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「選んだ道の説得力」~2023.7.8 J1 第20節 川崎フロンターレ×横浜FC プレビュー

目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第20節
2023.7.8
川崎フロンターレ(10位/7勝4分7敗/勝ち点25/得点21/失点21)
×
横浜FC(16位/3勝5分11敗/勝ち点14/得点14/失点37)
@等々力陸上競技場

戦績

近年の対戦成績

直近10試合で川崎の9勝、横浜FCの1勝。

川崎ホームでの戦績

直近10試合で川崎の7勝、横浜FCの1勝、引き分けが2つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 川崎の対横浜FC戦のリーグ11連勝は5月の対戦でストップ。横浜FCが勝てば史上初の1シーズンで川崎にリーグ戦2勝。
    • 横浜FCは2002年以来21年ぶりの川崎戦勝利。
  • 川崎は直近のリーグでの横浜FC戦9試合で3得点以上を6回記録している。
  • 直近18試合のリーグ戦で先制したチームが勝ち点を取れなかったことはなく、直近12試合ではすべて先制したチームが勝利。
  • ホームでのリーグ戦では川崎が横浜FCに5連勝中。この間川崎は18得点、3失点。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • ジェジエウは左膝外側半月板損傷により長期離脱中。試合形式のトレーニングには復帰。
  • 田邉秀斗は左膝側副靭帯損傷で長期離脱。
  • マルシーニョは左太もも裏の肉離れにより3ヶ月の離脱。ランニングを開始。
  • 小林悠は右ハムストリングの肉離れにより6週間の離脱。
  • レアンドロ・ダミアンは左足関節捻挫により離脱。
横浜FC
  • 三田啓貴は1試合の出場停止から復帰。
  • ガブリエウは前十字靭帯損傷で離脱中。
  • カプリーニは左ハムストリングの筋挫傷で6週間の離脱。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 敗れれば今季3回目のリーグ戦連敗。
    • 2回目の連敗を喫した時の相手は横浜FCだった。
  • 直近6試合の昇格組とのリーグ戦で1勝のみ(D3,L2)。
    • 今季ここまで昇格組との試合は全敗。
  • 神奈川県内とのチームとのリーグ戦は直近4試合未勝利(D1,L3)
  • 等々力での公式戦は6試合負けなし(W5,D1)
  • 得点数は21でこれより少ないのは福岡、柏、横浜FCのみ。
  • ジョアン・シミッチ出場時のチーム平均失点は0.74でチームベスト、平均(1.16)を大きく下回る。
横浜FC
  • リーグ戦は直近5試合勝ちなし。うち3試合はノーゴール。
    • 最後の勝利は前回の川崎戦。
  • アウェイでの勝ち点は5でリーグ最下位。
  • 今季アウェイで勝ち点をとれたのは現状のテーブルで15位以下のチーム相手のみ。
  • 先制した公式戦の10試合のうち、半分は逆転負けしている。
  • 14得点はリーグワースト。今季のリーグ戦複数得点は2回だけだが、いずれも神奈川県のチーム(湘南、川崎)。
  • 移籍した小川航基はチームリーダーのリーグ戦6得点。個人のチーム得点占有率42.9%はリーグ最高値。

予習

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展望

隙を見せる相手には持ち味を発揮できる

 7月の川崎はハードモード。名古屋、神戸、横浜FMという上位3つと試合をするというのもさることながら、前半戦で負けている相手ばかりというのも見逃せないところ。

 川崎からすると7月はリベンジ行脚でもある。すでに名古屋に負けていることで出鼻をくじかれたスタートとなったが、ニッパツで21年ぶりに敗れた横浜FCにも負けるわけにはいかないだろう。

 横浜FCも川崎に勝利した以降は5試合リーグ戦での勝ちがないなど苦しい試合が続いている。差し迫った降格という危機があるという点で言えば、切迫感は川崎よりも上だろう。ここにきてG大阪が連勝を重ねたせいで降格争いはひとまず柏と湘南との三つ巴の様相になっている。

 基本的な戦い方は前回対戦とそこまで変わっていない。前の川崎戦は小川が累積警告で不在だったので、川崎は小川不在の横浜FCを先取りして経験したことになる。

 トップに入ることが多いのはその試合で先発した伊藤ではなくマルセロ・ヒアン。よりターゲットマン的な人選である。このヒアンがロングボールのターゲットになれるかどうかがポイントの1つになるだろう。

 競り勝つだけでも悪くはないが、できれば独力で前を向く形を作りたい。ポストなど周囲に前を向かせる部分やフィニッシュに向かうパスを出す部分はまだ時間がかかりそうだが、自分が前を向いた時の馬力は迫力十分である。ヒアンが前を向くことができれば陣地回復は十分に期待できる。

 先に述べたようにフィニッシュに向かう部分の連携はまだ。前線の補強がないのであればこうしたファストブレイクの連携を構築することが得点力不足解消のために必要になるだろう。ただ、基本的には彼へのロングボールは自陣からボールを逃がすという観点ではうまく活用できている。

 バックラインのパス交換にはそれなりにトライする方ではあると思うが、プレッシャーをかけられたら躊躇なく前に蹴っ飛ばす。安全第一のプレースタイルなのでプレスを受けても自陣でのロストは比較的少ない。

 その中でもズレを作れるという確信ができれば、ハイプレスを外していく。井上、ララのCHは最終ラインに降りたり、サイドに流れたりなど、ズレを作る方法を模索している。前回の川崎のように連動してないハイプレスをしてくるチームには強気でつないでくる。

