている形ではあるが、チアゴに比べるとバイチェティッチの降りる動きはよりアンカー的に中央側に動くことでファビーニョを押し上げるように見えた。バイチェティッチの方がより周りを巻き込んでの移動のように思える。

 リバプールの先制点もそんなアンカー付近の移動から。中盤の押し上げというややアシンメトリーな移動にニューカッスルがついていけなくなってのものとなった。面白いのでぜひ映像で見てほしい。決めたのはヌニェス。なかなか仕留められずに苦しんでいたストライカーについに先制ゴールを決めてトンネルからの脱出に成功する。相変わらずゴール前に顏を出すのがやたらとうまい。

 勢いに乗るリバプールは前半の内に2点目を決めてみせる。こちらを決めたのはガクポ。ターンから起点になっているバイチェティッチがまたしても重要な役割を果たしているのは見逃せないところ。すっかりリバプールの中盤を牽引する存在になっている。

 またしてもリバプール戦で思ってもいない試合運びになってしまうニューカッスル。だが、2失点した後もこの悪い循環の連鎖は続く。連鎖のトリを飾ったのはポープの退場。序盤に一回成功した飛び出しの再現を行ったのだが、ボールに回転がかかっていたのは計算外だったのだろう。急失速するボールを守ろうとした動きは結果的にハンドになる。

 このプレーは当然退場。そして出場停止の対象試合はカラバオカップのファイナル。カップ・タイド・ルールで2ndGKのドゥブラーフカもそもそも出場できないようで、ファイナルの舞台はアラン・カリウスが務めることが濃厚となった。

 ポープの退場はこの試合以降に与えるインパクトは特大だったが、1人少ない状態でリバプールに立ち向かうことの不都合はそこまで生じていなかったように思う。サン=マクシマンやイサクといったスピードスターを軸とした縦に早い攻撃によって、ニューカッスルは10人でも問題なくチャンスは作れていた。セットプレーでのチャンス構築も十分。数的優位を得たはずのリバプールはポープの退場後にやたらバタバタしてしまったように思う。

 後半もこの流れは継続。バタバタするリバプールに対してニューカッスルはイサクとサン=マクシマンを前に置く形でリバプールのゴールに迫っていく。リバプールは前半は比較的うまくいっていた高い位置からの迎撃が不発。無理な追い回しがむしろバックラインに負荷をかけてしまい、不要なピンチを招いてしまう節があった。

 ボールを持ちながら落ち着きたいリバプールだが、10人のニューカッスルの勢いに気圧されてしまい、アリソンの助けを借りる場面も少なくなかった。

 追いかけるニューカッスルも順調だったわけではない。70分にジョエリントンが負傷したところでついに中盤セントラルができる選手が尽きてしまい、リッチーを無理やり中盤で投入する。それでも最後まで速攻を軸にリバプールのゴールを脅かしたニューカッスルだったが、猛攻は実らず。今季2敗目はまたしてもリバプール戦という不思議な因果で5位後退することになった。

ひとこと

 ニューカッスルを叩いたことでリバプールはCL経由だけでなくリーグ経由でのCL出場権獲得の兆しが少しずつ見えてきている。とはいえまずは、レアル・マドリーとのCLに集中。CLの鬼との一戦は第三者としては非常に楽しみである。

試合結果

2023.2.18
プレミアリーグ 第24節
ニューカッスル 0-2 リバプール
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
LIV:10‘ ヌニェス, 17’ ガクポ
主審:アンソニー・テイラー

マンチェスター・ユナイテッド【3位】×レスター【13位】

カンプ・ノウ帰りに強さを見せる試合運びを披露

 上位2チーム次第では優勝争いに舞い戻ることも視野に入るマンチェスター・ユナイテッド。4つの大会をこなさなければいけないハードな日程という現実が夢を見ることを阻む部分もあるかもしれないが、ファンとしては望むことは許される順位表と言えるだろう。

