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「Catch up Premier League」~2023.8.13 プレミアリーグ 第1節 チェルシー×リバプール ハイライト

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先行されたチェルシーが奮闘するも「お決まりの結末」

 ネームバリューの観点で単純に開幕カードの中では最も注目度が高い一戦になるのだろうが、すでにピッチ外で実質開幕戦をしているという点でもなかなか面白い巡り合わせのカードとなった。

 立ち上がりにペースを握ったのはリバプールの方だろう。攻撃的な選手を並べた中盤を軸にチェルシーのマンツーマンの守備を外しながら前進。右サイドのサラーを出口に攻撃を仕掛けていく。

 イメージとしては右サイドがゲームメイク担当という感じ。ショボスライ、マック=アリスター、アレクサンダー=アーノルドの3枚が中盤に降りながら前線にパスを供給。左サイドは逆にガクポやディアスが速い攻撃を仕掛けていく。ロバートソンが上がる時間がもらえずに少し寂しそうではあったが、左右のスタイルの違いから攻めていこうということだろう。

 チェルシーの守備は部分的にマンツーをしつつ、後方は人を余らせて待機させるブロック守備重視の仕様。リバプールの攻撃がゆったりすると前線のスターリングとジャクソンはリトリートで自陣のPA付近まで戻ることもしばしば。

 ダラダラしていると平気で守備にリソース投入してくるチェルシーを見て、リバプールは手早く裏にボールを繋ぐようになる。長いボールを蹴ることができるアレクサンダー=アーノルドと相手を背負う状態で受けてもターンや無理な体勢からのパスで前線で繋ぐ圧巻のマック=アリスターを軸に攻撃を仕掛けていく。

 先制点の起点となったのもマック=アリスター。右サイド奥のサラーに展開をすると、ファーサイドに走り込んだディアスをピンポイントで狙ってゴールをアシスト。終始バタバタした試合の中で唯一仙人のように落ち着いていたサラーの巧みさが詰まったゴールだった。

 チェルシーの保持は中央を固めるリバプールに対して外循環のスタート。一見逃げのように見えるプランだが、この試合のリバプールの中盤より前の守備基準はガタガタ。WBにボールが入るとそれだけであっさりと最終ラインが晒される。WBにボールを入れてSBを引き出すと、その背後に前線の選手が入り込むだけで簡単にゴール前に進むことができた。

 SBが裏を取られることがわかっていればCBが早い段階でスライドすればいい!となりそうだが、リバプールは3センターがコンパクトに守れない人選になっているため、ライン間の縦パスにも警戒する必要がある。縦パスに積極的にファン・ダイクが出ていく関係で、今季のコナテはアレクサンダー=アーノルドと逆側のサイドの背後もカバーしなくてはいけないという昨季よりも大変そうな状況になっていた。

 こうした状況であればラインダウンするエンソは簡単にゲームメイクができる。リバプールは遅れてリアクションをする守備をしているので、スペースを逃さないエンソにとってはうってつけ。アンカー的に振る舞うギャラガーもゲームメイクで貢献できた。

 アタッキングサードにおいてはDFとGKの間に右サイドからひたすらクロスを入れる動きを継続。そのご褒美が37分のディザジのゴールに繋がる。

 後半もペースを握ったのはリバプール。ハーフタイムを経てもなお、外と中を自由に行き来するチェルシーの攻撃に対抗策が見つからず前進を許し続ける。内外問わずオフザボールの動きを繰り返すスターリングの実直性が光る流れとなった。

 チェルシーは右サイドのジェームズがオーバーラップができなくなってからややサイドアタックの精度が低下。リバプールの守備の対応は少しずつ間に合うようになる。

 リバプールはヌニェスなど前線の選手を入れ替えることでエネルギーを注入。プレスは前に出ていくようになったが、外され続けていたのであまり効果はなかったが、前進の馬力が出たこと自体は良かった。だが、最も可能性を感じるサラーをあっさりと諦めたのは意見が分かれるところだろう。

 ホームチームは同点ゴール以降は試合の主導権を握ったが、勝ち越しゴールを奪うことはできず。スコアレスではなかったが、またしてもこのカードは引き分け。これでチェルシーとリバプールの対戦はPK決着となったカップ戦も含めて7試合連続で引き分けが続くこととなった。

 

ひとこと

 試合後もピッチ外で引き続き戦っていて面白いです。

試合結果

2023.8.13
プレミアリーグ 第1節
チェルシー 1-1 リバプール
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:37′ ディザジ
LIV:18′ ディアス
主審:アンソニー・テイラー

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