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「Catch up UEFA Europe League」~2022.10.6 グループステージ 第3節 アーセナル×ボデ/グリムド ハイライトレビュー

■伏兵を地力でねじ伏せる

 エリザベス女王の崩御により、アーセナルは第2節のPSV戦を延期に。欧州大会のグループステージにも関わらず、チームごとに消化試合が異なるという割と変わった状態が誕生することとなった。第3節にしてホーム開幕戦になった今節は1勝1分でグループ首位に立つボデ/グリムドとの一戦である。

 まずは3000人のサポーターと共にロンドンに乗り込んだボデ/グリムドから見ていく。プレスはそこまで深追いはしない4-1-4-1がベース。アンカーのタスクであるロコンガはトップのエスペヨルドとアンカーのベルグが引き渡しながら監視する役割だった。

 アーセナルはこれに対して左サイドから攻め込む。ジャカとティアニーが高い位置に走り込んだり、エンケティアとマルティネッリが位置を入れ替えたりなどで抜け出す選手を作るところまではアーセナルはばっちり。ただし、そこからエリアにおける跳ね返しに関してはボデ/グリムドも無理なく対応できる状態だった。

 ボデ/グリムドの保持は立ち上がりはロングボールが主体だったが、徐々にショートパスを織り交ぜていくように。右サイドのムヴゥカの裏へのパスからスピード勝負を挑んでいきたいところではあるが、ヨーイドンの競争でプレミアリーグのバックラインに挑むのはなかなかに分が悪い。

 そのためにはある程度インサイドに起点を作りながら前進していきたいところではあるが、そのインサイドへのパスはアーセナルが封殺。いつもであればアーセナルのプレスはCFにトップ下がプレス隊として加わる形がベースなのだが、この日はエンケティアのパートナーはWGのどちらかで中盤は相手の3枚に噛み合わせる形を優先していた。サイドのズレが起きないように、WGが前に出て行った後のケアは冨安とティアニーが追従してラインを上げることでこなしていた。

 ボデ/グリムドは中央でもサイドでもズレを作ることができず。なかなかシュートまで辿り着くことができない。

 明らかに手段が豊富だったアーセナルはようやくカウンターからスピードアップを図り、敵陣深くまで攻め込む機会を得ると23分にエンケティアのゴールで先制。ヴィエイラが起点となったカウンターからマルティネッリが粘って前進。タイミングのいいオーバーラップを見せたティアニーのパンチ力のあるシュートの跳ね返りをエンケティアが押し込んで見せた。

 勢いに乗るアーセナルは高い位置からのプレスでさらに押し込むと、直後にはセットプレーから追加点をゲット。ヴィエイラの正確な左足がファーのホールディングにピンポイントのアシストをして見せた。

 セーフティリードとなる2得点をとったところでだいぶ落ち着いたアーセナル。試合のテンポを落としながらボデ/グリムドに対応する。

 センターラインのユニットは特に非保持においてはボデ/グリムドにも後手に回ることがあった。ヴィエイラとロコンガは簡単に相手を逃してしまい、レギュラーとの守備強度のところでは違いがあったように思える。

 特にロコンガは深追いをしてせいで中盤のスペースを間延びさせてしまい、ボデ/グリムドの突破を阻止することができなかった。このレベルでも一発で入れ替わられてしまったり、あるいは裏に簡単に抜けさせてしまうのは問題と言えるだろう。そこから先の守備ブロックには安定感があったので大きな被害にはならなかったが、今後を見据えるとよう改善案件。特に出て行って入れ替わられてしまうという特性はIHだろうと目をつぶれる部分ではない。

 アーセナルは60分を境に徐々に主力を投入。週末に向けての試運転を開始する。中盤を逆三角形に明確に変えたアーセナルはサイドでの手当を強化する形でプレス隊のバランスを変更。トップ下のヴィエイラが前に出ていくプレスとなった。サイドが手薄になったところにロコンガが引っ張り出されて中央が空く流れを避けたかったのかもしれない。

 保持で凄みを見せたのはジェズス。左サイドに投入されると同サイドを切り裂き3点目の起点に。折り返しを決めたのはファビオ・ヴィエイラだった。

 特別な仕掛けや特別なやり方は用意している感じはしなかったが、アーセナルは1つ1つのプレーの強度と精度で優位を獲得。まさに地力の差を見せた結果と言っていいだろう。エミレーツでの初戦は快勝。伏兵であるボデ/グリムドを退け、アーセナルは1試合少ない状態でグループ首位を取り返した。

試合結果
2022.10.6
UEFAヨーロッパリーグ グループA
グループステージ 第3節
アーセナル 3-0 ボデ/グリムド
アーセナル・スタジアム
【得点者】
ARS:23′ エンケティア, 28′ ホールディング, 84′ ヴィエイラ
主審:ハーム・オスマー

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