 今節の相手になるのはレスター。やや安定感に欠けるものの瞬間風速で言えばプレミア随一と言える爆発力で絶賛大暴れ中。オールド・トラフォードでどれくらいやれるか?というのは彼らの試金石になる。

 試合はユナイテッドの保持からスタート。サイドからのクロスを軸にいきなりレスター陣内に攻め込んでいく。しかし、レスターもすぐに応戦。攻撃の軸になっているのは右のWGのテテである。テテはすっかりレスターの攻撃の中心。スピードだけでなく、きっちりと遅いドリブルを降りませながらプレーできることで、ボールを離すときのプレー精度が高くなっているのは彼の大きな魅力である。

 レスターの右サイドではカスターニュの出足が抜群で、対面のガルナチョを出し抜いての攻撃参加が効いていた。この右サイドのコンビが襲いかかることで、ユナイテッドはこちらのサイドに中盤を動員しながら守らなければいけないシーンが増える。

 バーンズもこれに触発されるように好調を維持。絶好調のアタッカー陣に引っ張られたレスターにいつ得点が入ってもおかしくない展開が続く試合となる。そんな状況に待ったをかけたのがデ・ヘアだった。彼らしい超反応でレスターに向かう流れを強引に堰き止めることに成功。前半だけでいくつかの決定機を防いでみせた。

 レスターが主導権を握ることができた大きな要因は中盤での競り合いで優位に立ったから。ユナイテッドが蹴ったハイボールの跳ね返しからあっさりとマディソンが前を向いてチャンスメイクするシーンが非常に多かった。

 カゼミーロがおらず、普段よりも中盤の強度が割引のユナイテッドは徐々にそれを理解した節がある。保持時は中盤はきっちりとベグホルストというポイントを使いながら起点を作り、過度に空中戦を増やさない方向性に調整を進める。前線のポジションの入れ替わりがいつもよりも激しいのも、相手についていくことで強引に解決を図るレスターDF陣の駆け引きとしては面白いものだった。

 強引さを減らすことで展開をフラットに戻したユナイテッドは前半のうちに先制点を奪うことに成功。ファエスのパスミスから一発で局面をひっくり返すと、最近はヒットマンと化しているラッシュフォードが今宵も一撃で仕留めることに成功。レスターのミスをリードに繋げて見せた。

 後半の頭はユナイテッドペース。初手からレスターのゴールに迫っていくと、ハイプレスで脱出を許さず一方的に攻撃を仕掛け続ける。中2日のユナイテッドとしてはなんとしてでも追加点を奪い取りたいところ。レスターからすれば、この一山を乗り越えれば自分たちに順番が回ってくるかもしれないと言った状況だった。

 どちらに流れがいくかという重要な局面の決着をつけたのはまたしてもラッシュフォード。わずかなラインの駆け引きを制して抜け出しての2点目をゲット。試合の流れを大きく引き寄せる追加点を奪う。

 こうなるとレスターは苦しい。倍々でリスクをかけるプレーを増やしていき、判断がどんどんと裏目に出てしまうように。食いつきがいいバックラインも流れがいい時は良さになるが、苦しい状況では無謀になってしまう。3失点目のファエスはその代表例だ。どこへでも食いついた結果、一番開けてはいけない中央のサンチョがフリーになってしまうというのは完全にリスクの判断が狂っている。彼の場合は狂っているからこそできるスーパープレーもあるのが難しいところだけど。

 試合はマンチェスター・ユナイテッドの完勝。カンプ・ノウ帰りの中2日という難しいミッションをクリアし、シティとの勝ち点差を3に縮めた。

ひとこと

 ユナイテッドの試合運びのうまさが際立った試合だった。レスターに流れそうな前半の制御の仕方や、後半頭の猛ラッシュなどポイントポイントできっちり自陣側に主導権を持ってくる振る舞いはチームとしての格が数段上であることを示していたと言えるだろう。

