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「Catch up FIFA World Cup QATAR 2022」~2022.11.21 Group B 第1節 アメリカ×ウェールズ ハイライト~

■ムーア投入と千両役者の躍動で巻き返したウェールズ

 イングランドがイランに圧倒的な差を見せてスタートしたグループB。イランを叩き、イングランドには苦しい戦いになることが既定路線となるならば、ウェールズとアメリカにとってはこの開幕節は2位争いのライバルとの対戦ということになる。勝った方が大きく優位に立つ重要な一戦だ。

 試合の構図としてはウェールズの5-3-2に対してアメリカがボールを持ちながら解決策を見つける試合となった。基本線となったのはバックラインのSBを片方上げる形での3バックにアンカーのアダムスが加わる3-1ブロックで後方を形成するパターン。5レーンに対して余剰な人員を1人加えることによって不確定要素を増やしていくこのアプローチでポゼッションをする側のチームが陥りやすい停滞感を回避していく。

 アタッキングサードにおいては、右サイドから裏抜けを図るウェアと左サイドに流れる形も作るIHのムサがプリシッチをサポートする形からチャンスメイク。両サイドから外を回る形でエリア内に迫っていく。だが、サージェント1枚ではややハイクロスだけでは物足りない。ビルドアップでの前進はスムーズだったアメリカだったが、高い位置での仕上げという意味ではもう一声欲しいという状況だった。

 一方のウェールズもボールを持つとじっくりとポゼッションに移行する。アメリカに比べるとボールを持つ機会自体は少なかったが、一度ボールを持つことができれば縦に急がずに前に進む手段を模索する。

 最終ラインでのボール回しは基本的には3枚。GKを組み込みCB2枚でGKを挟む形を作るか、3バックがベーシックに並ぶ布陣通りの並びの2パターンで最終ラインに3枚を用意する。

 サイドを経由しながらボールを回し、アメリカの3センターの背後を狙う形を作っていきたいウェールズ。しかし、3センターの背後でボールを受けても2トップのベイルとジェームズはあっさりと潰されてしまい何もできず。そもそもボールをクリーンに前進できる場面が少ない上に、敵陣に迫ると手段がなくなってしまうウェールズにとっては攻め手が乏しく苦しい状況となった。

 アメリカとすれば、ベイルとジェームズのところをボールの取りどころにしてカウンターに移行したかったところだが、早い攻撃においてはスピードアップしきれず。ウェールズの攻めの詰まりを生かしきれていたというわけではなかった。

 それでも、ボールを持った時に主導権を握ったアメリカは前半のうちに先制点をゲット。サージェントのポストから落としを受けた攻撃を加速させると、最後はウェアが決める。前半、もっとも綺麗な形で前進することができたシーンをアメリカがきっちりとスコアに結びつけて見せた。

 ビハインドとなり苦しい状況になったウェールズはハーフタイムにムーアを前線に投入。これが効果抜群。左右への動きだしとハイボールを収める力を発揮することができるムーアの登場で、ウェールズは明確に攻め手を作ることができるようになった。

 ウェールズは選手交代でセットプレーも強化。一気に得点の可能性を高める。オープンプレーにおいても、ムーアのポストからフリーで受けた選手が大きな展開からサイドの奥を狙う形を狙えるようになる。だが、こちらはサイドチェンジの精度がもう一つ。せっかくの好機につながりうる局面を台無しにしてしまう場面が目についた。

 苦しい状況になったアメリカ。ゴールマウスを守るターナーの奮闘でなんとかリードを守り続ける。右サイドからのクロスで反撃を狙っていくが、交代選手の働きはウェールズに比べると単調でアクセントを作るのに苦労していた印象である。

 優勢だったウェールズが追いつくチャンスを得たのは80分過ぎのこと。右サイドのスローインを素早くリスタートすると、ラムジーがエリア内に走り込みながらボールを引き取る。そのラムジーからのラストパスに入り込んだベイルがジマーマンに倒されてPKを獲得。これ以上ないチャンスを得る。

 ファインセーブでアメリカのゴールに鍵をかけてきたターナーと、ウェールズをW杯に導いた立役者のベイルのPKはかなり画になった。このPKはベイルに軍配。コース、速度ともにGKにとっては事実上ストップ不可能なPKをこの場面で蹴って見せるベイルはやはり千両役者。いつだってウェールズを救ってきたのはベイルである。

 ここまでワンサイドゲームややや緩んだ雰囲気が多かった試合が多かった今大会において、ようやく訪れた手に汗握る好ゲーム。前半に主導権を握ったアメリカとムーアの投入で反撃に出たウェールズはともに見せ場を作り両軍のサポーターを沸かせてみせた。

試合結果
2022.11.21
FIFA World Cup QATAR 2022
Group B 第1節
アメリカ 1-1 ウェールズ
アル・ライアーン・スタジアム
【得点者】
USA:36′ ウェア
WAL:82′(PK) ベイル
主審:アブドゥルラフマン・アル=ジャシム

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