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「Catch up Premier League」~2021.10.17 プレミアリーグ 第8節 ニューカッスル×トッテナム ハイライト

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■高揚ムードで迎えた1000試合目は尻すぼみ

 憎きマイク・アシュリーという暗黒期にサウジアラビア資本の到来というウルトラCでピリオドを打ったニューカッスル。少なくともニューカッスルファンの多くはアシュリーの手からクラブが離れるというただ一点においてだけでも諸手を挙げて歓迎しているといった状況だ。

 そのため、この日のセント・ジェームズ・パークの雰囲気は異様だった。試合開始前から観客のボルテージは最高潮。客席にはサウジアラビアの王族のようなコスプレをしているサポーターまでいる始末だった。

 異様だったのはファンだけではない。ニューカッスルの選手たちもやる気満々。おそらく、ここから大きく手が入るであろうチームに対するアピールという側面が大きいのだろう。立ち上がりからシャカリキにプレスに行ってトッテナムを追いつめる。

 ニューカッスルが得た1点目はこの日の彼らの勢いにトッテナムが気圧されたかのようだった。怯んだトッテナムの守備はニューカッスルの自陣に迫ってくる勢いに耐えることが出来ず、最後はエリア内でウィルソンが叩き込みあっという間に開始から2分で早々に先制点を得る。

 しかし、落ち着いてしまえば現段階でどちらに力があるのかというのは明白である。トッテナムがニューカッスルのプレスを1つ外し、前に運ぶことさえできれば何の問題もなし。特にライン間のエンドンベレまでボールを運びさえすれば攻略ルートは選び放題。

 トッテナムのバックスは特に足元に長けた選手はいないが、ニューカッスルの中盤が展開が落ち着いている時に誰をどう守ればいいのかという点を整理できていなかったため、ダイアーやロメロは縦にパスを入れる勇気さえ出せばチャンスを作れる状況だった。

 大外を使って奥行きを作りエンドンベレの技ありシュートでまずは同点。そして、ケインの裏抜けであっさりラインブレイクをして追加点。トッテナムは目の前の状況に向き合って黙々とやるべきことをやっていた。CBは徐々にフィードに慣れてきたようで対角へのエメルソンへのパスなど、問題なく前進できるポイントを見つけて、ニューカッスルのプレスの心を折っていった。

 一気に厳しい状況になったニューカッスル。サン=マクシマンのカウンター、エメルソンを狙い撃ちしたロングボール、交代選手が入るたびに勢いが蘇生する前プレ。彼らの持っている武器はこんなところだろうか。

    プレスの効力の持続性を考えると交代選手が機能したとは言い難い。展開力を買われたであろうシェルビーはあっさりと退場。2枚目のファウルは確かに致し方なかったが、カウンターの打ち合いで警告で相手を止める機会が増えるであろう状況で1枚目のような不用意なラフプレーで警告をもらったのは、交代選手として試合の展開を読む力に欠けていたといわざるを得ない。

 というわけでトッテナムがやることは、交代するたびに蘇生する彼らのプレスに向き合うことくらい。難易度の高いわけではないミッションを淡々とこなしたスパーズ。最後の最後で1点差に追い込まれるオウンゴールを喫したのはご愛敬だが、試合のはじめ15分以外は彼らが支配したといって差し支えのない流れ。歓迎ムードに冷や水をぶっかけたトッテナムが連勝を飾った。監督として1000試合目の指揮となったブルースにとってはニューカッスルの監督として最後のゲームになってしまった。

 この試合は観客の中で急病人が発生するトラブルがあった。ひとまずはサポーターの方は容態が安定したようでなにより。レギロン、ダイアー、ヘイデンをはじめ、勇気をもって適切で迅速な処置に当たった両軍の選手、スタッフには大きな敬意を表したい。

試合結果
2021.10.17
プレミアリーグ 第8節
ニューカッスル 2-3 トッテナム
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:2′ ウィルソン, 89′ ダイアー(OG)
TOT:17′ エンドンベレ, 22′ ケイン, 45+3′ ソン
主審:アンドレ・マリナー

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