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「Catch up Premier League」~2021.11.30 プレミアリーグ 第14節 エバートン×リバプール ハイライト

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■ダービーの魔力の出番はなし

 ダービーの怖いところといえば、これまでの両チームの流れとは関係なく試合が推移すること。例えば、ダービーをきっかけに一気に上り調子になるチームも入れば、これをきっかけに一気にコンディションを落とすチームもいる。流れを変えるきっかけ、それがダービーである。

 しかしながら、今回のマージーサイドダービーはそのダービーの恐ろしさとは無縁。すなわち、両チームのここまでの流れをきっちりと反映した内容になったと言えるだろう。

 エバートンにとってはそもそもどう戦うかということ自体がかなり悩ましかったはず。彼らが得点を取るということに立脚した場合、じっくりとビルドアップから点が取れるケースは少なく、あまりここに取り組みたくはない。前節のブレントフォード戦などでは攻めあぐねた結果、スコアレスに終わっている。得点を取るならば速い展開の方がベターである。

 しかし、そのアップテンポな展開は今回の対戦相手のリバプールの真骨頂である。彼らはエバートンよりも速く、その上正確にプレーすることができる。というわけでエバートンは点を取るならば速い展開がいいが、そこは相手の得意分野という苦しみの輪廻に立ち向かうことになった。

 立ち上がりから試合はダービーらしいアップテンポな展開に。結局はやってみることにしたエバートン。しかし、激しい中でもファビーニョのサイドチェンジなど、エバートンのCHの守備範囲の広さに依存した守備を壊すような手段を有しているリバプールは確実にクオリティの差を見せつける。サイドから揺さぶりつつ最後はヘンダーソンが仕留めると、『速くてうまい』の究極体の存在のようなサラーがカウンター独走から厳しい角度で技ありの追加点を決める。

 20分でグディソン・パークの席をたつエバートンの観客はあまりにも諦めがよく見えるかもしれないが、今のエバートンでは敵わない相手に2点差という手が出ないシチュエーションに追い込まれたのは明らか。20分で力関係と厳しいスコアが突きつけられたのだから帰るのも無理はない。

 勢いのあったエバートンのプレッシングが相手のビルドアップを引っ掛けることがあったり、今季の希望の光であるグレイのゴールで1点を返したりなどはしたものの、90分間力関係は基本的には変わることなくリバプールの優位で推移する。

 後半もサラー、ジョッタが『速くてうまい』を体現するようなダイナミックさと技術を備えたシュートで隣人を突き放し、スコアの上でも4-1と完勝。

    ダービーという転換点になりうるシチュエーションを得意分野で一蹴したリバプール。好調の彼らにとってはダービーという魔法がかかりうる舞台装置も関係がないようだ。

試合結果
2021.12.1
プレミアリーグ 第14節
エバートン 1-4 リバプール
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:38′ グレイ
LIV:9′ ヘンダーソン, 19′ 64′ サラー, 79′ ジョッタ
主審:ポール・ティアニー

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