MENU
カテゴリー

「数的優位の時間帯で得たアドバンテージ」~2023.2.22 UEFAチャンピオンズリーグ Round16 1st leg インテル×ポルト マッチレビュー~

目次

数的優位を生かして終盤にアドバンテージを得る

 立ち上がりにボールを持ったのはホームのインテル。3バックとGKを使いながらボールを回していく。ポルトのフォーメーションは4-4-2ではあるが、人を基準としてついていく姿勢が強かった。そのため、4-4-2型の陣形は実際には保たれていないことがほとんどである。特に中盤の4枚は誰がどこまでついていくかは個人に任せられており、CHとSH問わず高い位置まで出ていくことを許されている。

 ポルトの守備の基準は人ではあるが、特定の相手に特定の選手がマークに出ていくことが決まっている感じはしない。誰が前に出ていっていいかも場合によって変わっており、その場その場の判断で誰がどこまで出ていくかを決めているように見えた。

 よってインテルがボール保持で行うことはどこに穴を開けることができるかである。バックラインのボール回しからそこを探るのがインテルの動き。アンカーのチャルハノールが浮けば逆サイドの深い位置までボールを繋ぐことができるので、まずはそこを目指していた感じがあった。そこからサイドの裏を目指してクロスを入れていくのがインテルの方針だった。

 インテルといえば、2トップのコンビネーションが主流ではあるが、そこまでは辿り着いていなかった印象。この辺りは無秩序に見えてるポルトの守備のバランスが絶妙なところで成り立っているということだろう。ノックアウトラウンドまで来たのだから伊達ではない。

 30分を過ぎると徐々にポルトにペースが流れるようになってきた。ポルトの保持は非保持ほどではないにせよ自由度が高かった。自由度が高いのはCHの2枚とトップ下のオタビオ。特にオタビオは最終ラインに落ちる動きや、左右に流れながらボールを受けるなど自由にポジションを取る。CHの2枚はオタビオの動きに合わせて高さを調節しているように見えた。

 CBが開く、SBが高い位置をとる、SHが絞るというフレームは決まっている分、非保持よりは動きは読み取りやすい。この上下左右にポジションを変える中央3枚の関係性でインテルに変化をつけていた。オタビオの降りる動きでインテルの中盤を引き出せれば上々。後方からのスルーパスでチャンスメイクをするなど、深い位置からの貢献度も十分。一度ボールを持った後の安定感もあり、インテルはボールを取り返すことに苦心していた。

 スコアレスで迎えた後半、まずはポルトが保持からシュートまで持っていく形からスタートする。インテルは大きい展開で左右のWBを狙いながら大きく左右に振る。ルカク、あるいはバレッラなどの右サイドの前線の縦パスで裏に狙うなど前半よりもダイナミックな展開が増えていく。

 一方でポルトはロングカウンターからシンプルにDFラインの背後を狙う形でゴールに迫る。タレミを軸としたカウンターで少ない手数でゴールに迫っていく。ともに少ない手数と大きな展開でボールを前に進める分、行ったり来たりの展開が続いていく。その反動もあってか、互いに間延びした状態で打ち合ったのち、70分付近で試合はトーンダウンするようになった。

 少し緩んだ状況を変えたのはオタビオの退場。これにより、インテルは総攻撃を仕掛けていく。結果を手にしたのはルカク。クロスを根性で押し込み、終盤にようやくゴールをこじ開ける。

 数的優位によって終盤に迎えたワンサイドの展開を制したインテル。まずは先勝で突破に向けて好スタートを見せた。

ひとこと

 ジリジリとした展開だっただけに大きな先制点である。どちらも相手の保持のターンを捻じ曲げるプレスを持っている感がなかったので、2ndレグではその局面で活路を見出したチームが一気に支配的な展開に持っていくことが出来ても不思議ではない。

試合結果

2023.2.22
UEFAチャンピオンズリーグ
Round 16 1st leg
インテル 1-0 ポルト
スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ
【得点者】
INT:86′ ルカク
主審:スルジャン・ヨヴァノヴィッチ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次