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「ギャップを埋まる前に活用」~2023.7.12 天皇杯 3回戦 川崎フロンターレ×水戸ホーリーホック プレビュー

目次

Fixture

天皇杯 3回戦
2023.7.12
川崎フロンターレ
×
水戸ホーリーホック
@ケーズデンキスタジアム

戦績

近年の対戦成績

直近10試合で川崎の8勝(PK戦含む)、水戸の1勝、引き分けが1つ。

水戸ホームでの戦績

直近10戦で川崎の9勝、水戸の1勝。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近5試合の公式戦は川崎が全勝(PK戦を含む)
  • 直近9試合の水戸ホームでの川崎戦は川崎の全勝。
    • ただし、直近6試合は全て1点差での勝利。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • ジェジエウは左膝外側半月板損傷により長期離脱中。試合形式のトレーニングには復帰。
  • 田邉秀斗は左膝側副靭帯損傷で長期離脱。
  • マルシーニョは左太もも裏の肉離れにより3ヶ月の離脱。ランニングを開始。
  • 小林悠は右ハムストリングの肉離れにより6週間の離脱。
  • レアンドロ・ダミアンは左足関節捻挫により離脱。
水戸ホーリーホック
  • 黒石貴哉は右ハムストリングの肉離れで離脱中。
  • 大崎航詩は左腓骨骨折で離脱。
  • 後藤田亘輝は左ハムストリングの肉離れで離脱中。
  • 永長鷹虎はレンタル規定により出場不可。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • アウェイでの公式戦は2戦勝ちがなく、直近6試合で1勝のみ。
  • 直近2年の天皇杯はいずれも等々力で敗退している。
  • 下部カテゴリーのチームに敗れれば2年連続のこと。
  • 3回戦は直近3回いずれも90分で勝ち上がることができておらず延長戦、PK戦、90分での敗退が1回ずつ。
  • 山田新が今季得点を決めた対戦相手は3つ全て関東のチーム。
  • 今季アウェイで達成した唯一のクリーンシートは5月の京都戦。GKは上福元直人が務めていた。
水戸ホーリーホック
  • 直近6試合の公式戦において連敗も連勝もない。
  • 直近6試合でクリーンシートはなし。前回のクリーンシートは天皇杯2回戦の山口戦。
  • 後半の得点は24得点で総得点の77%。
  • リーグ戦では45失点を喫しており、大宮(46)に次いで多い。
  • ホームゲームは公式戦直近4試合無敗(W3,D1)。
  • 寺沼星文はリーグ戦6得点でリーグリーダー。うち4得点は途中出場から得点を決めている。

予習

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展望

押し込まれずにクロスを結ぶ

 天皇杯3回戦の相手は水戸。両チームの前回の対戦は5年前。同じく天皇杯で川崎が水戸をPK戦の末下して以来の再戦となった。

 水戸は現在J2では18位。苦しみながらのリーグ戦となっている。水戸のフォーメーションは基本的には3-4-3と4-4-2を行ったり来たりという感じ。ファジーに2つのシステムを行き来している。

 配置がより明確なのはボール保持のフェーズだろう。こちらは3-4-3に傾倒して振る舞うことが多い。バックラインの3枚は中盤が最終ラインに加わるサリーではなく、バックラインのスライド。2人のCBに加えて3人目としてLSBの石井が加わるケースが多い。

 左右の幅は左はSH、右はSBとアシンメトリーな構成に。攻撃は外循環でボールを動かしており、大外から解決策を探す傾向が強い。大外の選手はボールを受けると積極的にクロスをエリア内に放り込んでいく。

 攻撃の主軸を担うのは右の大外をとる鵜木。水戸の保持のメインストリームは大外からのクロスの出し手と受け手をどのように結びつけるかにかかっている感じがするが、出し手の目立っているのは鵜木である。

 インサイドはベースが4-4-2なだけに基本的には2トップがクロスにガンガン入っていく動きを行なっていく。エリア内に枚数を揃えるということは問題なくできていると言えるだろう。クロスはファーを狙うことが多く、特にCBが上がってくるセットプレーのような局面はチャンスにつながっている印象である。

