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「EURO2020ハイライト」~Group E Match day 1 ポーランド×スロバキア~ 2021.6.14

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■終着点の狙い撃ちでリスクが増加する

 立ち上がりからボールを持つのはポーランド。スロバキアはトップも含めてボールよりも自陣側に下がることでバリケードを張る。攻撃時はフリーマン的な役回りとなるハムシーク(みんな昔はハムシクって言ってなかった?)も守備には参加する。

 ポーランドのビルドアップはちょっとちぐはぐだった。後方の最終ライン3人+アンカーのクリホヴィアクの4枚でボールを持ちながら組み立てを狙う。しかし、このビルドアップの目的地をぼかしてくるのがスロバキア。SHが後方に下がる6バック的な守り方で最終ラインを埋める。そして、降りる選手には積極的に捕まえに行く。スロバキアは6バックでポーランドの2トップとWBの4枚を監視するので、数としては余る。これならば大エースのレバンドフスキにも複数人かけることはできる。

 しかし、スロバキアが狙いどころを定めようと、ポーランドの最終的な目的地はレバンドフスキ。ポーランドは4対6の状況でひたすら個人戦を仕掛けまくる状況に。強いて言えばスロバキアの左サイドのマクの戻りが遅れがちなところを狙い目だった。

 だが、これは明らかにポーランドにとってマイナス収支。猪突猛進な個人戦は実ることが少ない。ベクトルを変えたクリヒのアイデアが光った得点シーンを除けば、ポーランドの攻撃は軒並み不発といっていいだろう。むしろ、ボールロスト時はビルドアップのために横に広がった3CBとがら空きのクリホヴィアク周辺にスペースがわらわら。スロバキアがきっちりと反撃を行う隙を与えてしまっていた。アンカーのクリホヴィアクが退場まで追い込まれてしまったのは本人の軽率さに加えて、構造上の欠陥も大いに影響しているだろう。

 加えて、撤退守備でも難ありのポーランド。スロバキアの先制点のシーンは2人がかりでマクをサイドに追い込み、かつ背中向きにタッチラインまで追い込んだ。だが、ヨズヴィアクが急に挟み込みを解除したせいでサイドをあっさりと突破。シュチェスニーのオウンゴールを呼んでしまう。

 退場者を出すとより苦しくなったポーランド。押し込まれ続けるとセットプレーからシュクリニアルに決勝点を決められて万事休す。攻守の機能不全や退場者とポーランドにとっては踏んだり蹴ったりな第1節になってしまった。

試合結果
ポーランド 1-2 スロバキア
サンクトペテルブルク・スタジアム
【得点者】
POL:46′ リネティ
SVK:18′ シュチェスニー(OG), 69′ シュクリニアル
主審:オビデウ・ハツェガン

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