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「Catch up Premier League」~2023.5.24 プレミアリーグ 第32節 ブライトン×マンチェスター・シティ ハイライト

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デ・ゼルビの対シティマンツーリバイバル

 あと1ポイントでEL出場権が確定するブライトン。過密日程による疲労が深刻化する中で今節の相手となったのは王者であるマンチェスター・シティだった。

 前回のブライトンのシティ対策のアプローチは極端なマンツーマン主義。アーセナル戦でも見せて成功したマンツー主体のハイプレスをシティ相手に実践できるかどうかがキーになっていく。ちなみに前回のシティ戦ではマンツーをエデルソン→ハーランドであっさりこじ開けられている。

 ブライトンの選んだプランはマンツーのリバイバルである。ただし、後方のハーランドには1枚でマークするのは大変なので、マークを余らせたい意思は感じる。例えば、ベルナルドにファン・ヘッケがついていくのならば、グロスは自陣の深い位置でハーランドを挟めるような場所を取るとか。

 しかしながら、このやり方には当然欠点もある。単純なマンツーよりも都度個人の判断で出ていくかどうかを決めるので、ズレが発生しやすい。さらには後方ではハーランドを放っておけない事案が発生し続けていたため、ブライトンの守備者は前方への支援か、それとも後方の枚数確保を優先するかの選択肢を選ぶことになる。

 このズレをシティは見逃してはくれない。ベルナルドの降りるアクションでギルモアに陽動を仕掛けたり、グロスが絞る分フォーデンが大外でフリーになったり、あるいは後方からリコ・ルイスが加勢したりなど。シティは左サイドを中心にあれやこれやを仕掛けてくる。

 もとはといえば、ハーランドに2人つけないと無理!から始まっているデ・ゼルビのマンツーリバイバル。となると当然ハーランドに1人しかいない!というバグも発生しうる。

 先制点はまさしくその形を誘発する動きだった。ハーランドが柔らかいポストで味方に預けて動きなおすと、ファン・ヘッケを振り切って独走。余裕をもってフォーデンにラストパスをアシストする。ハーランド、降りてワンタッチを行った後の動きなおしがシーズンを通して非常にうまくなったように思える。

 一方のブライトンの保持は安全第一。後方で固定砲台となっていたスティールから一気に前線にフィードをつける。CFのウェルベックを狙うパターンもあったが、彼らの背後を取るようなWGに直接ボールを当てるやり方もあった。いずれにしてもグラウンダーではなくロングボール一発にこだわったのはいつものブライトンとの相違点だ。

 しかしながら得点につながったのはそうした工程省略型のアプローチではなく、自陣からのCBの持ち運びから。コルウィルのキャリーからライン間に入り込んだエンシソが距離のあるところから右足一閃でミドルを振りぬく。これがネットを揺らし、試合は振りだしに。

 先制点で勢いがついたかブライトンは攻勢に。三笘→ウェルベックなど徐々にお決まりのパターンが見えるようになってきた。

 後半もトランジッションが多く、相手へのプレス強度が高い試合を展開していく。特に非保持で強度を見せたのはシティの方だった。後方の強度はもちろんのこと、中盤のプレスバックと挟み込みの強度がなかなか落ちずに徐々にブライトンはシティに苦しめられるようになってくる。

 だが、シティもメンバー交代を行う上ではこの日の出来以外のプレータイム配分を考えている節があった。よって、選手交代後に緩やかに試合はトーンダウンしていった。

 それでもブライトンの攻撃は受け切り、かつ、プレス回避から余裕を見せたシティは終盤も試合をコントロール、これ以上、ブライトンにゴールに迫ることを防ぎ、試合はドローのままフィニッシュを迎えた。

ひとこと

 デ・ゼルビのワンツーのリバイバルは面白かった。プレスはほっとけないCFがいること起因で歪んでいたけども。この部分は仕方ないところだろう。

試合結果

2023.5.24
プレミアリーグ 第32節
ブライトン 1-1 マンチェスター・シティ
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:38′ エンシソ
Man City:25′ フォーデン
主審:サイモン・フーパー

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