Fixture
プレミアリーグ 第28節
2023.4.1
アーセナル(1位/22勝3分3敗/勝ち点69/得点66 失点26)
×
リーズ(14位/6勝8分13敗/勝ち点26/得点35 失点44)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
過去10回の対戦でアーセナルの8勝、引き分けが2つ。
アーセナルホームでの成績
過去10回の対戦でアーセナルの7勝、リーズの2勝、引き分けが1つ。
Head-to-head from BBC sport
- アーセナルは直近13試合のリーズ戦で無敗。11試合で勝利を挙げており、残りの2試合はドロー。
- リーズの直近のアーセナル戦での勝利は2003年のハイバリーでのプレミアリーグ。マーク・ビドゥカの決勝ゴールで3-2での勝利。
- リーズは直近13試合のアーセナルとのアウェイゲームでクリーンシートはなし。この間31失点を記録している。
スカッド情報
- トーマス・パーティはすでにトレーニングに合流済み。
- ふくらはぎの怪我をしていたキーラン・ティアニーは回復したが、背中を負傷したウィリアム・サリバは引き続き欠場。
- ウィルフリード・ニョンとはマルタ戦で足首を負傷し欠場。
- マックス・ウーバーは太ももの張りで欠場。ふくらはぎに問題を抱えているタイラー・アダムスもフィットしない可能性。
- リアム・クーパーはスコットランド代表におけるスペイン戦の交代出場で負傷からカムバックした。
Match facts from BBC sport
- ニューカッスルに並び、リーグにおける今季最長記録となる6連勝中。
- 2018年のウナイ・エメリ政権下以来のリーグ戦7連勝を目指す。
- 10試合を残し、昨シーズンの勝ち点に並ぶ。
- 今季、ボトムハーフとのホームゲームは7戦全勝しており、うち6試合で3得点以上を決めている。
- ブカヨ・サカは12得点、10アシスト。22-23シーズンにおいてゴールとアシストを共に2桁記録した最初の選手となった。
- 直近2試合のプレミアで無敗。この間6得点を挙げている。
- 今季のトップ6とのアウェイゲームはここまでの4試合で1敗のみ。トッテナム戦の4-3。
- プレミア首位とのリーグ戦は23回で2勝のみ(D9,L12)
- トップリーグにおけるアウェイ300勝まであと1勝。
- ハビ・グラシアはワトフォードの監督として臨んだアーセナル戦は全敗。トータルスコアは0-6。
- ジャック・ハリソンはリーグ戦連続得点中。それ以前の29試合でリーグ戦2得点だった。
予習
第26節 チェルシー戦
第27節 ブライトン戦
第28節 ウォルバーハンプトン戦
予想スタメン
展望
尖りが覆い隠していたもの
影響力が色濃い監督が去った後に、後任が試行錯誤に励むものの、前任者の亡霊に悩まされてしまい、なかなかうまくいかない。時には直後だけでなく、2つ3つ後の監督も亡霊に悩まされることになる。世界各国に溢れるサッカーあるあると言えるだろう。
もちろん、プレミアリーグも例外ではない。遡ればモウリーニョのチェルシー、ファーガソンのユナイテッドなどが近年の代表例と言えるだろうか。リバプールとかマンチェスター・シティなども悩まされる未来が待ち受けている可能性があると言えるだろう。今の段階では想像しにくいがアルテタが去った後のアーセナルにもひょっとすると悩まされる未来が待ち受けているかもしれない。
なんでこんな話をしているかというと、今まさにリーズはこれに悩まされているチームのように思えるからだ。ビエルサ以降のリーズは新しいスタイル探しの旅の終着点が見当たらずに困っているシーズンを過ごしている。
確かにビエルサのスタイルは極端であり、1シーズンを落ち着いて戦える類のものではなかった。属人性も高く、負傷者の多かった当時のリーズにおいてはどちらかといえばビエルサのこだわりが裏目に出てしまうことも珍しいことではない。よって、当時の解任がやむを得なかったのは確かだろう。
