■優勢に進めて仕上げはギャラガー
ホームのパレスは久しぶりに保持にのんびりした形で臨むことが出来た。3-2-5を基調にした変形はもうお馴染みのもの。前線から+1としてあらゆる場所に顔を出すことができるギャラガーが保持を落ち着ける役割をこなすことで、相手のプレスに屈することなく前進をすることが出来る展開に。
エバートンは高い位置からプレッシングに行くものの、ピッチを広く使ったパレスのビルドアップに肩透かしを食らう。特にアランに代わってCHでドゥクレとパートナーを組んだデルフはあまりに広い守備範囲を丸投げされるというエバートンのCHが日常的に陥っているワーカーホリック気味の状態にやや戸惑っているかのよう。
プレスをかけ切れないとみるとエバートンは4-1-4-1気味に構える形に変更する。パレスは敵陣に押し込んだ後は右のギャラガーを中心としたハーフスペースの裏抜けでPAに入り込もうとするも、やや一本調子の感が否めず停滞気味になる。だが、この日のエバートンは方向も強さもやたらクリアが甘く、パレスにセカンドチャンスを不用意に与えることが多かった。
パレスが得た先制点はエバートンのクリアが中途半端になったところを強襲したもの。セカンドチャンスから攻め込んだパレスが一歩前に出ることに。
後半もパレスは保持で落ち着いて試合を進める。プレス強度を上げたドゥクレの裏から無理なく前進することが出来ていた。62分に決めたセットプレーでの追加点でエバートンを追い詰める。
追加点と若干時間は前後するが、カウンターからの光が見いだせなかったエバートンはリシャルリソンを諦めてロンドンとゴードンを投入する。
こうなると前半よりはややマシになったエバートン。ただ、パレスも押し込まれる機会こそ増えたものの、体のぶつけ合いでわかりやすい後手を踏むまでには至らず。反撃としてのカウンターの策もザハがいれば用意できるし、問題なく対応していく。
70分、エバートンが1点差に迫る追い上げを見せるが、試合終盤に再びパレスが突き放す。格の違いを見せつけたのはギャラガー。この冬にもカムバックしてほしいとチェルシーファンが願ってもおかしくない活躍を続けるギャラガーのダイナミックなゴールで試合は完全決着。
エバートンは反撃の兆しを見せたものの、試合全体を通してみれば勝利にふさわしいのはパレスの方だった。
試合結果
2021.12.11
プレミアリーグ 第16節
クリスタル・パレス 3-1 エバートン
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:41′ 90+3′ ギャラガー, 62′ トムキンス
EVE:70′ ロンドン
主審:アンディ・マドレー