 特に大外レーンでWBへのケアが遅れるチームには強気に出ていく傾向がある。サイドでズレを作り、相手の中盤をカバーに引っ張り出すと、逆サイドに展開して手薄なサイドからクロスを上げるという形ができれば、横浜FCは人数をかけた攻撃を繰り出すことができる。

 左のWBの林はインサイドへのカットインがうまい。外に矢印を向けた川崎の中盤の逆をとれれば、チャンスの可能性はぐっと高まるといえるだろう。WBのズレをベースとした横断をロングボール以外に繰り出すことができれば、横浜FCの攻撃の幅は広がることになる。

 非保持においては基本的には押し込まれることを許容することが多い。WBは相手のWGにピン止めされる形で最終ラインとフラットな高さをとる。よって、相手チームはサイドの低い位置でフリーの選手を作りやすい。

 トップのマルセロ・ヒアンはアンカーのケアを優先。プレスに出ていくのはナローに絞った2枚のシャドーであることが多いが、そこまで出ていくこと自体には積極的ではない。

 構造的にはサイドから受ける形が多くなりやすいが、エリア内の対空性能とブローダーセンのセーブ力で何とか耐えしのぐのが基本。押し込まれた後の塹壕戦はそれなりに手ごたえがあるが、攻めに転じる武器があまり多くないのが悩みということになるだろう。

シミッチの解放と右からのクロスの設計

 川崎からすると前回の横浜FC戦は非常に反省が多い試合となった。中でも問題になったのはハイプレスの機能性だろう。大島、家長あたりの運動能力というわかり切ったこと以上に目に付いたのは瀬古と橘田がやたらとプレスに出ていっては簡単に交わされてしまったことである。

 この試合以降、川崎はベースとして4-2-3-1気味にシミッチと大島を並べる機会を増やしていくように。名古屋のように極端にビルドアップに怪しさがあるチームは別だが、浦和や広島といったそれなりにボールを持てるチームに対しては撤退第一でブロック守備を組むことを優先するようになった。

 いわば、前回の横浜FC戦は4-2-3-1ベースの撤退守備+少ない機会でのカウンターからの得点というここ数試合の川崎の流れを決定づけるものとなった感じがある。ハイプレスは今の陣容では無理だから!と現実を突き付けてきた試合だ。事実、あれから橘田と瀬古のプレータイムは伸びていない。

 よって、まずはあの日横浜FCに許してしまったことをさせないことが重要になる。遠野は間延びするようなハイプレスをしない、中盤はサイドのフォローに出ていくのであれば、逆サイドに脱出をさせない。横浜FCに「ショートパスでも隙を作れるじゃん」と思わせてしまうと、前回の対戦のようにスカスカの中盤から浮いた逆サイドまで簡単に転換させてしまうことになる。

 守備では強引に飛び込んで傷口を広げないこと。前回の対戦で不在だった脇坂とシミッチは比較的このミスが少ないので、前回対戦よりはよくなるだろう。大島も低い位置での守備では存在感を見せている。重心を下げることになってもまずはきっちり受けることを優先したい。

 バックラインはマルセロ・ヒアンに前を向かせないこと。ロングボールの的としては実質一択感があるのでシミッチとはさみながら回収していきたい。スローダウンさせられれば、最低限の仕事をこなしたといえるだろう。

 まとめると川崎の守備の重要な点はまずは薄いサイドを作られてクロスを入れさせないこと。次に、近頃彼らが気に入っているバイタルでのパス交換を許さないこと。中央からボールサイドへの網を張って、サイドチェンジは最終ラインを経由させて時間を稼ぐことが重要になるだろう。

 保持においてはやはり低い位置でのサイドがフリーになる点は見逃せない。前回対戦では不発だった登里や山根がもらった時間をどう使うかは興味深いところ。左の大外に人が欲しい場合は終盤の佐々木投入も視野に入れる形だろう。

 シミッチの存在は保持においても前回対戦からの大きなプラス材料。ニッパツの乾燥したピッチの関係もあり、手軽にサイドを変えられない流れはいくばくか改善するはず。アンカー番はマルセロ・ヒアンが務めるが、動き回るネタラヴィについていききれないなど、シミッチがフリーになるきっかけは十分に作れる隙は与えてくれるはず。手薄なサイドをきっちりと作りたい。前節はそこまで存在感がなかった高井もこの部分での貢献を期待したい。

 横浜FCは前回対戦でも感じたようにエリア内での対空性能は高い。ハイクロスでは上背にアドバンテージがない川崎のアタッカー陣では崩せないだろう。この辺りは前回の名古屋戦でもふれたようにクロスの入り方。特に右サイドからのクロスの攻撃設計で違いを見せたいところである。

 ここは遠野の領分だろう。シュートに特化するのであれば数字が求められるのは当然。そのためにポジショニングの改善は欲しいところ。ファーでただ待ち構えるだけでなく、宮代の動きを利用したいところである。

 厳しい戦績の中で欲しいのは説得力だ。ハイプレスをあきらめた戦い方の有効性や、右サイドからの攻撃設計。怪我人が戻ってくるまでは粘りながら勝ち点を拾う戦い方になるのは仕方がないが、その中でもできることが十分にあるはず。決して華麗で魅力的ではない今のスタイルを正当化するために、必ず結果を手にしたいところだ。

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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