だが、リーズはそのスタイルの尖り方に助けられていた部分もある。尖りによって、スカッドの脆さを隠していたというか、尖らせることでプレミアの猛者たちと渡り合っていた節があるというイメージである。
今のチームを見ると、ビエルサの尖りをなくした結果、どこに辿り着くかがあまり見えてこない感じがする。少なくとも、ビハインドになっても強引にトップからのチェイシングを行わないあたり、これまでのリーズとは違うんだなと思う。
プレスに出ていくことでもちろんリスクはある。だが、出ていかないことでどう守るのか、または高いところからボールを奪うという手段を失ってしまった中でどうやってゴールを奪うのかの両面で苦しくなっている。
開幕からのプレーを牽引してきたフレッシュな選手たちもやや翳りが見えてるのが気がかりだ。代表例となっているのはアーロンソン。反転して何もかも置き去りにするような攻撃における勢いは削がれてしまい、W杯を境に勢いは翳り気味。どことなくリーズの今季の流れとリンクしているように見えて切ない。
サマーフィルも思ったよりもプレータイムを伸ばしきれず、ニョントは台頭しているが、代表戦の負傷でこの試合には間に合わない様相。苦しい台所事情になかなか光が見えない。
そんな中で頼りになっているのはベテラン勢。ハリソンがゴールという目に見える形でチームを牽引しているし、バンフォードも中断前のラストゲームではポストプレーで少ない手数での攻め手を成立させつつ、ワンチャンスでゴールを決めていた。ビエルサ時代の主力だった彼らが今のリーズの攻撃陣の命綱である。
4-4ブロックで構えることを許さない
アーセナルも各ポジションに離脱者を抱えているリーズほどではないが、スカッドに不安要素がある終盤戦を迎えることになる。懸念は最終ライン。冨安はすでにシーズン終了してしまったし、サリバのカムバックも現段階では不透明。それだけに1つ1つの試合を丁寧に相手を攻略する必要がある。
リーズのプレッシングはオーソドックスな4-4-2。トップが常にバックラインにプレッシャーをかけるわけではなく、むしろアンカーを受け渡しながら慎重に守っていくスタンスを取ることが多い。
よって、アーセナルに求められることは2列目からきっちりと相手を引き出す必要がある。リーズがこれまでのようにプレッシングに関して慎重に振る舞うのならば、アーセナルは3-2-5に変形する最近の形は効いてくるはず。最終ラインを3枚にすれば、リーズの2列目から人は出ていかざるを得ないし、おそらくその役割はSHになるだろう。
ということはバックラインが3枚目を引き寄せられれば、その背後ではアーセナルのWGとリーズのSBが1on1の形をリーズのSHのフォローがない形で作ることができる。リーズのCHが代わりにカバーに入ろうとすれば、今度はバイタルが空く。このように連鎖的に相手の空いたスペースに入り込むことがアーセナルの保持の理想系である。
リーズはそこまでコンパクトではないが、攻略は焦らないこと。2列目から3人目をきっちりと引き出して、後方で4-4ブロックを形成することを許さない。左右に歪みがある状況を作り、リーズに常に対応が必要な状況を作り出してから攻略をしていきたい。
守りの方においてはロングボールからの攻撃パターンの構築は食い止めたい。バンフォードは手強い相手ではあるが、ホールディングからすればスピード面というわかりやすい弱点をつかれるタイプではない。それだけにリーズに少ない手数で攻撃を成り立たせる楽をさせることは避けたいところ。
ニョントが不在のサイド攻撃は同数で受け止められる公算は十分に立つはず。中央で起点作りを許さなければ、早い攻撃でも遅い攻撃でも簡単に攻撃のパターンは作ることができない。相手には楽をさせず、自分たちも楽をせずにリーズ攻略を進めていきたい。