試合結果

2023.2.19
プレミアリーグ 第24節
マンチェスター・ユナイテッド 3-0 レスター
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:25′ 56′ ラッシュフォード, 61′ サンチョ
主審:スチュアート・アットウェル

トッテナム【5位】×ウェストハム【16位】

入れ替わった役割を生かしたのは

 暫定ではあるが勝てばCL出場圏内に復帰できるトッテナム。対するはこちらも勝てば降格圏を脱出できるウェストハム。どちらも3ポイントが欲しい試合である。

 ともに3-4-3を採用した両チーム。ボール保持側はバックラインからズレを作らなくてはいけない状況であった。その状況に真面目に取り組んでいたのがトッテナム。CHの関係性を調整しながらフリーの選手を作ろうと画策する。しかしながらスキップは早々にイエローカードをもらってしまうなど、トッテナムにとっては中盤でやり合うのにはリスクがある状態に。

 ウェストハムはバックラインに強くプレッシャーをかけてくるわけではないので、バックラインから運ぶズレを作るというのもトッテナムにとってはあまりスカッドに適していない要求となる。

 というわけで前線から降りる動きを見せることでフリーの選手を作るトッテナム。降りる選手に対するケアが甘いウェストハムの守備陣に対して、この動きからズレをつけるという解決策を提示する。

 クルゼフスキがいる右サイドを中心に降りた選手からゲームを作りに行きたいトッテナムだが、クロスの精度とボールの繋ぎの部分で特筆すべき部分を出すことができず。特にクロスはあと1つ山を越えれば決定機になりそうな場面はあった。実際の決定機自体は少なかったが、比較的にゴール前に迫る頻度は高かったと言える。

 一方のウェストハムは早い攻撃から活路を見出していきたいトライを繰り返していく。特に右のサイドのハーフスペースから抜け出しを狙っていくソーチェクはアバウトなボールでも収めてくれる貴重な存在。

 だが、ここから先の決め手がないのがこの日のウェストハムである。守備面で後方の選手がトッテナムの前線をきっちり捕まえにいくというところは修正されていたが、それもまた攻勢に出るきっかけにはならず。序盤以外はなかなかゴールに迫れる時間が作れないままハーフタイムをスコアレスで迎えることになる。

 後半、ボール保持に舵を切ったのはウェストハム。前半のように縦に急いで攻めるのではなく、ゆったりとボールを持ちながらトッテナム陣内の攻略を狙う。

 これにより、トッテナムは必然的にカウンターを狙うように。ブロック攻略とカウンター狙いの担当を入れ替えて両チームは後半に臨むこととなった。

 役割入れ替えの恩恵を受けたのはトッテナムだった。自陣からのホイビュアの長いパスに素早い出足を見せたデイビスとエメルソンのWBコンビで攻撃を完結。エメルソンのフィニッシュにファビアンスキは一歩も動くことができず、スコアをようやく動かす。

 苦しくなったウェストハムは保持に移って以降も攻撃の活路を見出せない状態となったのは同じ。打開できるポイントを見つけられないまま時間だけが進んでいくことに。

 トッテナムはオグボンナとの競り合いを制したケインがソンにアシストを決めて追加点をゲット。このゴールで事実上の完全決着。やや寂しい内容ではあったが、CL後の大事なリーグ戦を勝利で飾り念願のCL出場圏内復帰に成功した。

ひとこと

 ウェストハムの虚無ぶりはやや際立ってしまう内容。前後半でテイストを変えても何も起きなかったので、ウェストハムとしてはかなり重たい内容だった。モイーズの交代による手打ちの遅さもやや気になる部分だった。

試合結果

2023.2.19
プレミアリーグ 第24節
トッテナム 2-0 ウェストハム
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:56′ エメルソン, 72′ ソン
主審:マイケル・オリバー

今節のベストイレブン

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