 前線で活躍できるキャラクターは泥臭くフリーランができるパーソナリティを持っている。ライン間でボールを受けることができる小原などはいわき戦のような非常にオープンな展開で、工夫せずともインサイドがとても間延びしている状況でなければ、狭いスペースで輝くことができない。

水戸は保持で相手を動かしていくようなアクションをするのは苦手なのである。そういった繊細な形よりも、梅田、草野といったフリーランで相手のDFラインを下げることができる選手でダイレクトに解決していく形が狙いになっていくだろう。クロスのターゲットとしては寺沼が目立っている。

 守備においては4-4-2がベースながらSHは自陣側に下がることを厭わない。特にボールサイドのSBが迎撃した時はDFラインが横にスライドするため、逆サイドのSHが低い位置を取ることもしばしばである。3-4-3と4-4-2の行ったり来たりポイントは非保持においてはここになる。

 ただ、正直いって得意な守備の形はそこまで見えてこないのは気になるところ。高い位置からCBにプレッシャーをかけにいくことはなく、相手のCBにボールを持たせることは許容する。かといって、ライン間をコンパクトにするなどの自陣でのブロック守備が得意かと言われると難しいところ。前節は5-3-2で専制守備を敷きたい感じも見えたのだが、30分で2点差をいわきに逆転されるというなかなかパンチのある展開だった。

 よって、水戸が目指すべき方向性はまずなるべく押し込まれる機会を減らすこと。そして、無理なくボール保持を行い、サイドからのクロスを受け手と出し手で結びつけることも必要になるだろう。

まずは横、次は縦

 3回戦は近年の川崎にとっては鬼門。なかなか簡単に勝ち上がれる印象がないし、昨年はついに負けてしまった舞台となっている。

 川崎としてはまずはボールを持ってきっちりと押し込むこと。水戸としてはカウンターにはそれなりに脅威は存在するが、押し込んでしまえばロングカウンターを1人で運ぶことができるFWはおらず、なかなか助けがもらえない状況も珍しくはない。

 よって、バックラインも繋いでプレスを回避することは得意ではない。つまり即時奪回から攻撃を続けることも期待できるだろう。相手の守備の機会を増やし、守護神の山口を含めた水戸の最終ラインにプレッシャーをかけていきたいところである。

 押し込んだ守備を攻略するポイントはスライドする水戸の守備陣の性質を利用できるかどうか。大外にボールをつけることができれば、水戸のバックラインは横にスライドする動きを見せることが多い。よって、素早いサイドチェンジを行うことで、水戸のサイドのスライドに負荷をかけていきたいところである。

 例えば5バックにするなど、水戸がこのズレが発生しないように対策を打ってきたら、縦にズレが起きるようなアクションをしたいところ。攻撃側の引いて受ける動きに対して、バックラインは付いてくる意識が強いので、バックラインに穴を開けてその穴をダイレクトにつくイメージを持っておきたい。

 水戸のバックラインは誰が一人が前に出て行っても残された選手達がポジションを取り直すアクションをするのが遅いのが弱点である。よって、ここは狙い目にしておきたいところ。できたギャップは埋まる前に活用したい。

 横浜FC戦の左サイドと同等のクオリティがあれば、この水戸の5バックは破壊できるだろう。遠野、瀬川など外に張るだけではないWGは宮代のようにきっちりと相手を釣り出すことを意識してのプレーを要求したいところである。

 非保持はやはり大外をいかに抑えるかになるだろう。ハーフスペースを使った細々とした攻撃はあまり得意ではなく、シンプルに大外からクロスを上げてくる形は大きい。

 3-4-3気味の水戸の保持はナチュラルに立つだけでも4バックに対しては大外が空きがちなので、ここは意識的に抑えたいところ。鵜木と対峙する左サイドは特に注意が必要となってくるはずである。

 例年苦労する3回戦。今年はアウェイであり、さらに週末には神奈川ダービー。例年以上に難易度が高いことが予想される。攻略法を押さえながら効率的に相手を仕留めていきたい。

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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